202022日にBS1で放送された『球辞苑』でメジャーにおけるチェンジアップはどのようなものかをメジャー通のAKI猪瀬が語っています。

 



MLBの『チェンジアップ』の投球割合はNPBの6%に対して11.1%と倍近い数字。『チェンジアップ』はポピュラーな球種として多くのピッチャーが持ち球にしている。では、その長い歴史の中でどのような進化を遂げてきたのだろうか。

 

―チェンジアップの誕生

猪瀬 チェンジアップという球種は、今はチェンジアップとして確立されていますが、1800年代後半のまさに野球が始まった当時から使われていた変化球がチェンジアップと言われています。

 

チェンジアップの生みの親は伝説の名投手ティム٠キーフ(1857~1933)である。ティム٠キーフは1800年代の後半に活躍し、歴代10位となる通算342勝をマークし、1964年に野球殿堂入りを果たす。

 

―昔のチェンジアップ

猪瀬 実は文献等々を調べてみると、創成期のチェンジアップは今のようなチェンジアップではなく、遅いボール、すなわち変化球全般をチェンジアップと呼んでいたようです。

 

そしてチェンジアップ誕生から100年が過ぎた1990年代にある投手の出現により新たなスタイルが確立する。

 

―名投手が新しいスタイルを確立

猪瀬 グレッグ٠マダックスです。精密機械と言われていたマダックスがチェンジアップを使って、遅いボールをより遅く見せることによって、速いボールがなくても勝てると証明しました。そして緩急を付けるのではなく、チェンジアップに制球力を持たせた。

 

 

その後、ペドロ・マルティネスやトレバー・ホフマンやヨハン・サンタナなどのチェンジアップの使い手が次々と台頭し、メジャーリーグを席巻。

 

―チェンジアップの握りは多種多様

猪瀬 チェンジアップと一言で言っても、『グリップ』と言われている握り方がピッチャーによって全く違います。マダックスのチェンジアップの握りは指でOKマークを作った握りの『オッケーボール』と言われています。そして最もユニークなチェンジアップの握りというのは『バルカンチェンジ』というものがあります。『バルカンチェンジ』は人差し指と中指でボールを挟んでグリップするもので、当時一世を風靡したドジャースのエリック・ガニエというクローザーがいました。そのエリック・ガニエが『バルカンチェンジ』というグリップで活躍しました。一言でチェンジアップと言っても、もうほとんど投げるピッチャーによって握り方が全く違う球種だと思います。

 

―多種多様な握りが生まれた原因

猪瀬 アメリカの野球文化でキャッチボールから少年時代が始まって、まっさきに覚える変化球がアメリカではチェンジアップと言われています。一子相伝ではないんですが、2000年代中盤にかけてチェンジアップ最高の使い手と言われていたのが、ジェームス・シールズというピッチャー。実際にシールズ選手に取材をしてみると、まさにアメリカのチェンジアップのルーツそのままで、自分のお父さんに初めて教えてもらったのがこのチェンジアップの投げ方。「今現在まで、お父さんに教わった通りのグリップとリリースで投げているんだよ」と僕は本人に直接聞いたことがあるんですが、本当に『うちの味噌汁』みたいな、自分の『おかん おとんの味』みたいな。『おとんのグリップ』みたいなイメージだと思います。

 

 

以上です。

握りが多種多様なのは全部自己流から生まれたものなんですね。
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