2022年1月22日にBS1で放送された『球辞苑』でメジャーリーグや広島で活躍した黒田博樹が『ツーシーム』について語っています。

 

メジャーでツーシームを投げ始めたキッカケ

黒田 年齢を重ねてきて、僕が32か33歳でアメリカに行ったので。1シーズン、先発なら30数試合で200イニングぐらい投げようと思うと、やっぱり体力的にドンドン疲れが溜まってきて、自分のパフォーマンスを継続するのが難しくなってきてて。その中でツーシームで生きていかないといけないと頭の中をマインドチェンジしていって、結局1年間投げ続けるための体の負担を減らそうというのがありましたね。

 

メジャーで新しいピッチングスタイルを模索していた黒田は、当時ドジャースに在籍していた伝説的な投手のグレッグ・マダックスと出会う。黒田はその伝説的な右腕からツーシームの投げ方や投球術など、多くを学んだ。

 

マダックスについて

黒田 そうなんですよね。だから僕はスゴくいい機会に恵まれて、そういうボールのヒントをちょっと貰って。特に自分がピッチャーとしての転換期で、そこにいいタイミングで会えたんで。

 

黒田流のツーシームとは

黒田 外国人とか、日本でも長距離バッターというのは高めの方が詰まりやすいというイメージがあった。腕が長いバッターが多いので。僕のツーシームはベルト付近に真横に動かすのと、低めに沈めるという2種類を使い分けてましたね。

 

 

 

握りは変わる?

黒田 握りというよりも、あとは自分の感覚というか。握りはほぼ変えてなかったですね。僕はボールの縫い目の左側、人差し指しか掛けないんですよ。それで中指はボールのほぼ真ん中に置きます。

 

 

同じ握りでどう変化を付けるのか

黒田 親指をズラす。ズラして右バッターの膝下に沈めたりとか。

 

真横に曲がるツーシーム

 

 

膝下に沈めるツーシーム動画2

 

黒田 イメージではリリースのときにちょっと横にズラすんです。

 

 

黒田 そして最後に人差し指からボールが離れていく。だから中指は極力使わずに最後の最後で人差し指でスピンをかけるという感じですね。

 

 

黒田 普通に考えればピッチャーは最後にこういう形になりますよね。

 

 

黒田 その中で最後に人差し指が離れていくというイメージが僕には強かったですね。だから、ひねったりという意識はしなかったですね。これはなかなか人に教えようと思っても難しいとは思うんですけど。

 

 

一方、左バッターに対してはマダックス直伝のフロントドアである。

 

 

左バッターに対するフロントドア

黒田 僕がよく使ってたのは左バッターのインサイドをボール気味からストライクゾーンに入ってくるボールですよね。マダックスが言ってたのは「左バッターの腰、お尻辺りを見なさい」と。

 

更にもう1種類

黒田 いくらパワーがない小さい左バッターでも、前で捉えやすいので。まあ、真っ直ぐタイミングで来たときにちょうど合ってしまうボールなので、その場合のツーシームも横曲がりじゃなくて、ちょっと縦に沈める。言い替えれば外へシンカーを投げるイメージ。

 

 

対右打者と対左打者の違い

黒田 左バッターに対しては外に沈めるイメージで、右バッターに対しては真横に曲げるのと膝下に沈めるイメージの両方ありました。

 

ツーシームに潜む落とし穴

黒田 ツーシームって曲げようとしてしまうと、絶対にフォームが崩れると思うので。やっばりツーシームは腕を遅らせて、ちょっと腕を下げれば大体のピッチャーは投げられる変化球なんですよ。だからそれを覚えてしまうと、ドンドン大きく曲げようとしてしまうので、フォームを崩しやすいというか。

 

以上です。

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