2018年5月7日に関西テレビで放送された「報道ランナー」という番組でここ数試合で大活躍をしている阪神タイガースのショート植田海についてヤクルトで監督をしていた古田敦也が関西テレビアナウンサーの新実彰平と共に分析をしてきます。
アナ チームの起爆剤、若虎、この選手です。
【モニターに下記のように表示される】
走る虎のキーマン 植田海(22)
打率.348、盗塁4、得点8、年俸550万円(推定)
50メートル 5秒8 (日本記録5秒75)
2017年 ファーム盗塁王
高校時代の盗塁成功率100% (公式戦)
アナ 植田海選手、高卒4年目の選手ですけども。
古田 本当に彼が来てグッと変わりましたね。
アナ そうですね。滋賀県の近江高校出身の4年目なんですが50メートルのタイムが、非公式ですけど、5秒8。日本記録が朝原宣治さんの5秒75ですから。まあ、参考記録ですけど、これ速いですよね。
古田 うん。えーっとね、プロ野球選手のプロフィールを見てもらったら分かりますけど、足の速い奴は全員5秒8って言います。
アナ いやいや(笑)
古田 5秒7って言ったらウソになるでしょ?(笑)
アナ あーそうかそうか。
古田 でも、速いってことを言いたいから、みんな5秒8なんですよ。
アナ そうなんですか(笑)
古田 でも、速いですよ。本当に。
アナ ファームの盗塁王なんですが、高校時代は公式戦で盗塁成功率100%。これってどうなんですか?
古田 高校時代に相手の事もありますけど、これはスゴいと思います。ただ、僕もキャッチャーやっていまして盗塁成功率が100%と言う奴を何人か刺したことありますけどね。
アナ いや(笑) (自慢は)いいじゃないですか、今日は(笑)
【ここで盗塁について下記のような映像が紹介される】
プロでの盗塁成功の目安タイムは3.3秒
植田の1塁から2塁の盗塁のタイムは3.1秒
アナ これはどうですか?
古田 3.1秒は速いね。僕らの頃で言ったら赤星のレベルですね。
アナ 赤星さん。
古田 いわゆる、トップレベルですね。盗塁王のレベルですから、これはなかなか刺せないですね。
アナ 去年、2軍で盗塁王という成績があるわけですけど、これはどう評価すべきですか?
古田 2軍の盗塁王は1軍に来ても多分、盗塁王のチャンスがあります。
アナ えー。
古田 やっぱり、それぐらいレベルが高いということでね。よく2軍で3割30本を打ちました。それが1軍に来たら全然打てへんやんというのは一杯います。
アナ バッティングはやっぱり違うんですね。
古田 これは一杯いるんですけど、足の速い奴はずっと出続けたら盗塁王を争う位置にまで確実にいますね。
アナ そうなんですね。
古田 ただね、彼がスゴい足を持っているんですけど、僕は彼を評価したいことがあるんですね。
アナ はい。
古田 それが実はこちらなんですよね。
【下記のように書かれたフリップを出す】
植田海の出塁率.517 (4/28~5/6までの8試合)
古田 見ていただきたい。彼の出塁率が5割1分7厘なんですよ。
アナ はいはい。出塁率。
古田 結局、足が速くても塁に出れないという奴がけっこういるんですよね。彼は四球を取ったりヒットを打ったりしている。
アナ うん。
古田 この出塁率というのは、打率と四死球を足したもの。だから、彼は2回に1回ぐらいは出塁します。
アナ ヒットを打ったら打率はもちろん上がるわけですけど、塁に出ようと思ったらヒットじゃなくてもいいわけですよね。
古田 まあ、エラーとかはダメですけどね。四球もしっかり選んで。
アナ これはプロはやっぱり評価するんですか?
古田 これは僕らが1番評価していることです。
アナ はー。
古田 だいたいリーグトップの出塁率王は4割から4割ちょっとなんです。それでタイトル獲れるぐらいのね。それで5割以上の選手がいるとなると一気にチームも元気になりますよね。
アナ はい。
古田 だから、彼はこれをずっと続けられるような事があれば、5割とは言いませんけど4割ぐらい続けられたら、多分、阪神はドンドン勝っていくんじゃないかなと思います。
アナ モロに得点に繋がっているんですよね。
古田 そうです。彼が塁に出て走り回るだけじゃなくて。
【ここでもう1枚下記のように書かれたフリップを出す】
3番糸井 GW前20試合で9打点→5/6までの28試合で17打点
4番ロサリオ GW前の20試合で8打点→5/6までの28試合で15打点
古田 そのことによって彼ら(糸井とロサリオ)の打点が上がっているんです。
アナ あー。
古田 20試合で9打点やった奴(糸井)が8試合で8打点。糸井だけじゃなくてロサリオも上積みしている。
アナ はい。
古田 彼らの打率が急に変わったわけじゃないんです。ほぼ一緒なんです。
アナ 率は変わっていない。
古田 ヒット1本でしっかり2塁から帰ってくるし、ランナーも意識するからピッチャーの球も甘くなるし、そういう相乗効果といいますか、彼の活躍は足の速さとか盗塁の数だけでは示されない得点力。阪神って得点力がずっと課題なんですよね。
アナ そうでしたよね。
古田 そういう意味で言うと、彼が一気に変えてくれた。
アナ 大絶賛ですね。
古田 大絶賛。僕がキャッチャーやっていて、こういう奴が1番イヤですもん。
アナ あー。
古田 来んじゃねーよって。
アナ ハハハ(笑)
以上です。
本当に大絶賛ですね。まあ、今は活躍していますけど、それがどこまで続くかが問題なんですよね。今の阪神にとっては守れて出塁率も高いっていうのは貴重な戦力です。