2018年4月8日にBS朝日で放送された「BS朝日 日曜スクープ」という番組で衝撃の3試合連続ホームランを打ったエンゼルス大谷翔平の打撃について元阪神の藪恵壹がテレビ朝日アナウンサーの小松靖(以下アナ)と大木優紀(こちらも以下アナ)とスポーツジャーナリスト生島淳と共に語っています。
アナ フォームの変更というのはどういうものなのか藪さんに是非、実演をして頂きたいと思いバットを用意しました。お願いします。
【藪がバットを持って構える】
藪 ここがホームベースだとしてこう立ちますよね。それでオープン戦中は足を大きく上げて(一本足)体重を前足(右足)にかけながらスイングしていたんですよ。それがシーズンに入って、足の移動を小さくして、すり足ですね。
アナ はい。
藪 このすり足で移動を小さくしてそのままスイングする。このことによって、かのバリーボンズが「打撃とは目と手の動きの連動だ」と言ったんです。
アナ はい。
藪 ボールを見たところに速くバットを落ちるという効果が得られると思うんです。
アナ すり足の方が?
藪 すり足の方が。
アナ 足を上げるとその分、目では捉えられないんですかね?
藪 いや、捉えられるんですけど、すり足だとその確率が上がる。
アナ はい。
藪 普通のバッターだと打球が遠くに飛ばなくなるんですけど大谷選手の場合はすり足にしても飛距離がほとんど変わりませんので。
アナ なるほど。
藪 足を上げて反動を使うよりもすり足でコンタクトを優先しているという。
アナ これ素人目に見ても足を上げるか上げないかってけっこう大きなチェンジの気がするんですけど、これって選手としてはどうなんですか?
藪 いや、まさかこの短期間でこれだけ変化してあれだけ打てるとは私も思っていなかったです。もう少し時間がかかるのかなと思っていましたけど。
アナ あまり短期間で変えるものではない?
藪 ないですね。っていうか、出来上がらないと思いますね。
アナ 非常にそこはギャンブル性が高いというか。
藪 対応力の早さと大谷選手が持っているポテンシャルの高さだと思いますね。
アナ なるほど。生島さんはこのフォーム変更をどうご覧になりますか?
生島 僕はイチロー選手が振り子打法をやめて2001年に割とコンタクト優先にしたことを思い出したんですけども、大谷選手もコンタクト優先にしてパワーを犠牲にしたのかなと思っていたんです。コンタクトの能力も上げて、尚且つパワーも失っていなかったというところに本当に驚きを隠せないですね。
アナ そうですよね。言ってみれば、すり足にすることでパワーダウンするリスクもあった。
生島 可能性がありましたね。
藪 普通のバッターはそうなんですけど、大谷選手はそうではなかったと。
アナ 藪さんはご覧になっていてそれを大谷選手ができるという理由は何だとお感じになりましたか?
藪 ん~やっぱり持って生まれたモノというのがあると思いますね。
アナ 身長とかそういったこともあるんですかね。
藪 そうですね。
アナ あと、ファーストスイング以降も対応ができるようになったというお話についても細かくお聞きしたいんですが。(以前はファーストスイングで空振りをしたら0割5分3厘と対応できていないデータを示すVTRがこの話の前に流されていた それがフォーム変更後に3割6分まで上昇)
藪 キャンプ中にあれだけ打てないというデータがあったら、やはり同じ球を続けると思うんですよ。ミスした球を続けるというのがほとんどの配球なんですけど、それをわざととまでは言いませんけど、空振りした球を次には打ってしまうというね。
アナ じゃあ、相手のピッチャーからしたらイヤですよね。
藪 イヤですねぇ。続けられなくなりますからね。
アナ そうすると、選球眼とか打率については維持していけそうなんですか?
藪 いけると思います。はい。
以上です。
藪がなぜBS朝日の番組に呼ばれたのかちょっと謎なんですけど、大谷の持って生まれた才能というのも凄いですね。普通は無理なことをやってのけてしまうですから。それにしても藪は阪神暗黒時代のエースというイメージですけど知識が豊富でアメリカにも人脈があって喋りも上手いので色んな番組に呼ばれてもおかしくない人材です。