2018年に放送された「スポーツ酒場 語り亭」で『プロ野球開幕SP 優勝のカギを握る 助っ人外国人』というテーマでかつてヤクルトと巨人のスカウトを担当しヤクルト時代にラミレスを獲得した中島国章さんが番組MCのミッツマングローブと元ヤクルト監督でラミレスとチームメイトだった真中満、フリーアナウンサーの西島まどか(以下アナ)、お笑い芸人のダンカン、レッド吉田と共に語っています。
もくじ
ヤクルト時代のラミレス
ミッツ 真中さんはラミレス選手とチームメイトで。
真中 そうなんですよ。彼は2000本以上のヒットを打っていますからね。外国人で唯一。それで、やっぱり彼が凄いのは日本の文化を本当に学ぼうとして僕らにすごい近いんですよ。
ミッツ うん。
真中 色んなことを吸収して頑張るのと、あとはある程度の実績がある助っ人外国人になると終盤の8回とかで試合が決まった時に「あんまり出たくない」とか「今日はこんな状況だから」とか言う外国人が多いんですけど、ラミレスはどんな時でも最後まで一生懸命頑張る。「俺は出るよ」ってタイプの選手なんで、すごい見ていてスッキリした良い選手だなあと。
ラミレス獲得の経緯
アナ ラミレスを中島さんは初めて見たときの印象というのは？(※中島さんがラミレス獲得をした当時のヤクルトのスカウトマン)
中島 もちろん覚えていますよ。ものすごく愛嬌がある。自分にとってはそれが印象に強かったのと、あと打撃練習でインパクトのポイントが違うんですよ。ラミちゃんはポイントが後ろなんですよ。ということは、体重を残して打てるバッターで日本的だった。
ダンカン 日本は変化球が多いから日本に合ったんですか？
中島 それを見て、この人は日本で成功する選手かなと感じたのが来日する3年前ぐらいから、もうずーっとアメリカの球団に「ラミレスをくれよくれよ」と。
一同 へぇ～。
中島 「せっかく日本からも来ているし、この際だから日本でやらせようか」ということでOKを取れた。
一同 ほぉ～。
中島 やっぱりこちらのアピール、情熱も相手に伝わるんじゃないですかね。
ミッツ その仕事ぶりにも影響しますよね。
中島 そうそう。エージェントだけじゃなく球団にもアピールをしないとなかなか上手くいかないですね。
吉田 だから、中島さんのアピールがなかったら、あのラミちゃんぺは生まれなかったんですね。
一同 (笑)
スカウトのアフターケア
アナ 日本にラミレス選手が来てからのアドバイスとかは例えば何かしたんですか？
中島 あのー・・・アドバイスはしましたけど1番記憶に残っているのは1年目の時にどうも守備面でマイナスが多いので、1試合4打席ぐらい立つじゃないですか、彼は3打席で交代させられる。
真中 守備固めを出されて。
中島 そうそう。それでオールスターの練習の期間にラミちゃんが深刻な顔で僕のところに来て「なんとか4回打席に立ちたいんだよ だから監督に話をしてもらえないだろうか」って。「いや、俺はそれだけの条件じゃ話できないよ」って返して「その代わり話をするなら、お前もっと守備を頑張れよ」って、それが絶対の条件だって。それで練習中からアピールしろと。「若松監督に納得してもらうためにはそれしかないよ」って。それから一生懸命に練習してね。
ミッツ そういうスカウトだけじゃなくて日本に来たあとのアフターケアというか。
中島 それはもう絶対に必要ですよ。
ミッツ そういうのもされるんですか。圧倒的に中島さんを頼るんですか？
中島 土俵を与えてあげないといけない。
ポジションが同じの日本人選手の立場
吉田 僕らファンからしたら、じゃあ他の日本人の選手が教えてあげればいいんじゃないかと思うんですけど、現役時代の真中さんなんかはやっぱり同じ外野手でライバルだから。
真中 そうですね。スカウトが外国人選手を一杯取ってくるじゃないですか。
ミッツ はい。
真中 毎年、色々変わるわけですよ。僕は外野手なんで必ず3つのポジションのうちの1つぐらいが外国時選手が来るわけですよ。そうすると、チームは勝ちたいんですけど、あんまりいい選手が来ると僕が試合に出られなくなる。
吉田 イヤですよね。
真中 複雑ですよね。「あんまりいいの獲ってこないで」と思いながら。
ミッツ チーム内でせめぎ合いがあるからね。
中島 それで思い出した。よく選手に聞かれるんですよ。アメリカに行く前に「今度の外国人選手のポジションはどこですか？」って(笑)
一同 爆笑
真中 そりゃそうですよ。僕ら死活問題ですもん(笑)
以上です。
ラミレスも苦労していた。
