2017年3月にBS1で放送された『球辞苑』でメジャーリーグに詳しすぎるAKI猪瀬がメジャーリーグにおけるゲッツー、ダブルプレーについて語っています。

 

これは2017年の3月に放送されたものでその当時の話もあります。

 

メジャーリーグのゲッツーとは

猪瀬 やはりダブルプレーですから。キーストーンコンビと呼ばれていて、ゲッツーの要となるショートとセカンドを指す言葉があるぐらい、二遊間が絡むダブルプレーが一番ダブルプレーの華だと思うんですが、メジャーリーグのダブルプレーというのはどちらかと言うと華やかな、派手な、アクロバティックなプレーが絡むダブルプレーが非常に多いようなイメージですね。

 

 

日米のゲッツーの違い

猪瀬 恐らく日本のプロ野球選手が完成させるダブルプレーというのは『確実性』を上げていくために基本から練習練習で積み重なったダブルプレーだと思います。ただ、メジャーリーグのダブルプレーというのは『確実性』よりも速くアウトを2つ取るんだというプレースタイルになっていると思いますので『スピード重視』。

 

スピード重視が見られる例

猪瀬 例えばグラブトスが必要ない時でも、グラブトスをした方が速くダブルプレーが完成するんだったら、ダブルプレーのためにグラブトスをする。(2塁へのトスを)ましてやベアハンド、素手で処理するというような。

 

ベアハンドの例

 

 

 

猪瀬 スピンムーブと呼ばれるここでグルっと回る必要がないのに結果的にここで回転することによって速く2塁にボールを送れて、捕った選手もここで回らなくてもいいのに回った方がより速く1塁に転送できてより速くアウトができるという。ショートとセカンドの両選手が持っている身体能力の高さや閃きが融合された時に初めて完成するようなプレーがメジャーリーグのダブルプレーだと思います。

 

2塁への危険スライディングの禁止の影響

猪瀬 ルール上で難しいところがあっても「Do it !」やってみようぜということで現場ではネガティブな意見が出るということは現時点(この放送当時は危険スライディングが禁止されたシーズンのオフ)ではないです。結果的にイメージよりも塁上での激しいプレーはまだメジャーリーグの世界では残っています。

 

 

AKI猪瀬厳選の現役最強二遊間コンビ(2017年時点)

第3

猪瀬 ヒューストン・アストロズのショート・コレアとセカンド・アルトゥーベのキーストンコンビです。この二人のコンビはハイブリッドな感じがします。コレアというのは身体能力が非常に高くてサイズもあるのでパワフルな大型遊撃手という感じのプレーが信条です。一方、アルトゥーベは170センチないような身長なので、どちらかと言うと忍者のような軽業師。柔らかいプレーと質感のある硬いプレー。この二つが合致して出来上がるダブルプレーで非常にハイブリッドなダブルプレーをするコンビだと思います。

 

 

第2

猪瀬 テキサス・レンジャーズのコンビです。ショート・アンドリュース、そしてセカンド・オドーア。この二人のコンビネーション。二人とも中南米系の出身ということで、どちらかと言うとアクロバティックな守備が信条のキーストーンコンビになります。なんと言っても2016年シーズンではこのコンビが完成させたダブルプレーの数というのが一番多いんですよね。だからその辺で僕は華やかなプレーもあり、そしてなんと言っても一番多くダブルプレーを成立させているキーストーンコンビということでレンジャーズの二人を選びました。

 

 

第1

猪瀬 サンフランシスコ・ジャイアンツのキーストーンコンビ。ショート・クロフォードとセカンド・パニク。この二人は2016年にナショナルリーグの二遊間のゴールデングラブ賞を共に獲った名手のコンビになります。両者ゴールデングラブだけあって、確実なダブルプレーを見せてくれます。どちらかと言うと、僕が選んだ中では玄人好み。恐らく野球少年たちが見てても参考になるような、どちらかと言うと、日本プロ野球の選手たちが完成させるようなダブルプレーのスタイルに非常に近いと思います。

 

 

強烈な個性を生む原動力

猪瀬 スピードを生むために、恐らく選手たちの独創的なプレーがどんどん出てくるんだと思います。

 

 

以上です。

とりあえず日本人とは身体能力が違います。

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