2018年8月8日にBSスカパーで放送された「水曜日のニュース・ロバートソン」で元プロ野球横浜DeNAベイスターズの初代代表取締役社長だった池田純がジャーナリストのモーリー・ロバートソンとタレントのプチ鹿島と共に語っています。

 

組織改革編はこちら

 

【池田元社長が具体的に行った主な取り組み】

アクティブサラリーマン&女性をターゲットに

横浜スタジアムを友好的TOBで買収

社員全員と面談

とにかく話題になる仕掛けを連発

クラフトビール販売

球場外にビアガーデン

 

このページでは以下のトピックを紹介します。

『アクティブサラリーマン&女性をターゲットに』

『横浜スタジアムを友好的TOBで買収』

 

ターゲットを絞る

鹿島 アクティブサラリーマンという言葉を初めて聞いたんですけど。

 

池田 これはサラリーマンと言われると、言われた側もあまり心地良くないので。色々見ていったら、みんなすごいアクティブなんですよ。野球だけじゃなくて、土日にキャンプに行っていたり、ワールドカップを見たり、自分も草野球をやったり、フットサルをやったり。

 

鹿島 はい。

 

池田 みんな大きな居酒屋に来る気分で友達と球場に来て一生懸命、野球を応援しているというよりも野球をつまみにスタジアムを楽しんでいて、そういうアクティブな人たちを戦略ターゲットというか、狙っていきましょうと。球場って3万人いるんで。最初、社員に聞いたら「もう老若男女、全員を狙わなきゃいけないんですよ そういうビジネスなんですよ」って言われて。

 

鹿島 うん。

 

池田 いや、そうじゃなくて、企業である以上はちゃんとターゲットを決めましょうと。

 

鹿島 あー。それで、女性もターゲットにしたと。

 

池田 女性はですね、ターゲットにするというか、増えていったんですよ。

 

鹿島 はい。

 

池田 チームが弱かったじゃないですか。それで横浜のチームはマイナーじゃないですか。女性ってすごく温かいじゃないですか。巨人とかそういう驕っているというか、偉そうみたいなのじゃなくって、やっぱりマイナーなところで自分で見つけた球団。そこで選手が育っていくのを温かく見守ってくれるみたいなところが、ちょうどカープとベイスターズにハマったっぽくって。

 

鹿島 なるほど。

 

池田 それでカープ女子だとか、ベイスターズを好きになる女性が増えていって。最初特に戦略的に狙ったというよりは、結果的に増えていったという。

 

モーリー じゃあ、増えているというトレンドは認識されていたわけですから、そこはチャンスとばかりに開拓していった?

 

池田 そうですね。トイレを綺麗にしたりとか、女性向けのユニフォームとかグッズを作ったり。

 

モーリー 基礎の基礎ね。それね。

 

 

鹿島 グッズで有名ブランドとコラボしていましたよね?

 

池田 そうですね。BEAMSとやったり、色々とやっていてですね。最初の頃は弱かったじゃないですか。身に付けるようなグッズとかで胸元にベイスターズのロゴをドーンっとプリントしても「すいません 恥ずかしくて着れないです」って言われて。

 

鹿島 街でも普通に使えるようなね。

 

池田 そうですね。野球のボールをポコっとあしらったTシャツを作ったりとか、さりげなく野球を身にまとっているけど、ベイスターズを目立たせるようなドーン!っと書かれているようなものではない。

 

モーリー 色んな業界で女性がお客さんとして参入すると潤うのに、やっていない業界が他にもいっぱいありますよね。

 

鹿島 そうですよね。

 

モーリー クラブ業界とか。クラブは物凄く女性に厳しいです。そもそも煙たすぎて女性が居たくなくなるというもあるんですよ。

 

池田 うーん。

 

 

横浜スタジアム買収

鹿島 あと、横浜スタジアムの買収ですね。とうとうスタジアムビジネスに乗り出したという、この出来事はやっぱり大きかったですよね。

 

池田 これが一番大きいですよね。

 

鹿島 うん。

 

池田 別々なんですよ。チームとスタジアムの経営が。

 

鹿島 (モーリーに対して)これ分かります?球場がお客さんで満員だったとしても、必ず儲かってなんですね。今までは。

 

モーリー え!?

 

池田 スタジアムは儲かってんですけど。

 

鹿島 球団がスタジアムを借りてたわけだから。

 

モーリー あー。

 

鹿島 横浜スタジアムは自分の物じゃなかったんですよ。

 

モーリー えぇぇ。でも、それだと経営的に気分も下がりますよね。

 

鹿島 そうそうそう。

 

池田 それで、飲食関係もスタジアムが運営するんですよ。お客さんからするとベイスターズの試合に来ている時に警備員の態度が悪いと文句は球団側に来るんですけど、それは株式会社横浜スタジアムが警備員を雇っているわけですよね。

 

 

モーリー その人たちの都合で独立しちゃっているという感じ?

 

池田 そうですね。

 

鹿島 ホームランを打って、お客さんにとってめちゃくちゃいい試合でビールが売れても、別に球団の儲けにはならないですもんね。

 

池田 最初はそうですね。

 

鹿島 スタジアムの儲けになる。

 

モーリー あー。じゃあ、インセンティブが全然チグハグで繋がってこないと。

 

鹿島 そう。じゃあ、それを全部一緒にしちゃえばいいじゃないかということで。

 

モーリー それでスタジアムごと買収しちゃったと。

 

鹿島 うん。

 

池田 最初は絶対にできないと言われていて。

 

モーリー これは今までの人はやったことないんですか?

 

池田 こういう買収みたいな感じでやったのはないですよね。

 

鹿島 特に横浜はスタジアムの株主さんとかが、またちょっとややこしいというか。

 

モーリー ややこしいのね。

 

鹿島 地元密着なんですよね。でも、そこを1人1人を説得して。

 

池田 最初は絶対に無理だと言われていたんですよ。「怖い人もいっぱいいるぞー」って言われて・・・。

 

モーリー 怖い人・・・はぁー・・・。

 

池田 でも、別にそんな人はいなくて。

 

鹿島 うん。

 

池田 いるかもしんないですけど、会わないので別に。

 

モーリー じゃあ、その説得する戦略は合理的に少しずつ粛々とやっていったら、ある段階で手応えを感じていったんですか?

 

池田 要はもうお前たちにスタジアムを任せた方がいいんじゃないかという、横浜の街の声を作っていけば、「やれ!」って声になるじゃないですか。

 

モーリー ほー。

 

 

池田 「欲しいんです やらせてください」って言っても、まず自分たちの経営をちゃんとして、お客さんを増やして、横浜の街の経済を活性化するぐらいのことをやってから、スタジアムの交渉をやらないと。横浜の魂みたいなもんなんで。

 

モーリー へぇ~。

 

池田 昔からある1978年からあるスタジアムなんで。

 

モーリー じゃあ、ベイスターズのファンから声が上がっていったんですか?

 

池田 横浜の街ですよね。

 

鹿島 だから、ここなら任せてもいいんじゃないかという信用を築き上げたということですよね。

 

池田 そうですね。もっと面白いものにしてくれて、もっといい球場にしてくれるんじゃないか。じゃあ、任せてやろうとならないと、なかなか任せてくれないですよね。

 

鹿島 やっぱり、どうせまた球団を売るんじゃねえのとか、そういうのがあるじゃないないですか。

 

モーリー 単純に資産として見てるということね。

 

鹿島 そうそう。地元のチームのオーナーがどんどん代わっていくのはイヤじゃないですか。だけど、そうじゃないですよと。

 

モーリー へぇ~。

 

鹿島 だから、ある意味マーケティングとかっていう最先端のことやるというイメージがありますけど、一方でどぶ板選挙的な。

 

モーリー そうだよね。どぶ板だよね。

 

池田 もう毎晩飲んでますもん。

 

モーリー ハッハハ(笑)

 

鹿島 ですよね。やっぱり、それ必要ですよね。

 

池田 座ってお話聞いて。

 

鹿島 うん。

 

池田 「そうですね 教えて頂いてありがとうございます」って。

 

鹿島 やっぱりそうなんだ。

 

池田 はい。

 

鹿島 それで、もうスタジアムは横浜球団の物になったんです。

 

モーリー そうすると一気に球団の収益体質が良くなった?

 

鹿島 お客さんが来れば来るほどチケット収入がね。

 

池田 そうですね。今、出ていた数字はベイスターズの球団だけの数字なんですけど、それとは別に横浜スタジアムの40億円ぐらいの数字が売り上げとかがあるんで、それはそれで別でまた上がっていっていますよね。

 

モーリー なるほど。

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