2018年4月30日にNHKで放送された「サンデースポーツ2020」で亡くなった衣笠祥雄さんの生き様について親友の江夏豊が語っています。

 



―衣笠さんが亡くなった時のことについて

江夏 聞いた瞬間は本当に頭が真っ白といいますか。えっ?まさかという気持ちと、悔しいというか、『この野郎、先に逝きやがって・・・』と。本当に泣きました。久しぶりに涙が止まらんぐらい。

 

―衣笠さんはどんな人だったか

江夏 まあ、いつも彼は酒が好きなほうで、けっこう酔うタイプなんですよね。僕が全然、お酒を飲まないタイプですから、僕と行くと完全に出来上がってしまう。あとは豊がちゃんと面倒を見てくれると。僕に言わせれば、何が国民栄誉賞だと、いっつも酔っぱらって、いっつも連れて帰って、部屋に放り込んで着てる物を脱がせて。

 

―衣笠さんの意外な一面

江夏 あいつは魚を一切食わないんですよね。でも、カニは食うんですよ。カニを食う時にはキレイに身を出してくれるんです。僕はそういう動作が嫌いで、食べることしか出来ない。そういう細かい作業が出来ない。でも、あいつは一生懸命に僕の身を出してくれて僕に渡してくれる。

 

―江夏の21球で衣笠さんが江夏に駆け寄った時の話

江夏 「前を見て投げろ よそ見をするな」と「この場面はお前しかいないんだから」ということをハッキリと言ってくれましたね。「もしも、何かがあったらお前と同じように俺もユニフォーム脱いでやるよ」と。

 

―江夏の21球で鮮明に覚えていることがある

江夏 彼が振り向いて、ニコっと笑ったんですよ。「頑張れよ」と言いながら。その時に、あれ?サチってキレイな歯してるな。こいつこんな歯キレイかったかなって。なぜか僕はあの時にサチの歯がキレイやなと思った。苦しい場面で人の気持ちを理解する、気持ちを分かってくれたこと自体が僕にとっては本当にありがたかった。

 

―巨人西本にデッドボールを受けて骨折した当日の夜の話

江夏 その晩に彼の家に行ったんですよ。泣いてるんですよ。「痛い痛い」と言って。それで次の日にグラウンドに行きますと、僕がユニフォームに着替えてベンチに入りますと、なんとあいつベンチにドーンとバットを持って座っとるんですよ。

 

骨折の翌日に代打で出場し江川からフルスイングで三球三振。この三振について衣笠さんは

「1球目はファンのために、2球目は自分のために、3球目は西本君のために振った」と語った。

 

―骨折の翌日にフルスイング三振をしたことについて

江夏 苦しい、まだ背中にヒビが入っている時に、そういうことを言った彼のその相手を思いやる。これはなかなか言えることじゃないですよ。

 

―改めて衣笠さんが日本野球に残した功績をどう考えますか

江夏 その数字的もので23年間やったこととか、そういうのではなしに衣笠祥雄という男が存在した。人間当てられたら当て返しますよ。当てられたら威嚇しますよ。やられたらやり返すっていうのは僕らが育ってきた環境、野球をやってきた環境がそうでしたから。当てられて一度でも相手を威嚇するような態度、行動を見せたことないですよね。そういう選手はこれから果たして出てくるかなと。

 

 

以上です。

江夏は棺の中の衣笠さんを見て「バカ野郎 お前は鉄人だろ 鉄人なのになぜ俺より先に逝くんだ」と心の中で呟いたそうです。熱い友情ですね。でも、蟹の話とか歯がキレイとか何の話をしてんだと思ったりもしましたが江夏なりに衣笠さんのエピソードを色々と語ろうと思って話してくれたんだと思います。

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