2018年8月3日にBS1で放送された「ワールドスポーツMLB」でMLB公式アナリストのマイク・ペトリエーロさん(以下ペト)が『wRC+』という打者が打席あたりに産み出した得点の傑出度を示す指標について分かりやすく解説しています。VTRでの解説が終わるとかつてメジャーで活躍した小宮山悟とフリーアナウンサーの平原沖恵が更に色々と語っています。

 



【Weighted Runs Created Plus

通称wRC+とは各打者の攻撃の価値を打率や出塁率だけでなく、試合状況や球場の違いなどを含めて総合的に算出した数値

 

ペト 『wRC+』はシーズンの平均と比べて、どれくらい優れているかを相対的に評価します。100をリーグの平均として120なら平均よりも20%高く、80なら平均よりも20%低いことを表します。

 

2018年8月2日時点での『wRC+』のトップテン

1位 エンゼルス トラウト 190

2位 レッドソックス ベッツ 187

3位 インディアンス ラミレス 174

3位 レッドソックス マルティネス 174

5位 ヤンキース ジャッジ 156

6位 カージナルス カーペンター 155

7位 ブレグマン アストロズ 152

7位 レッズ スアレス 152

9位 ドジャース マチャード 150

10位 レッズ リンドー 148

 

 

1位のエンゼルスのトラウトはメジャーの平均的な選手よりも90%優っている。また、トップテンのうちトラウト、カーペンター、スアレスの除く7人が優勝争いをしているチームに所属。メジャー全体で見ても『wRC+』という指標がチーム力を押し上げることを示している。

 

ペト 更にこの指標が優れているのは、スタジアムの特性を反映している点です。

 

 

例えば、標高約1600メートルにあるロッキーズの本拠地のクアーズフィールドは気圧が低く、よくボールが飛ぶためバッター有利の球場である。また、レッドソックスの本拠地のフェンウェイパークはスタジアム自体は小さいものの、レフトにそびえ立つグリーンモンスターと呼ばれる高いフェンスがあるので、ホームランが出にくくなっている。この2つの球場を比べると、同じホームランでも大きく価値が違う。

 

ペト 『wRC+』はそれぞれのスタジアムの違いや、攻撃に関するあらゆる要素を取り入れています。だから、バッターの能力をより公平に評価することができるのです。更にこの指標は時代を超えて選手を比較できます。往年の名選手と今の選手を比べてみるのも面白いと思いますよ。

 

VTRは終了

ここから小宮山と平原アナが『wRC+』について色々と話します

 

 

アナ 『wRC+』、ちょっと難しいなあと思いますけど、小宮山さん、これはどういうことでしょうか?

 

小宮山 非常に細かなことになっていると思うんですよ。

 

アナ はい。

 

小宮山 基本的には全ての選手を同じ物差しで測ろうという試みなんですけど、これを見てもらえると分かるんですけど。

 

【モニター画面】

『wRC+』のポイント

  • シーズン平均で相対評価
  • 球場の条件を反映
  • 時代を超えて比較

 

 

小宮山 その年の平均で、投手の方が優れている、打者の方が優れている、みたいなことがあるんですけど、それもよりフラットにしましょうと。

 

アナ はい。

 

小宮山 更に特徴的なのが、球場の条件を反映しましょうと。

 

アナ うんうん。

 

小宮山 先ほども出ていましたけど、クアーズフィールドなんてホームランがたくさん出る球場なので、そこでホームランを打っている数と、ホームランが出にくいとされるシアトルのセーフコフィールドでもいいですよ。そこでのホームランの数と比較して、どうなんだというところで言うと、そこの数字をまずフラットしてに考えましょうよという。それで、ここが一番のポイントで・・・。

 

アナ はい。

 

小宮山 野球好きな方々は今まで誰が一番凄かったんだという話で絶対に盛り上がると思うんです。

 

アナ はい。

 

小宮山 その野球好きな方々のことを考えて、条件をある程度フラットにした中で、誰が凄いあいつが凄いとかで盛り上がっているということなんじゃないでしょうか。

 

アナ 過去に遡って誰が凄いかを、なるべく同じ条件で比べられるということですね。

 

小宮山 そうです。より公平にということでやっていることなんですけど。

 

アナ 早速、比較してみたいと思うのですが、今シーズン(2018年8月2日時点)の1位はトラウト選手で『wRC+』は190なんですけど、これがどれぐらい凄いかと言いますと、1911年のタイ・カッブさんの『wRC+』は189ということで、この年の打率が.420ということで自己最高でした。

 

 

【トラウト(2018)とT・カッブ(1911)の比較】

トラウト(2018) 打率.309 本塁打30 『wRC+』190

T・カッブ(1911) 打率.420 本塁打8 『wRC+』189

 

 

小宮山 はい。T・カッブの打率は4割を超えていますけど、ホームランが少ないということで、『wRC+』が189。トラウトの現在(2018年8月2日時点)は30本打っているということで、トラウトの方が優れているということなんですけど、『runs created plus』ということで、得点を取るというところに重きを置いているようなところがあると思うんですけど。

 

アナ うんうん。

 

小宮山 基本的にこういうことで全ての条件を鑑みて、比較した時に1911年のT・カッブとトラウトを比較して、どっちの方が上かということが議論になることの方がすごいですよね。

 

アナ そうですねぇ。凄いという感じですよねぇ。では、1900年以降の全選手の順位の中からの上位なんですが。

 

【wRC+ 上位3人と2018/8/3時点のトラウト】

1バリー・ボンズ 率.370 本46 wRC+244 (2002年)

2ベーブ・ルース 率.379 本54 wRC+239 (1920年)

3バリー・ボンズ 率.328 本73 wRC+235 (2001年)

58位トラウト 打率.309 本塁打30  wRC+190 (2018年)

 

 

アナ トラウト選手は58位と。上位を見ていくと1位が2002年のバリー・ボンズさん、そして2位が1920年のベーブ・ルースさん、続いて3位が2001年のバリー・ボンズさんということで、同じ選手も入ったりもします。

 

小宮山 もちろん、その年の、ということで73本のホームランを打ったバリー・ボンズよりも46本しかホームランを打っていなかったバリー・ボンズの方が凄いっていうのも、どうかな・・・という気もしますけど。

 

アナ はい。

 

小宮山 打率が2002年と2001年と違うし、2002年のバリー・ボンズはベーブ・ルースと同じような数字なのに、バリー・ボンズの方が上を行っているというのを考えると、2001年のバリー・ボンズはフォアボールが凄かったんですよ。僕はメジャーでやっていた年なので、サンフランシスコジャイアンツのバリー・ボンズの活躍を見ていたんですけど。

 

アナ はい。

 

小宮山 まあ、凄かった。もうとにかく、満塁でもフォアボールを出してもいいやぐらいの感じでやっていたので、それぐらいの年でしたから。

 

アナ これは過去に遡って凄さを比べられるというのもそうなんですけど、昔の選手がどれぐらい凄かったのかというのも改めて分かりますね。

 

小宮山 はい。『wRC+』はこういうことでみんなで盛り上がることができるという、そういう指標だと思います。

 

 

以上です。

『wRC+』という指標にも今後注目してみましょう。

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