2018年7月12日にBS1で放送された「ワールドスポーツMLB」でこの日のテキサスレンジャース戦で先発したボストンレッドソックスのクリス・セールの凄まじいピッチングをメジャーで活躍した高橋尚成がフリーアナウンサーの平原沖恵と共に分析しています。特にスライダーが凄まじいです。
【この日のセールの投球内容】
7回110球、被安打6、奪三振12、与四死球1、失点0
10勝4敗 防御率2.23 (7/12の試合終了時点)
【セールの試合後のコメント】
セール フェンウェイパークであれだけ大声援を浴びたら誰だって気合が入るさ。エネルギーをたくさんもらったよ。
【レッドソックスの前半戦奪三振記録】
1位 クリス・セール 188個 2018年
2位 ロジャー・クレメンス 186個 1988年
3位 ペドロ・マルティネス 184個 1999年
アナ セール投手は12個の三振を奪って前半戦でだけで188奪三振。ロジャー・クレメンスさんが持つチームの前半戦の奪三振記録を更新しました。
高橋 いやぁ、凄いですね。
アナ 凄いですね(笑)
高橋 これは半端ない数字ですよね。もちろん今日もスゴく良かったんですけど、特に今日はスライダーとフォーシームの精度が本当に高かった。
アナ うん。
高橋 今日のフォーシームの最速は160.4キロなんですけども、投げ込むコースとキレですよね。とんでもない球を投げていました。
アナ はい。
高橋 そして、スライダーですよね。3回以外はランナーを出しても危なげない投球でしたね。私が注目したのは2回表レンジャースの左バッターのガロに対する三振なんですけど、所謂、フロントドアという球なんですけど。
その場面はこちらです 47秒辺りです
アナ はい。
高橋 メジャーリーガーがこんなに仰け反って避けるかっていうぐらいの避け方でしたね。
ここからゼウスという投球解析ツールを使った説明に入ります
画像はないので文字だけでできるだけ分かりやすく書いていきます
アナ そうですねぇ。何故、このスライダーであれほど仰け反るのかをゼウスで見て行きますが。
ゼウスでバッター目線から見たセールが投げるスライダーの軌道と無回転球というものの比較の話になります
アナ こちら黄色く光っているのが無回転球、何も変化しなければ、どういう軌道を辿るかという仮定の球なんですけども。これがどうなりますか・・・。
高橋 うん。
アナ 黄色の無回転球だとバッターにまさに向かって来るような球ですね。(※スライダーの軌道は完璧に曲がってストライクゾーンに収まる軌道です)
高橋 そうですね。多分、左バッターだとセールがボールをリリースした瞬間は直撃するというような感じだと思いますね。だから、セールのスライダーには仰け反ってしまうという感じですよね。素晴らしい球だと思いますよね。
アナ ちなみにこのスライダーは横に45㎝変化していた。向かって来ると思ったらストライクゾーンにグッと変化する。
高橋 そうですよね。左バッターはリリースした瞬間に『当たる!』ってそんな感じになるんだと思うんですよね。
アナ うんうん。
高橋 逆に右バッターの場合だとリリースした瞬間は完全にボールなんですよね。
アナ はい。
高橋 『ボールだな』と思って見逃がしたらストライクに入ってくる。かなり幅があると思うので、なかなか打てない球だと言えますよね。45㎝ですから。
アナ 凄い変化ですよね(笑)
以上です。
こうして見ると本当に凄いです。しかも、フォーシームは160キロを超えます。これは最強左腕かな?