2019年5月20日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のvs.ミネソタツインズ戦で今季11戦目の先発。6回3失点で3勝目をあげたシアトルマリナーズの菊池雄星のピッチングを小早川毅彦がフリーアナウンサーの山本萩子と共に解説しています。
この日の菊池の投球内容
6回93球 被安打5 奪三振6 与四死球3 失点3
3勝1敗 防御率3.43(5/20の試合終了時点)
菊池の試合後のコメント
菊池 (本拠地シアトルで初勝利は)やっぱり嬉しいですね。こうやって日曜日でお客さんがたくさんいる中で、首位のチームを相手に勝てて嬉しいです。チームが連敗をしていましたし、そこを止めるんだという気持ちが強かったです。ツインズ相手に僕のストレートがどこまで通用するのかスゴく楽しみしていました。三振はスライダーで取りましたけど、ストレートもスゴく差し込めている球も多かったんで、改めて自信を深める試合になったと思います。
小早川の解説
アナ 菊池投手は待望のホーム初勝利。強力ツインズ打線を相手に自責点1と見事に抑えました。
小早川 そうですね。失点はエラー絡みでしたし、ランナーを出しながらも粘れた投球でしたよね。
アナ 今日の投球はどうでしたか?
小早川 制球は前回、前々回に比べてバラつきはあったんですけど、要所を締めたピッチングでしたね。そしてもう一つ、私は配球のバランスに注目したいですね。今日はフォーシームが41球、スライダーが25球、カーブが22球とフォーシーム主体に投球できたことが今日のピッチングの良かったところだと思います。
アナ ツインズは昨日までの3連戦で36得点。中でもフォーシームには打率3割4分5厘と当たっていました。ところが、試合前のミーティングで「フォーシームを内角に投げろ」という指示があったということを菊池投手は明かしていたんですよね。これはどういう意図があったんでしょうか?
小早川 やはり監督がそう言って背中を押してくれると闘争心を持って強気に攻めることができる。今の菊池の状態ならそうやって攻めることがツインズ打線は強力ですけど抑えてくれるんじゃないかという信頼関係ですよね。
アナ はい。
小早川 あとバッターは攻めてこられると、基本的にイヤなもんなんですよ。
アナ なるほど。打ちにくさというものがありますよね。そして今日の最速は今シーズン2番目の155.1キロで本人も「意気に感じた」と話していましたように力強いピッチングでしたよね。
小早川 そうですね。今日はフォーシームでバッターの内角に投げて差し込んでいましたよね。
アナ 差し込めた理由とは何だったんでしょうか?
小早川 やはりボールに力があったというところですね。
アナ それで詰まった打球になってしまうと。そして3回には満塁のピンチを迎えたところで相手のバッターはクロウ選手でした。
小早川 はい。好調でこのシリーズもホームランを打っているんですけど、フォーシームでこれだけ差し込ませて振り遅れのスイングをさせるようなことができていたので決め球のスライダーにタイミングが合わなくなるのもよく分かりますね。
アナ なるほど。決め球のスライダーにタイミング合わないのも力強いフォーシームがあったからこそなんですね。
小早川 そうですね。
アナ そして5月の登板を振り返ると、全てクオリティスタートで4月以降の登板を見ると4/26のショートスターターをきっかけに変わったのが間違いなくありますよね。
小早川 はい。私はこのショートスターターが変わったきっかけだと思います。何よりもこれ以降の登板では自責点が5/3に1点、5/8に1点、5/13に3点、5/19に1点といい結果を残しています。このショートスターターは異例の起用法だったんですけど、ひょっとしてこれからこれがスタンダードな起用法になる可能性も十分にあるかもしれませんよね。
以上です。