2018年12月3日にフジテレビONEで放送された「プロ野球ニュース」で2018年シーズンをもって現役を引退し、現在は読売ジャイアンツのコーチをしている杉内俊哉が自身の投球術について元横浜の野村弘樹、元阪神ダイエーの池田親興、中日で監督をしていた谷繁元信と共に語っています。

 



野村 まず三振が多いじゃないですか。

 

杉内 はい。

 

野村 空振りもありますけど、そこで自分の中でこれだというものはありました?

 

杉内 そうですね。3球で1ボール2ストライクにしたいっていうのがあったので、初球から細かいコントロールとか、アウトローには投げたりはしなかったですね。

 

野村 うーん。

 

杉内 アウトコース真ん中でも高めでも低めでもいいんで、その縦のラインを狙うというか。インコースでも一緒で縦のライン。でも追い込んだらアウトローを狙うという感じですね。それで変化球は思い切り腕を振るっていうので三振をよく取れましたね。

 

野村 うーん。やっぱり変化球のときの方がもっと腕を振るっていう、そこが一番大きいんでしょうか?

 

杉内 そうですね。それをやっぱり若い選手に言った時に、それを実践できないというか、どうしても真っ直ぐの方が腕を振れますって言うので、そういう選手っていうのは2軍で若いピッチャーが多いですね。

 

野村 結局、それが出来るか出来ないかっていうところですよね、チカさん。

 

池田 傍で見てて、チェンジアップを投げ始めた時があるわけですよ。

 

野村 はい。

 

池田 それを僕もチェンジアップについて聞くと「強く真ん中に投げる」と言ってたけど、一番分かりやすいけど一番難しいことで。

 

杉内 そうですよね(笑)

 

池田 それで同じようにやれってなっても、やっぱりリリースが変わったり、フォームが変わったりするんだけど、チェンジアップを投げ始めてすぐに自分のものにしたのが早かったと思って。

 

野村 うーん。

 

池田 もしかしたら、スライダーカーブと色んな武器があったのに、一番自分の武器になるぐらいにスッと入っていった感じがありましたね。

 

野村 谷繁さんは打席に入って腕の振りが変わらないのを感じてました?

 

谷繁 はい。それは感じてました。それとあとは、言われていたようにいいピッチャーの条件ってファーストストライクから2ストライク、3ストライクって広がっていくんですけど、それを意識してやっていたというね。

 

野村 うーん。

 

谷繁 さすがですね。まあ、狙い目としてはファーストストライクですよね。だから、我々は打席に入っていて追い込まれたらそう簡単に打てるピッチャーじゃないと思っていたんで、どうしても早く打ちにいこうとしてましたね。

 

杉内 中日打線は初球からガンガンきてましたね(笑)

 

 

野村 そして投球フォームについて聞きたいんですけど。

 

杉内 はい。

 

野村 フォームでは力の抜き方というのがスゴい上手いですよね。

 

池田 抜き方というよりね、恐らくスギの真っ直ぐとチェンジアップで映像を比べるとチェンジアップを投げる時の方が首がものすごく動いているんですよ。それで真っ直ぐの方が首の動きが少ない。だから、チェンジアップの時は首が自分の腰を見るぐらいに動いているんですよ。

 

杉内 そうですね。

 

池田 それだけチェンジアップの時に腕を振っているということですね。

 

野村 投球フォームが少し変わっていったことについては自分の中では何かありますか?

 

杉内 本当に1年目2年目までは今までの投球フォームで投げていたんですけど、2005年のオープン戦の時に野手にどういうピッチャーが打ちにくいのか聞いたんですよ。

 

野村 うん。

 

杉内 そうしたら「キャッチボールの感覚で130キロを投げられたら多分バッターはタイミング合いませんよ」と言われて、それからグローブを叩くようにポンっとするようになったんですよ。

 

野村 なるほど。

 

杉内 それで自分の中では『やる気ない、やる気ない』と思って投げていました。

 

野村 なるほど(笑)

 

杉内 面倒臭いなあと思いながら投げてました。

 

このときに2006年の投球の映像が流れる

 

谷繁 この映像は何年ぐらいですか?

 

杉内 これは多分2006年とか2007年とかじゃないですかね。

 

谷繁 これね、やっぱり力んでたんでしょうね。手がものすごく後ろにあるんですよ。

 

杉内 そうですね。

 

谷繁 それで僕らが対戦した時はこのテイクバックの手があんまり見えなかったんですよ。この2006年の映像ではまだ見えてるんですよ。

 

野村 そうだね。少し背中も入ってね。

 

谷繁 はい。それが変化ですね。

 

 

野村 テイクバックが変わっているけど、意識しました?勝手にそうなってる感じ?

 

杉内 いや、初めはやっぱり大きかったです。大きかったのを気付いたんじゃないですけど、『やる気なく』投げようと思ったら小さくなったんです(笑)

 

野村 でも球速は落ちなかった?

 

杉内 球速はやっぱりちょっと落ちましたね。1年目2年目は144、145キロ投げられたんですけど、だいたい141、142キロぐらいになりましたね。

 

野村 うーん。それでボールの質が変わったという。

 

杉内 なんて言うんですかね。フォームを変えてからコントロールがつきやすくなったというか、自分の投げる球の軌道が分かるようになりましたね。

 

野村 なるほど。

 

池田 いらないものを捨てていってる感じがありますよね。

 

杉内 それはありますね。

 

池田 最初の頃は投げ始めで頭が下を向いていたんですよ。

 

野村 うん。

 

池田 そのうち動かなくなって、谷繁さんが言ったように手の動きがどんどん小さくなっていって、そして動きが変わっていって。

 

野村 うん。

 

池田 結局、遊び球が減っていって色んなものを捨てていった。

 

野村 無駄な部分を捨てていったと。

 

 

以上です。

独特のゆっくりフォームの完成の過程です。

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