2019127日にBS1で放送された『球辞苑』で3塁ベースコーチの極意を阪神タイガースの高代延博コーチが語っています。

 



70年のプロ野球の歴史の中でこう呼ばれる男たちがいる。『日本一の3塁ベースコーチ』と。それは東と西に一人ずついる。東の最強ベースコーチは伊原春樹。そして西の最強ベースコーチは高代延博だ。高代は現役引退後、コーチとして6球団を渡り歩き正確な打球判断とランナーを自在に動かすその手腕から『日本一の3塁ベースコーチ』と称された。

 

3塁ベースコーチで最も大切なこと

高代 僕の例えで、『走者は嫁、僕は姑』と。指示はたくさん出します。例えばライトが前に来た時とか、外野の位置をもう1回見ろとか、ライナーを注意しろとか。もう事細かに指示を出します。それが一番大事だと思ってます。

 

―選手に口酸っぱく伝えてきたこととは?

高代 絶対に下を向いて走るなと。3塁ベースを回ってから止めることもあるんですけど、まあこれを引っ張るというんです(ギリギリまで止めずに最大限まで回らせること)。その時に下向いていたら、止めてるのに見えなくてホームに行ってしまう選手もいるんです。

 

ランナーに下を向かせず視界に入る。そしてギリギリまで引っ張ったあとの止め方に高代流のこだわりがある。

 

―高代コーチは引っ張る方?

高代 はい。引っ張ります。自分で引っ張っていいところまで行って、近くで立ちはだかって止める。

 

高代は走者を止めたい地点まで自ら移動し、そこで指示を出す。

 

 

その際に大事なことはランナーの視線を追い、その視界に入ることだという。

 

 

―あるシーンでそれが起こった

高代 WBCの糸井(嘉男)がそうだった。下を向いていた。それで目線に入ろうとしゃがみ込んで止めたということもあるんですよ。

 

それは2013年のWBCの台湾戦。4回表、2アウトで2塁ランナーは糸井。バッターの坂本は二遊間への当たりを放ちショートが飛び込むがグラブで弾きセカンドがカバー。ランナーの糸井はセンターに抜ける事を想定し大きく3塁を回るがストップ。セカンドはすぐに3塁に送球するが糸井はギリギリでセーフ。

 

この場面、糸井は高代のストップの指示に気付かず、高代は這いつくばって糸井の視界に飛び込みストップさせいたのだ。

 

 

3塁ベースコーチの達人ならではのジレンマ

高代 キャリアが長くなれば長くなるほど共に戦った選手が敵にいたり。あるいは今だったらほとんどが各チームの首脳陣になっている。以前使っていたサインは使えないんだというのは、一番しんどい仕事ですね。毎年作るのに困ってましたから。

 

―現在は2軍コーチだが3塁ベースボックスが恋しいのでは?

高代 いやぁ、どうだろう。3塁ベースコーチを離れて精神的にはめちゃくちゃ楽です。楽だけど、物足りないです。まだまだ負けんぞという気持ちはあります。

 

 

以上です。

最後の言葉から察すると誘われれば他チームでやるかもしれませんね。
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