2021年12月25日にBS1で放送された『球辞苑』で読売ジャイアンツと西武ライオンズで活躍した鹿取義隆が『サイドスロー』について語っています。
―サイドスローになった原点は?
鹿取 考えられることは、実家が酪農家だったので、お米を取ったらワラを投げたりとかを普通にやってんで。(※腰を回転させて横に放り投げる仕草をしています)
(続けて)
鹿取 そういう運動が後にプロに入ったら同じような動きの練習があったので、「あぁ、これって昔やってたかもしれないな」って(笑)
―サイドスローの重要なポイントは?
鹿取 軸足ですよね。この辺ですかね。軸足の膝ですよね。
鹿取 この場所というのは遠投するときにこのポイントなんですよ。
鹿取 サイドスローのときも同じでこのポイントを再現するんですよ。
鹿取 そしてひねったパワーを軸足のタメでひねり返す。巻き付ける。
―制球力を上げる秘訣
鹿取 できれば自分のスパイクの幅ですよね。軸足の幅の間に踏み出す足が収まった方がバランスはいいです。踏み出す足の位置は一点ではないですよ。軸足の幅の間でも少しズラしてポジションを変えると。これが軸足の幅から外れて踏み出すと、インステップでちょっと難しくなったり。
鹿取 逆にアウトステップだと開いて見えますから。
―次のポイントは?
鹿取 ここリリースです。
鹿取 僕はこの辺だった。この位置から前でリリースするとワンバンしか投げられない。手首を縦に切れなくなるので・・・。だいたい軸足と踏み出した足の真ん中ぐらいに頭の位置があってリリースする。『パチッ!』っていってました。パチッ!あっ、爪割れてるなとかあったんですけど(苦笑)
―アンダースローへの挑戦
鹿取 やったんですけど、下から投げるうちに手首近辺が痺れてきてですね。もうボールが持てないぐらい痺れました。だけど球種的には投げる角度が変わるので面白かったですよ。「これはいいなと」と思ったんですけど、悲しいかな右腕が悲鳴を上げてしまって。それで監督に話をして、中断したんですけど。その時には監督に「今持ってるボールを磨きます」と伝えました。
―磨きをかけた球種とは
鹿取 シンカー系のボールに磨きをかけると。
―シンカーの特徴
鹿取 一番ゴロになる可能性があるボール。シンカーの回転だとボールの上っ面にバットが当たるとゴロになる。それで転がっていくんじゃないかと思って必ず投げていました。打ってくれれば儲けものみたいな。
鹿取 そこに緩急を付けて、速い球を投げたり遅い球を投げたりをしていました。親指を位置をズラすんです。(※文字では分からないので後で写真で分かるようにします)
(続けて)
鹿取 それで手首を内側に回す。それで親指の幅が狭いと速く曲がって、広いと段々遅く曲がる。それでもっと広くするとスプリット系になる。
―マウンド上で肝に銘じていたことは?
鹿取 野手の防げないことはやらないということ。フォアボール、デッドボール、ホームラン、この3つですね。もうゴロを打ってもらうのが一番だと思います。
―同じサイドスローの斎藤雅樹について
鹿取 斎藤が投げたときはブルペン休みみたいな感じだったので。ストレートのコントロールも良かったし、カーブの曲がりも手前でグッと曲がるんです。バッターは多分ストレートとカーブの見分けがつかない。腕の振りも変わらないというね。あの時は助かりましたね。
以上です。