2017年2月にBS1で放送された『球辞苑』でかつて近鉄バファローズや広島カープで活躍した左腕・清川栄治が左キラーとして使っていた投球フォームについて語っています。
清川 私も現役を15年やらせてもらったんですけど、3回4回フォームは変わってるんですよ。
徳井 はい。
清川 左バッターと対戦してちょっと安定して抑えられるようになってきたのはフォームのタイミングですね。強・弱・強のテンポで投げるというのを考えまして。まず始動を強くする。
足を強く上げてこのポジション
清川 ここから上へあげるんです。
清川 そして下に落とす。
清川 それから腕を前に強く出すんですよ。
勢いよく前に出してます
清川 それをやってから投げる。
徳井 それはそうですよね!割と滑らかな動きというよりは、フォームにも緩急があって『クッ!クッ!』というイメージです。
清川 そう。『クッ!クッ!』です。そういうフォームが良かったです。それである時、真っ直ぐが走らなくなったんです。
徳井 はい。
清川 それでここから。
清川 今度はここに入ってきます。
背中の後ろに持ってくる
清川 ここでまた『クッ!クッ!』が入るんですよ。
手首を曲げて『クッ!』を作る
徳井 後ろで『クッ!クッ!』。
清川 そこから投げる。タイミングをズラすというか、タイミングを測らせないような形に変わっていった。
徳井 相手のバッターによってフォームを変えることはあったんですか?
清川 バッターを観察する軸のゾーン(右足を踏み出す前に軸足だけで立っている間)と、移動のゾーン(踏み出す時の間)と、最後に腕を振って投げるゾーンがあるんですね。それで移動のゾーンでバッターを見るわけです。
徳井 うんうん。
清川 そこで観察をする。
徳井 江夏さんと一緒ですね。広島仕込みですね。工夫に工夫を重ねての成功だったんですね。
以上です。