2019年1月に東海テレビで放送された『壮だったのか!たけい荘G』で中日ドラゴンズなどで活躍した井端和弘が守備の極意を武井壮と共に語っています。

 

グラブの型

武井 今日は守備の極意を教えて頂ければと。体を動かしながら体験させて頂ければなと。

 

井端 よろしくお願いします。

 

武井 グラブの型にはこだわりがあるんですか?みんな違うじゃないですか。

 

井端 グラブって自然と開く状態なんですけど、グラブを置いたときにペタって閉じている選手は、まあ下手くそ。

 

武井 えぇ!そうなの!?グラブがカパカパになって柔らかくなったら使いやすいと思ってたんですけど違うんですか。

 

井端 そうなっているということはグラブが自然と常に閉じている状態ということなんで、そこはグラブを開く動作が必要になってくるんで。グラブに手を入れた瞬間に開いている状態が理想。

 

武井 マジか。野球観変わるわあ。今でも現役時代のグラブは持っているんですか?

 

井端 いや、無いです。

 

武井 え?

 

井端 全部選手にあげましたね。

 

武井 え!?

 

井端 坂本(勇人)とか、岡本(和真)とか。坂本はもうあげて5年以上経ってますね。

 

武井 坂本選手はゴールデングラブ賞獲りまくってますもんね。

 

井端 そうですね。5年ぐらい経ってるんですけど、縫ってでも使ってるんで、寧ろ申し訳ないなと思ってますけど(笑)

 

 

ショートの構えの極意

井端 僕の場合はこれぐらいですね。

 

 

武井 めっちゃ広いですね。

 

井端 相撲取りの四股ぐらいですね。それでよく少年野球とかだとこうやって斜に構えるんですけど。

 

 

武井 はい。

 

井端 ボールに対して真っ直ぐ平行に構える。

 

武井 真正面。

 

井端 はい。相撲の四股ぐらいのように構えてグラブはダラーンとしてる感じですね。

 

武井 けっこうしんどい。

 

 

井端の正面の定義

井端 正面はこれでも正面なんですよ。

 

 

武井 なるほど。体が横を向いても。

 

井端 そうですね。僕の中ではヘソが向いてる先にグラブがあれば正面。僕はそういう解釈をしています。

 

武井 なるほど。

 

井端 だから、逆シングルが駄目だとか言うんですけど、僕は体が横を向いていてもヘソの前にグラブがあれば、それは常に正面。だからこれは正面じゃない。

 

 

井端 こうもないですね。

 

 

武井 なるほど。

 

井端 だから、ヘソを軸にして回っているなら正面。そうしたら次のプレーにスムーズに動きやすい。

 

武井 そうじゃないと体が止まるし、グラブの手だけでいくと、持ち替える時に投げる手からも離れますもんね。

 

井端 はい。

 

 

捕球の極意

井端 手をグラブに入れた時に手をギュッとするんじゃなくて。

 

 

井端 これだけです。

 

中指と薬指を少し折るぐらい

 

武井 あぁ、指先だけ。

 

井端 そうです。グラブを閉じるんじゃなくて、中指と薬指の所に当てて止めるイメージ。

 

 

武井 なるほど。それはグラブを閉じたらボールをキャッチするグラブのスポットなんですか。

 

井端 グラブを閉じたら、ボールを取り出さないといけないんで。グラブを閉じずに右手で蓋をするイメージ。

 

 

井端 ボールが入った所で蓋をする。それで持ち替える。

 

武井 はい。

 

 

井端 グラブを閉じたらこうボールを掴みにいきますよね。

 

閉じると手を入れる隙間がないので二本指で掴みにいく

 

武井 はい。そうですね。

 

井端 そうするとボールを持った時に縫い目が変でも、そのまま投げないといけない。

 

武井 あぁ、そうなると握り変えとかが出来なくなる。

 

井端 はい。だから、グラブを閉じずにボールを当てて、鷲掴みにしてグラブの中の手の平で滑らせて投げる体勢に入る。

 

スルスルっとボールを取り出す感じ

 

武井 俺なんかは毎回、二本指で掴みにいってるから、それで持ち替えて「やべっ!ツーシームだ!」ってなるんですよ。

 

井端 だから、これはグラブの型を作るんじゃなくて、持ち替える練習もしてるんです。

 

ボールをグラブに投げています

 

武井 そうだったのか!知らなかったー!30年野球やってるのに今日初めて知ったよ。

 

 

送球の極意

井端 さっきの構えの股割りから入ります。

 

井端 ここでボールを捕るのと同時に骨盤(※股関節とあとで表現する場合もあります)を前に出すんです。

 

武井 出す!何それ?

 

井端 はい。捕ったら骨盤というのんですかね。これをグッと出すんです。

 

 

井端 それからステップして投げると、骨盤でパンっとやれば投げられる。

 

武井 えぇ!そうなの?

 

 

井端 肘とか肩をあんまり使ってる感覚があんまりなくて。骨盤を入れずに投げると、どうしても肘肩を使ってるんですよね。

 

武井 しかも、ちょっと時間がかかる。

 

井端 そうです。でも、ここで捕って、股関節を前に出すことによって、骨盤に力が入るんで、股関節で投げられる。

 

井端 だから、手はリラックスして質のいいボールがいきやすい。

 

武井 キャッチボールとかのポンっと投げるような感覚で投げられる。

 

井端 そうですね。ボールを捕って、せっかく股関節の力があるのに、それを無くしちゃって上だけで投げるとコントロールにブレが出る。

 

井端 送球の動作に移りにくいんですね。

 

武井 なるほど。

 

井端 バッティングと一緒です。よく教えてるんですけど、バッティングでもこうじゃないですか。

 

 

武井 はい。

 

井端 守備でも捕ってこうですよね。

 

 

武井 はい。

 

井端 同じ姿勢なんで、バッティングが良い人はスローイングが良くなるし、スローイングが良い人は絶対にバッティングが良くなると僕は思ってる。

 

武井 だから、どっちをやってても、どっちも良くなる。

 

井端 そうです。

 

武井 そうなんですね。股関節がキーだったんですね。

 

井端 そうです。

 

 

以上です。

分かりやすいです。

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