2018年7月6日にフジテレビONEで放送された「プロ野球ニュース」でこの日のvs.広島戦で強力打線を8回無失点で抑えきった読売ジャイアンツの菅野智之について楽天で監督をしていたデーブ大久保、元ヤクルト広島の笘篠賢治、元横浜の野村弘樹がフリーアナウンサーの山田幸美と共に語っています。
【この日の菅野の投球内容】
8回119球、被安打6、奪三振11、四死球1、失点0
今季9勝5敗 防御率2.21 (7/6の試合終了時点)
大久保 菅野の投球の一つ目のポイントがチャンスを拡大させないというのがありますが苫篠さん。
苫篠 こういったゲームだと例えば送りバントだとか、一つの有効凡打が大きくなりますよね。
大久保 確かにありますよね。
苫篠 2回表のノーアウト2塁という場面でバッターが松山。バントはないですよね。
大久保 そうですよね。
苫篠 そういうところで松山は繋ぎのバッティングをしようとする。
大久保 はい。
苫篠 次へ次へと繋ぐカープのイヤらしい野球をしようとしますけど、菅野は右打ちをさせないボールをしっかり投げ込んで良い形で次のバッターに繋がせないんですよね。
大久保 なるほど。
苫篠 4回表の場合だとノーアウト1塁でバッター丸の場面で2ボール2ストライクで勝負にいって空振り三振。フルカウントにしてしまうとランナーは自動的にスタートで当てるのが上手い丸が有効凡打を打ってしまうと次の打者に良い形で繋がってしまうんですよ。
大久保 そうですよね。
苫篠 そこを2ボール2ストライクで三振で繋がせないのは素晴らしいと思いました。
大久保 野村さん、進塁打を簡単に打たせないというのはなかなか出来ないですよね。
野村 難しいですよ。そう思っていてもそうはさせてくれませんからね。
大久保 ねぇ。それを今日はさせなかった。そして、ギアチェンジもできる。苫篠さんはどの場面でギアチェンジを感じました?
苫篠 6回表1アウトランナーなしでバッター丸で2ボールという場面で力でいきたいんだけれども、相手も真っ直ぐ一本勝負というシチュエーションで前にボールを飛ばさせないというところですね。初回から全開モードでいっているように見えたのにまだ余力を持ちながら投げられていところが凄いですね。このあたりは元ピッチャーの野村さんに聞いた方がいいかもしれませんね。
野村 まあ、2ボールにした時点でピッチャーは苦しいじゃないですか。
大久保 うん。
野村 そこで真っ直ぐをしっかりと投げ込める。そこで空振りを取れていましたよね。
大久保 はい。
野村 今のこの時代は菅野クラスの140後半の真っ直ぐでも打たれる時代なんで。
大久保 確かにね。
野村 2ボールからストレートはなかなかいきにくいとおもうんですよね。
大久保 うーん。
野村 そこに今日の菅野の気持ちというか気迫というか、2ボールからのストレートというは、そこが出た部分だったと思いますね。だから、今日はストレートが多く見られたし、菅野って球種が多いじゃないですか。その中で本来ならストレートとスライダーという菅野の出始めの頃の一番生きのいい頃の菅野に見えましたね。
大久保 そして、大事な場面では自分がリードして球種を選んでました。
苫篠 6回と7回、接戦の試合で終盤に点を与えてはいけない場面でキャッチャーも大城ということで、最終的に自分が一番投げたい球種を選択して、組み立ても含めて、菅野がしっかりと大城をリードして最高の結果で抑えると。
大久保 なるほどねぇ。
苫篠 自分がリードした場面では三振を取っているんですよ。やはり、キャッチャーの配球に応えてやる時もあり、そして菅野自身の配球でキャッチャーやチームを助けてやる。そういうピッチングをしているところに素晴らしさを感じましたね。
大久保 野村さんから見て菅野のリードはどうですか?
野村 今日の試合ってジャイアンツが負けるとセントラルの火が消えるかもしれない状況だったじゃないですか。
大久保 確かに。
野村 いくら後輩とはいえバッテリーとなると、菅野が背負う物って大きくなると思うんですよね。そんな中で、ちょっと聞いた話なんですけど、「打たれたら俺の責任でいい」と大城に言ってやったらしいんですよ。
大久保 へぇー。
野村 その中でゲームで抑えながら、そしてキャッチャーにも教えているわけですよね。
大久保 そうですねぇ。
野村 それで8回を無失点という。まあ、大したもんですよ。
アナ 対戦したカープの鈴木誠也選手は「本気を出されたら甘い球しか打てなかった。情けない。」と悔しがったそうです。
大久保 もう完敗したと認めていますよね。
以上です。
今日の菅野は凄まじかったようです。要所でギアを上げて攻撃を封じ込めるというスタイルが完成されています。