2019年5月14日にフジテレビONEで放送された『プロ野球ニュース2019』でこの日の福岡ソフトバンクvs.埼玉西武ライオンズの試合で起こった2人のキャッチャーのプレーについて広島で監督をしていた達川光男、横浜で監督をしていた大矢明彦、元横浜の野村弘樹がフリーアナウンサーの堤友香と共に語っています。
ファウル 振り逃げ 甲斐と森の珍しいプレーを大矢 達川が語る
甲斐のシーン
6回表 西武3点リード 無死1-3塁
嘉弥真が投げたボールをバッター栗山の止めたバットに軽く当たる。映像では間違いなくファウル。しかし、キャッチャーの甲斐がパスボールと思ったのかボールを猛追する。その猛追した甲斐を見たからなのか主審はパスボールだと判断したのかそのままプレーが続行。工藤監督も抗議するが判定は変わらず。
森のシーン
9回裏 西武6点リード 1死 走者なし
マーティンの投げたボールがサインミスか何かで構えと全然違う高めのところにいき、松田が空振り三振。森はボールを捕れず審判に直接当たる。森はファウルだと思いボールを追わず当たった審判を心配する。ピッチャーのマーティンがダッシュでボールを処理することに。
甲斐のプレーについて
野村 今日はキャッチャー出身のお二方(大矢と達川)なんで、この試合でキャッチャーにまつわるシーンが二つあったんですよ。まず6回表の甲斐のプレーです。
アナ はい。
野村 これはどう見てもファウルだと思うんですけど、審判はこのプレーの瞬間に何も言ってないんですよ。それでファウルだったらボールを追い掛けなくていいんじゃないかと僕は思ったんですけど、追い掛けたがためにパスボールで失点したわけじゃないですか。大矢さん、これキャッチャーはどうしたらいいんでしょう?どう見てもファウルですよね。
大矢 うーん。ファウルだと思ったらやっぱり追わないよね。
野村 アピールするべきですよね。
大矢 うん。
野村 でも追い掛けたがために審判もそのままプレーを続行してしまった。大矢さんだったら当然追い掛けないすか?
大矢 追い掛けないですね。僕の現役時代でキャッチャーやってて、相手のバッターがバントしにきたんです。
野村 はい。
大矢 それで自分の目の前にバットが出てきて、一瞬見失って僕は捕りにいったんだけどスルーしちゃったのよ。
野村 はい。
大矢 それを自分で「やっちゃった」と思ったんだけど、アンパイアに向かって後ろ手に手を出したの。そうしたらアンパイアは「ファウル」って言ってくれて(笑)
一同 (笑)
野村 なるほど(笑)
大矢 それでファウルになったことがあるんだよね。
野村 それぐらいのことをしていかないとダメということですよね。達川さんはこのプレーについてはどう見ますか?
達川 甲斐のミットのところにボールが来ていたから、当たらない限りボールがズレることがないですよね。
野村 考えたらアピールもしないで追い掛けていってますもんね。
達川 昔、田淵さんが江夏さんと組んでる時にセカンドランナーがいる状況で、ファウルだとキャッチャーだから分かるんですよ。それで田淵さんがボールを追わなかったんですよ。
大矢 うん。
達川 それでボールが1塁側のベンチまで転がっていって、セカンドランナーが生還して決勝点になった試合があったんですよね。
野村 うーん。
森のプレーについて
野村 そしてもう一つのシーンが森のプレーです。サインミスだと思うんですけど、高めのボールをスルーしてしまって審判に直接ボールが当たる。森はファウルだと思って審判を心配して、甲斐とは逆にボールを追い掛けないといけないんじゃないかと思ったんですけど(笑)
大矢 ピッチャーのマーティンはいいダッシュしてんじゃない(笑)
野村 ただ、このあとにフォアボール連発で押し出しをしちゃってるんで。大矢さん、このプレーの解説をお願いしていいですか?(笑)
大矢 見た通りだろ。
野村 はい(笑)
大矢 達川さん、これはバッターが振ってるし、審判に「大丈夫?」って聞いてる場合じゃないですよね。
達川 そうですね(笑) バッターの松田は空振りしているんで自覚症状があるんだけど、森はファウルチップしたと思ったんでしょうね。
野村 だから甲斐の逆ってことですよね。まあ1日にこういったシーンってなかなかない。
アナ そうですよね。
野村 しかもちょうどキャッチャーの大矢さんと達川さんが解説の日に起こるというのも不思議ですね。
アナ そうですね(笑)
以上です。