2023年10月31日にフジテレビONEで放送された『プロ野球ニュース2023』で阪神タイガースvs.オリックスバファローズの日本シリーズ第3戦。5回表、勝負を分けた貴重な2点タイムリーを放った宗佑磨の打席について元横浜の高木豊、元ヤクルトの五十嵐亮太、中日で監督をしていた谷繁元信がフジテレビアナウンサーの海老原優香と共に語っています。
1打席目 レフトフライ
2打席目 レフトフライ
3打席目 センター2塁打
4打席目 犠打
5打席目 フォアボール
日本シリーズ 打率.091(10/31の試合終了時点)
アナ オリックスは5回に宗選手が2点タイムリーを打った場面。豊さんはこの場面をどう見てましたか?
高木 この場面は外のスライダーがボールになってフルカウントとなったところが勝負だったんですよ。それで次のバッターが森というのも考えたと思うんですよ。だからどうしても宗で勝負したい。
アナ はい。
高木 ここまで日本シリーズではノーヒットだったし、このバッターで決着をつけたいと思ったんですよ。だからフルカウントだったけど、もう1球誘い球の外のスライダーも考えられたと思うんですよ。だけど、それを見逃されると森に回るという。満塁で森はキツいと思うんですよ。
アナ うーん。
高木 でも宗が甘めのインコースを見逃さなかった。見事なバッティングですよね。
アナ 五十嵐さん、2点タイムリーは大きかったですよね。
五十嵐 大きいですね。ピッチャーからするとフルカウントになった外のスライダーがボールと判定されて心が折れる。でも切り替えないといけない。ここまで投げさせた宗選手ですよね。
アナ うんうん。
五十嵐 ピッチャーとしても投げる球がなくなってくるので、何としても抑えなきゃというところで真っ直ぐ勝負で力で抑えようとしたけど、それが上手くいかなかった。まあ、バッテリーはこれ以上どうしようかと悩んだとかなり思いますね。
谷繁 うん。これね、キャッチャー的に言うと、フルカウントになった外のスライダーが良すぎたじゃないですか。
五十嵐 はい。
谷繁 それでまたスライダーを続けると必ず甘くなるんですよ。
五十嵐 そうですね。もう少し中に入れたくなりますからね。
谷繁 だから勝負球にインサイドのストレートを選択したと思うんですよ。豊さんが言ってるように2アウト満塁で森には回したくないという心理が出てますよね。
アナ はい。
谷繁 でも、僕が思ったのは、日本シリーズでここまでの宗のバッティングの状態ですね。やっぱりインサイドの球の方がずっと強く振れてるんですよ。
高木 手を出してるんですよね。
谷繁 そうなんですよ。
高木 それで外の球は全部が手打ちなんですよ。だから状態が良くない。僕がキャッチャーだったら外勝負でしたね。
五十嵐 あぁ、そうかあ。
谷繁 それでアウトコースに逃げるとじゃなくて、アウトコース真っ直ぐで打ち取るという形の方が・・・結果論かもしれませんけど。
五十嵐 でもあれだけ外を見極められたら、ピッチャー心理からすると「外が見えてるのかな?」と思っちゃいそうなんですよね。
高木 でもあの外のスライダーを見極めたとは思わないですね。
五十嵐 手が出なかった。
谷繁 そうなんですよ。僕はずっとこのシリーズの宗のバッティングを見てて、アウトコースは全部手打ちなんですよ。だから逆方向に強い打球が飛ぶという感覚がなかったので。まあ・・・難しいですけどね。
五十嵐 面白いですね。
以上です。
名捕手・谷繁の思考が面白い。