2018年1月にBSスカパーで放送された『プロ野球ワイド2018』でかつてプロ野球で審判員をしていた小林晋が昭和最速ピッチャーについてお笑い芸人のレッド吉田と共に語っています。

 

小林晋
1970年に社会人野球から審判員に飛び込み、1995年まで1513試合のジャッジを務めてきたキャリア豊富な審判。審判引退後は東京板橋区で炭火焼味角というお店を営んでいる。

 

吉田 もう審判員を引退されましたけど、長いキャリアの中で辞めたいと思ったことはあるんですか?

 

小林 それは何べんもありますよ。

 

吉田 何度もあるんですね。

 

小林 うん。

 

吉田 それは自分の視力の限界とか判断力の限界とか、もしくはものすごいイヤな選手がいるとか。

 

小林 今の時代のプロ野球選手はおとなしくなったけど、昔はくせ者ばっかりいたから(笑)

 

吉田 ですよね(笑) 例えば誰ですか?(笑)

 

小林 阪急だったら加藤秀司だとか。

 

吉田 あぁ、加藤さん。

 

小林 色んな選手がいましたよ(笑)

 

吉田 野村さんはどうだったんですか?

 

小林 あの人にはもうしごかれました。

 

吉田 マジですか。

 

小林 えぇ。

 

吉田 野村さんはよく『ささやき戦術』とかいって、よくブツブツ言ってるらしいんですけども。

 

小林 その通りです。ブツブツ(笑)

 

吉田 コースギリギリの球をボールと判定した時に「ストライクじゃないのか?」みたいなことは?

 

小林 そうは言わないんです。

 

吉田 あっ、言わないんですか。

 

小林 際どいところをボールって判定したら「お~い 今の入っとんじゃないかい・・・」って(笑)

 

吉田 強く反論みたいなことをするんじゃなくて、「今の入っとんじゃないかい・・・」と。でもそれを言われたら、次にそのコースに来たらストライクと言いそうな感じになりますよね。

 

小林 それを言われる前にアンパイアの大先輩に「おい!今日 野村に何言われても 絶対に野村のペースに乗るなよ!」って。

 

吉田 マジですか(笑)

 

小林 うん。「乗ったら お前のストライクとボールの判定がガタガタになるぞ」って大先輩に言われました。

 

吉田 やっぱり審判界の中では要注意人物として野村さんの名前が挙がっていたんですね。

 

小林 ベテランの審判員の方は「おい!ほっとけ!」と言うけど、当時キャリアの浅い俺らはそれを聞いちゃうと自分のストライクとボールがガタガタになる。だから大先輩には「絶対に野村の戦術にかかるなよ」ってアドバイスされましたよ。

 

吉田 なるほど。そういうことをやってくる当時の若手選手とかはいました?

 

小林 いやぁ、いないですね。

 

吉田 後にも先にも野村さんだけだと。

 

小林 そうだね。俺らの時代では。

 

 

以上です。

ノムさんのペースに乗ったら終わり。
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