2018年6月25日に関西テレビで放送された「報道ランナー」で借金6の最下位で低迷する阪神タイガースの大逆転優勝のための提言を元中日の山本昌が関西テレビアナウンサーの新実彰平と共に語っています。
まず2000年以降の大逆転優勝の例がモニターに表示される
チーム | 最大ゲーム差 | 監督 | MVP | |
2008年 | 巨人 | 13 | 原辰徳 | ラミレス |
2011年 | 中日 | 10 | 落合博満 | 浅尾拓也 |
2016年 | 日本ハム | 11.5 | 栗山英樹 | 大谷翔平 |
山本 タイガースが逆転優勝するためのヒントがここにあるんです。
アナ ここにある。
山本 ドラゴンズも大逆転優勝しているんです。
アナ 2011年にある。
山本 それがこちらなんです。(※フリップを出す)
【2011年の中日】
チーム打率最下位で逆転優勝
アナ はい。チーム打率最下位で逆転優勝。
山本 これそうなんです。チーム打率が最下位でドラゴンズは10ゲーム差をひっくり返しているんです。
アナ えぇぇ。何でですか?ピッチャーが良かったんですか?
山本 そうです。この年のドラゴンズは投手陣が非常に良くて、MVPの浅尾投手だったり、先発、中継ぎ、抑えのみんなが頑張って、繋いでいくんですけどね。
アナ はい。
山本 それがね、今のタイガースに似ている。浅尾なんて防御率0点台ですよ。
【2011年の中日の主な投手陣の成績】
浅尾拓也 7勝2敗45ホールド 防御率0.41
吉見一起 18勝3敗 防御率1.65
岩瀬仁紀 56登板 37セーブ 防御率1.48
山本 吉見は防御率が1点台で18勝です。
アナ でしたね。打つ方は確か皆さん2割台でしたよね。
山本 そんなのばっかりです。そして岩瀬がセーブ王ですから。この時のドラゴンズは本当に凄かったんです。
アナ 6回7回で勝っていたらそのままいけちゃうみたいな。
山本 もう同点なら勝てる。
アナ 昌さん、それぐらいのピッチャーは阪神にいますか?
山本 いるんじゃないですか。まさしくタイガースの成績を見てほしいんです。
アナ これですね。(※フリップを出す)
阪神タイガースの成績
打率.237 (リーグ6位)
防御率3.60 (リーグ1位)
アナ 数字で見ますと、打率がリーグ最下位で防御率がリーグ1位。一緒ですね。
山本 同じなんですよ。僕から言わせたら点を取れなかったら、やらなきゃいいんです。点が入んないからピッチャーが踏ん張れないとか、そんなのピッチャーの言い訳なんです。逆にピッチャーが点を取られるからバッターが打てないとかもあるけど、そんなのも言い訳なんです。ピッチャーがしっかりと投げて0点なら負けないんです。
アナ それぐらいの気持ちでピッチャーはやるべきって事ですか。
山本 そういう事です。
アナ 先発は成績がいいですし、中継ぎもいいですもんね。
山本 やっぱり、防御率がセ・リーグトップのチームで、2011年のドラゴンズは10ゲーム差をひっくり返したんですから、これは出来るんです。
アナ ちょっと前向きになってきました。そんな中で昌さんがキーマンとして挙げるピッチャーがこちら。
【逆襲のキーマンは?】
藤浪晋太郎 今季1勝2敗 防御率4.59
高橋 遥人 今季2勝3敗 防御率3.63
アナ 藤浪投手と高橋投手。
山本 そうですね。タイガースは現状4人ローテで固定されていますよね。メッセンジャー、秋山、岩貞、小野。この4人で回っているんですけど、そろそろ6人を固定していいのかなと。他の4人を投げてすぐに登録抹消とかやっているんですよね。
アナ あとは馬場投手とか才木投手とかですね。
山本 はい。藤浪投手は前回(6/15)いいピッチングをして勝ちましたし、そして高橋投手も開幕から力のあるボールを投げていますので、そろそろローテーションにしっかりとハメてやっていく方がいいんじゃないかなと私は思いますけどね。
アナ 高橋投手なんかはコンディションに不安が、ということで最初は10日ぐらい空けてという話でしたけども。
山本 もうね、プロに入って半年経ったから、行きゃあいいんですよ。
アナ これでローテーションのメンバーが固まったら雰囲気も変わりそうですけどね。
山本 そうですね。先発は10日に一度より、やっぱり1週間に一度の方がピッチャーはリズムが出るんです。その辺で藤浪投手と高橋投手をローテに入れるという形を取ったら面白いかなと思いますけどね。
【ここから新助っ人ナバーロについて】
アナ ナバーロ選手は様子を見るべきか使うべきかどちらでしょうか?
山本 使いましょう!クリンナップが左打者3人になる事もありますけど、もともと甲子園球場というのは浜風が吹いていますから左打者のホームランというのは少ないんです。ただ、この選手は右中間、左中間に強い打球を打てそうなんでね。
アナ はい。
山本 あと一つ、相手がエースクラスだと、僕もそうでしたけど、若手ばっかりの打線は怖くないんですよ。
アナ あぁぁ。
山本 何だかんだで実績があったり、力のある外国人選手が打線にいないと舐めちゃうんですね。舐められた打線としてはダメなんで、もちろん若手は使わなきゃいけないんですけど、あまりたくさん並べると、相手のピッチャーに楽させちゃう。
アナ 結果が出るかどうかよりも、警戒させるような選手が1人でもいるかどうかで違うんですね。
山本 そうなんです。ピッチャーというのは打線と勝負するんですよね。個人個人を見て今日は楽だなと思われたら負けなんです。
アナ けっこう打撃が柔らかいという評価を金本監督はされていましたよね。
山本 やっぱり、ホームランも出るかもしれませんけど2塁打ですね。2塁打、3塁打が多くなるとチームに厚みが出ますね。
以上です。
点を取られなかったら負けないという究極のお話なんですけど、落合中日はそれを見事にやってのけましたけど、詰めの甘い金本阪神では無理な気がします。