2018年5月3日にBS1で放送された「ワールドスポーツMLB」でこの日vsロッキーズ戦で今季3敗目を喫したシカゴカブスのダルビッシュ有のピッチングについて元巨人の高橋尚成が分析しております。フリーアナウンサーの平原沖恵と共に語っています。
【この日のダルビッシュの投球内容】
4回1/3、被安打7、奪三振8、四死球3、失点6
シーズン防御率6.00
アナ ダルビッシュ投手、今シーズンは勝利が遠いですね。
高橋 そうですね。なかなか勝てないということもありますし、立ち上がりが少し慎重になっていたのかなという印象ですよね。まあ、その悪い中でも三振を8個も取れるというのがダルビッシュ投手のスゴいところかなと思いますね。
アナ そうですね。では、ダルビッシュ投手は試合後の会見で自身の投球を細かく分析していました。
【ダルビッシュの試合後の会見】
―6試合登板で未勝利について
ダル まあ、いつか勝てると思っていますけど、なかなか勝てないので、まあ、これも自分の人生の一部というか、こういう経験をしているのもいいことだと思います。
―今日打たれたHRを振り返って
ダル アレナドへも投げたい球を投げられているし、今までツーシームを見せたことないんじゃないかな。それなのに、いきなりホームランですから。ストーリーに対しては高めが好きだから、ドンドン振ってくるけどファウルになるというのが基本的にデータで出ているし、アイアネッタへもそんなに悪い球ではなかったと思うし。
―ここから自身の投球の分析について
ただ、今日言えるのはスライダーとかが(少ない)、トミージョン手術が終わってからの傾向としてデータを見ても速球系の球を多く投げているので。2013年とかだと全体の約40%ぐらいでスライダーを投げていたし、カッターも今ほど投げていなかった。今はフォーシーム、ツーシーム、カットボールが70%以上占めているので、打者にとっては絞りやすいのかなと。横のスライダーは前回から全く投げていないので、縦ばっかりになっているから、そこも横に曲がる球も使いつつ。そういうことも考えると自分の課題というのがドンドン狭まってきている感じはします。
ダルビッシュの会見映像はここで終わる。
アナ 自己分析がスゴいですねぇ。
高橋 そうですね。自分の投球をしっかり考えていないと、あそこまで語れないと思うんですよね。だから、そういう意味ではダルビッシュ投手の頭の良さというのを感じますよね。私から1つフォームについて気になる点があったので、特にリリースポイントのことですね。
アナ はい。
【リリースポイントの静止画がモニターに映される】
高橋 これ肘がやっぱり下がっていることによって手首が寝てしまっているんですね。やっぱり手首が寝ることによってスライダーの曲がりが早かったり、ストレート系がちょっとシュート回転したりでコントロールがつかなかったりするんですね。そういう意味では力のない球になりがちなので、ちょっと肘を上げてやった方が次に繋がるんじゃないかなと思うんですよね。
アナ はい。
高橋 まあ、カーブとかを投げる時に少し肘を上げていた時もあったので、そういうフォームの方が私自身はいいと思いますね。特にスライダーを投げるピッチャーは曲がりが早くなってしまうと、どうしてもバッターに見送られる可能性があるんですよね。そういう点を少し注意すると改善できるんじゃないかと思いますね。
アナ 次は初勝利を掴めるといいですね。
高橋 はい。
以上です。
勝てないながらも原因を探ろうとダルビッシュは色々考えていますね。スライダーをビシビシ決めるピッチングに変えてみるのもいいのかもしれませんね。