2018年6月28日フジテレビONEで放送された「プロ野球ニュース」で埼玉西武ライオンズの山川穂高が大矢明彦にインタビューされています。フジテレビアナウンサーの内田嶺衣奈も一緒に語り合っています。

 

 

中学時代の野球生活について

アナ 山川さんは大矢さんの野球チームの大矢ベースボールクラブの前身の『SOLA 沖縄』の出身ということなんですが当時も4番を打たれていたんですか?

 

大矢 うちのチームは山川が4番を打たないといけないチームだったんでね。

 

アナ うーん。

 

大矢 ジャイアンツの大城は1個下になんのか?

 

山川 はい。1個下です。巨人の大城卓三ですね。

 

大矢 そうそう。まあ、一緒のチームで頑張ってくれていたんで。

 

アナ はい。

 

山川 大矢さんにバチバチにしごかれた事はないんですけど、たまに来て頂いてアドバイスをしてもらっていたんですけど。

 

大矢 中学の時の監督は今、楽天でスカウトをやっている大久保勝也君っていうのが監督をやっていたんですけど、彼の方が厳しかったよな。

 

山川 大久保さんは厳しかったっすね(笑)

 

アナ へぇー。

 

山川 もうめちゃくちゃ怖かったっすね。怖いというか、普段は優しいんですけど、ユニフォームを着てやるとなると、もう礼儀、挨拶とかがちゃんとピタッとこうやって45度で挨拶しなさいから始まって。

 

アナ はい(笑)

 

山川 それで、グローブを磨いてなかったり、スパイクを磨いてなかったら素手とか裸足でやらされていましたからね。硬球なんですけど。

 

大矢 (無言で笑う)

 

アナ えぇぇ!?

 

山川 だから、もう監督に怒られないように死ぬ気で道具を磨いてよくやっていたんで、そこが一番厳しかったと思います。

 

アナ えぇぇ・・・そういう厳しさもあったんですね。

 

大矢 スポーツマンとしてキチンとしているというのがスゴい大事なことなので。

 

アナ はい。

 

大矢 まあ、チームとして強いというのも必要なのかもしれないけども、そういう中学生としてキッチリとした子を育てようというのがうちのチームのモットーだったんでね。けっこうピリピリしていて、よく言う沖縄タイムなんかはうちはやりませんでしたから(笑)

 

沖縄タイムとはのんびりして時間を気にしない生活のこと

 

アナ よく言いますもんね。沖縄はゆったりした時間が流れているって。

 

山川 はい。今、考えてもやっぱり中学校が一番厳しかったですね。練習も厳しかったですし、そういう野球以外の部分でも厳しかったのはやっぱり一番は中学生時代かなと。

 

アナ うーん。

 

山川 でも、そこで一番鍛えられましたね。野球人としてというか、野球をするにあたってと。そして、人間性もそうですし。そこが一番大きかったかもしれないですね。

 

 

プロ入り後について

プロ入り後の成績 (6/28の試合前時点)

2014年 14試合 3安打 2本塁打

2015年 1試合 1安打 0本塁打

2016年 49試合 36安打 14本塁打

2017年 78試合 72安打 23本塁打

2018年 68試合 67安打 18本塁打

 

 

アナ 山川選手自身はこの1,2年間の変化というか、活躍はどのように捉えられていますか?

 

山川 やっぱり気持ちが一番変わったかなというのが。もう去年は打たなきゃ僕はクビだと思っていたんで。

 

大矢 うんうん。

 

山川 その年にクビになったかは分からないですけど、打たなかったらまた2軍行きで、『山川は1軍に行ったら打てない選手』というレッテルを絶対に貼られると思っていので、それを覆すために必死だった2017年の1年間と今年はもう開幕から4番で使って頂いて。それで試合にずっと出ているうちに流れだとか、ピッチャーがこの場面ではこう来るなっていうのが大体の感じ、雰囲気が分かるんで。

 

大矢 うん。

 

山川 そこは去年よりも余裕があるんですけど、でも、僕の中では余裕があっちゃいけないと思う部分があって。

 

大矢 それが大事なんだよ。

 

山川 はい。そこの葛藤はちょっとあります。

 

大矢 そうだね。でも、選手はね、そこが一番の分かれ目でそこで『あぁ、俺はもう出来るんだな』と思うともう一度スランプになってしまって上がって来れないというのがあるんで。

 

山川 はい。

 

大矢 そういう意味では今が一番大事な時期かもしれないね。

 

山川 そうですね。

 

 

【今季の打撃について】

今季の打席成績 (6/28の試合前時点)

68試合、67安打、18本塁打、61打点

打率.270、得点圏打率.382

本塁打、打点、得点圏打率はリーグトップ

 

 

大矢 僕が山川君に一番聞きたいのは、やっぱり得点圏打率がスゴく高いんだよね。

 

山川 はい。

 

大矢 あそこをバッターボックスの中でどういうふうに対応しているのかなと思うの。

 

山川 まあ、基本的にランナー1塁とかランナー無しの場合は、もうホームラン。基本的にホームランを狙って結果として2ベースとか長打になって。

 

大矢 うん。

 

山川 得点圏だと外野と内野が前に来ますし、言ったらしっかりと引き付けて一発でポンって当てるじゃないですけど、しっかりと捉えれば間に抜けたり、頭を越えたりするっていう自信はあるんで、そこは得点圏の方がどっちかと言うと、超積極的にいくんですけど、振り自体はあまり大きくしないというか、自分の中でちょっと1段階抑えて打つようにしているのが今年こういう得点圏打率を残せているのかなと思いますし。

 

大矢 うん。

 

山川 それで追い込まれてからも四球でもいいというのが、多分、気持ち的にも楽にさせてもらっていると思いますね。

 

パ・リーグ 四球数 (6/28の試合前)

1位 西川遥輝 53

2位 山川穂高 51

3位 秋山翔吾 39

3位 近藤健介 39

 

 

大矢 例えば1ボール2ストライクぐらいから粘っていってフルカウントまで持っていくっていうのが今年はスゴく目立つんですよね。

 

山川 はい。3ボール2ストライクのカウントまで持っていったら僕の中でイーブンと思っているので、もう相手ピッチャーとの差がなくなる。

 

大矢 うん。

 

山川 そう思っているので、むしろこっちの方が有利じゃないかと思うので。

 

大矢 その通りなんだよね。フルカウントにしちゃうとやっぱりバッテリーからすれば『四球を出したくない ストライクにいかなきゃ』っていう気持ちが段々と出てくるんで、そこまで持ってこられるのが正直、バッテリーはイヤなのよ。

 

山川 はい。

 

大矢 それを今年は出来ているんだよね。

 

山川 そうですね。それは意識していますね。もう先にポンポンと追い込まれても、3球勝負をしてくる時はファールで粘って、際どいコースを突いてくる時はできるだけ打ちにいってバッと見逃して、自分の有利なカウントまで何とか持っていけば、あとは自分のバッティングをしやすいカウントになるので、それを意識しますね。

 

 

中学時代の色々な話について

アナ 実は今日ですね、山川選手と大矢さんのことをよく知るある方からメッセージが届いているんです。

 

山川 誰ですかね(笑)

 

 

VTRで登場したのは山川の中学時代のチームメイトの金城博也さん

「穂高、元気にしてるかー。中学時代一緒にしていた金城博也です。大矢監督、ご無沙汰しております。当時は色々とお世話になりました。(山川について)印象強いのはとにかく体が大きくて、とにかく大食いでした。ご飯はどんぶり11杯ぐらい食べていました。自分は少食で食べる事が野球の練習より苦手だったんですけど、いつも弁当時間や遠征での食堂では自分の隣にはいつも穂高が(笑) 自分も穂高を探して隣に座る。穂高も自分の隣にいるとおかずを分けてもらえるということで(笑) 中学時代には体重が90キロはいってましたね。90キロでも足も速いんで、もう文句の付け所がなかったですね。(大矢について)やっぱりオーラがあるんで、大矢さんがいるだけで緊張してしまって、もう怖いです、とにかく。(山川にエール)穂高、今の好調を維持して頑張って下さい。好調な時こそ怪我をしやすいんで、無理せず体調管理もしっかりして西武も優勝争いをしているので、そこで穂高が打って活躍して勝つことを期待しています。頑張ってください。」

 

VTRは終わり

 

山川 緊張し過ぎじゃないですか?(笑)

 

アナ ハハハ(笑)

 

大矢 そうだな(笑) でも、みんなが期待しているよね。

 

山川 そうですね(笑)

 

大矢 うん。

 

山川 (金城さんとは)仲が良かったんです。

 

アナ それがよく伝わってくるメッセージだったんですけど、いかがですか?

 

山川 やっぱりご飯に関しては博也っていうんですけど、博也が食べれなくて、僕が凄い食べる側だったんで、やっぱり比較されやすい。

 

アナ あぁ、食べる量も。

 

山川 はい。それこそ大久保監督に何か「お前、内臓が弱い奴はダメなんだよ!」ってよく言われていて。

 

大矢 フフフ(笑)

 

山川 僕もその言葉をよく覚えていて、じゃあ、内臓を強くすればいいんだと思ってグアーっと食って、それでバーッと動いて、よくやっていましたけど。やっぱり、(金城さんは)食べれなかったんですよね。でも、彼は足がとにかく速かったので、いつも競争じゃないですけど、僕も昔は足が割と速かったので、そういう思い出がありますけどね。

 

 

山川の秘密の部活動について

アナ そしてですね、大矢さんの野球チームでは他の部活をやる事が禁止だったという情報をちょっとゲットしたんですけど。

 

大矢 うん。

 

アナ 実は山川選手は他の部活をやっていたという情報がありまして(笑)

 

山川 大矢さんは知らないんじゃないですかね(笑)

 

大矢 俺は知らない。

 

山川 ですよね(笑)

 

アナ バレーボール部をやられていたんですよね。

 

山川 はい。

 

大矢 えぇぇ?

 

山川 バレーボールもやっていましたね。大矢ベースボールクラブの練習って僕たちは月金土日だったんですよね。

 

アナ うーん。

 

山川 月曜日の夕方5時からと金曜日の夕方5時からで、土日は朝の9時からだったんですけど。どうしても火水木も3日間が、僕かなり暇だったんですよ。

 

アナ フフフ(笑)

 

山川 それで、学校の友達は全員、学校の部活動に入っていて、僕は学校が終わったら帰る事になるんですけど。

 

アナ はい。

 

山川 いや、帰りたくないなと思って。その時にちょうどアタックナンバーワンっていうドラマがやっていて(笑)

 

アナ 影響されたんですね(笑)

 

山川 それで、バレーボールをちょっとやってみようと思ってバレーボール部にチラっと行って、「ちょっといいですか」ってバーンってスパイクを打ったら、「お前、レギュラーだ!」ってもうそこで言われちゃって(笑)

 

アナ ハハハ(笑)

 

大矢 (笑)

 

山川 マジか!ってなって、でも、これを監督には言えないよなあって思って。月曜日の朝練と金曜日の朝練、そして土日は空港の近くの瀬長島という所で野球の練習をやっていたんですけど、僕は自転車で通っていたんですけど、2時間掛けて行って、2時間掛けて戻って、そこから学校に行って夜の8時ぐらいまでまたバレーボールをしていました。

 

アナ えぇぇ!?

 

山川 だから、それが楽しかったですよね。

 

大矢 楽しくなきゃ出来ないよな(笑)

 

山川 そうですね。

 

 

まとめ

大矢 もう今の西武は目標が見えているチームだと思うんでね。若返りが上手くいって、今の状態が今年ずっと続いている中で4番を任されている選手なので、個人の目標よりもまずチームの目標を達成することが一番大事かなと思うんですよ。

 

山川 はい。優勝する事というよりも毎日試合があって勝つ事が僕は4番の仕事だと思っているので。それで、僕が打って負けても結局は意味がない。やっぱり僕がいい場面で打って勝つからこそ4番だと思いますし。それの積み重ねで最終的に優勝できたら、山川が4番で良かった、と周りが認めてくれるのかなと思いますので、そこはまだ全然途中ですけど、1試合1試合、4番として自覚を持って毎日試合に出られたら、まずはそれが一番いいかなと思います。

 

大矢 選手とすれば、やはり自分が今築いているものをずっと続けていくという気持ちでやっていくという事がスゴく大事で『西武の山川』っていう選手をどのくらい価値を高めていくのかというのがこれからの役割であり仕事だと思いますね。

 

山川 はい。

 

大矢 だから、今の気持ちを忘れずにみんな沖縄で期待しているからね。

 

山川 そうですね。はい。沖縄のスターになりたいんですよね、僕は。沖縄出身の野球選手が今はスゴく増えていますけど、飛び抜けた沖縄人になりたいという気持ちが強いので、沖縄の人でもやれるぞ、みたいな。何かあると「沖縄は、沖縄は」って言われちゃうんで、沖縄の人って。「遅い」とか「ゆっくりし過ぎ」とか言われてきたんで、それをちょっと払拭できたらなというのがちょっと強く思っていますね。沖縄の人でもできるんだぞっていうのをこれからどんどんアピールできたらいいなと思います。

 

アナ 沖縄の期待を背負ってこれからも楽しみにしています。

 

大矢 そう。子供たちも、山川選手みたいになりたい、という子がたくさん増えると思うんでね。

 

山川 はい。

 

大矢 頑張って。

 

山川 頑張ります。

 

アナ ありがとうございました。

 

大矢 ありがとう。

 

山川 ありがとうございます。

 

 

以上です。

沖縄の選手はイマイチ伸びないというイメージがあるんですけど、山川は大爆発していますね。ここ数十年で1番沖縄の選手になるかもしれません。

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