2018年5月13日にテレビ朝日で放送された「サンデーLIVE!!」という番組で今シーズン第5号を打ったエンゼルスの大谷翔平とかつてニューヨークヤンキースに所属していた松井秀喜を古田敦也が比較しています。メ~テレのアナウンサー浜田準(以下アナとして表記)、番組MCの東山紀之とABCアナウンサーのヒロド歩美と共に語っています。
アナ 大谷選手は本当に凄いですね。
古田 我々も毎週毎週やっていますけどね。
一同 はい。
古田 毎週毎週見ていられますよね。
ヒロド 話題がずっと続いていますからね。
アナ 古田さんはこの5号ホームランをどう見ましたか?
古田 彼のホームランはセンターからやや左中間に打つっていう、バッターとしたら1番深いところに打ち込むのはやっぱり凄いんですよね。
モニターに打球方向の分布図が表示され万遍なくどの方向にも打っている
ホームランにおいては5本のうち3本がセンターやや左、残りの2本は右中間
古田 これ大谷選手の打球分布なんですけど。
アナ はい。
古田 普通のホームランというのは引っ張って打つからこの辺(ライト方向を指して)が多くなるんですよ。
一同 うん。
古田 センターからやや左で1番飛ばないところに放り込むというのが大谷の凄いところですよね。
アナ はい。
古田 最初はアメリカのピッチャーを打つのが難しいと言われていたのが、落ちる球とか球が速いからなかなか打てないんじゃないかと言われていたんですけど、彼はあまり引っ張らずにセンター中心に打ち返しているのが成功の秘訣なんですけど、そうはなかなか上手くいかないんですよね。
アナ やはりすぐに順応するというのはメジャーでは難しいものなんですか?
古田 そうなんです。ただ、逆方向にポンと打つんだったらイチロー君のようなヒットメーカー、リードオフマンだったら分かるんです。彼はそれをホームランにしてしまうんです。
一同 あー。
古田 だから、長打にしてしまうから相手にすれば「そういう打ち方しながら それで長打を
打つの?」と本当に困ったという存在になっていると思いますね。
アナ 他に苦労された方っていますかね?
古田 それは過去に松井秀喜と比較できると思いますね。ホームランを打つんでね。
アナ はい。
【松井秀喜(28歳)のメジャー1年目の映像を見ながら】
古田 これをちょっと見て頂きたいんですけど、松井はニューヨークヤンキースに入ったんですけど、この当時の特に4月なんですけど、苦労したんですよ。
一同 うん。
古田 変化球に苦労してね。皆さん覚えてますかね。『ゴロキング』と呼ばれていたんです。落ちる球とか、どうしてもボールが上がらずにゴロを打ってしまって、セカンドゴロ、ショートゴロを打ってね。
東山 対応できない?
古田 最初は対応できなかったですね。ゴロキングだと揶揄されて「なんだ日本のスーパースターは打たねえじゃねえか」とちょっと言われた時期があったんですよね。
東山 うーん。
古田 後に対応するんですけど、これを大谷君は最初から対応するという。
ヒロド 凄い(笑)
【モニターに大谷と松井の1年目の4月の打球方向の割合が表示される】
大谷 レフト30%、センター33%、ライト37%
松井 レフト26%、センター27%、ライト47%
古田 大谷と松井の打球方向を比べてみたら分かると思うんですけど、松井は基本的に日本にいる時から引っ張ってホームランを打つ。ライトに大きなホームランを打つタイプの選手だったから引っ張る打球が多いんですけど、4月の段階でほぼ50%が引っ張った打球なんです。
東山 うん。
古田 それで逆方向に打てなくてアウトコースの球を無理矢理に引っ張る。無理矢理と言いますかメジャーの方が変化が大きいのでどうしても打たされてしまう。それを大谷君は万遍なく打っているんで。
一同 凄い。
古田 あんなシフトを敷いていますけど、もっとそれを超えていくバッティングをしているんですよね。
アナ あれは狙っているんですか?見た感じだと力があんまり入ってないように見える。
古田 落ちたりする分、ちょっと引き付けるんです。だから、ボールをもう1個分だけ後ろで打てるというのが大谷の強みなんですよ。技術的に言うと。
一同 あー。
古田 本当はポイントを前にして打った方が飛ぶんですけど、それをボール1つ分ぐらい後ろにポイントを置いてもホームランにしちゃうという。
ヒロド それぐらいパワーがあるということですか?
古田 パワーがあるんですよ。普通ならレフト前ヒットで終わりなんですよ。
一同 あー。
古田 凄い!松井より凄い!
以上です。
ミートポイントを後ろに置いてもホームランに出来るというのが大谷のパワーなんですよね。松井は大谷が現れるまでは今までの日本最強のパワー系スラッガーで凄いバッターだったんですけどね。大谷の異常な身体能力が簡単に乗り越えちゃった。