2019年4月28日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のvs.アリゾナダイヤモンドバックス戦に今季6試合目の先発し、見事2勝目をあげたシカゴカブスのダルビッシュ有について黒木知宏がフリーアナウンサーの上田まりえと共に解説しています。
この日のダルビッシュの投球内容
6回110球 被安打2 奪三振8 与四死球5 失点1
今季2勝3敗 防御率5.02(4/28の試合終了時点)
試合後のダルビッシュのコメント
―6回 本塁打、四球後も投げ切った
ダル あそこでズルズルとフォアボールやヒットを打たれて変な感じで終わるよりかは、自分でちゃんと抑えて終わりたいと思っていたので。まあ6回いけたのは良かったと思いますけど。まだまだこんなもんじゃダメだと思うし、1個1個ステップを踏んでいきたいと思います。
試合後のマッドン監督のコメント
マッドン 6回は本塁打を打たれたが代えたくなかった。6回を投げ切れるか見たかった。それが今後チームのためになるからね。彼は自信を持って投げ6回を投げ切ってくれた。次回は7回までいってほしいね。
黒木の解説
アナ ダルビッシュ投手、6回を投げ切り2勝目をマークしました。
黒木 はい。立ち上がりは少し苦しみましたけど、2回にエスコバーを三振に取ったあたりから調子が上がってきましたね。そのエスコバーに対してスライダー、フォーシームで追い込んで、最後はスプリットを投げて三振を取るんですけど、そのスプリットを投げることによってしっかりと上から叩くことができましたよね。
(続けて)
黒木 そして3イニング目に入ると三者連続三振になるんですけど、2回にスプリットを投げたことによってズレが両サイドから縦に変わり始めたんですよ。ですからボールの強さであったり、投げたい角度・感覚がちょっと出てきましたよね。
アナ それは何が変わってそうなったんですかね?
黒木 腕の振りですね。フォーシームの投げたときの腕の振りを2イニングと3イニング目を比べてみますと、2回はボールが抜けりしたので、実際にはあまりいい投げ方ではないです。そして3回の腕の角度とちょっと比べてみました。
すると腕の角度が明らかに違います
黒木 分かりますかね。3回は腕が少し立ちましたよね。
アナ 本当ですね。
黒木 これはスプリットを投げたことによって、上から縦に変化させようという意識の中で3回から腕の角度がついてきたんですよね。そのことによってボールが走り始めました。
アナ これって投げてる中で、この僅かな差を調整してくるところがさすがダルビッシュ投手ですよね。
黒木 そうですね。悪いときというのは腕の角度が少し寝てしまって、手首の角度も横振りになるんですよね。そうするとブレが両サイドになるんですね。
アナ はい。
黒木 そこで腕の角度が立つと、縦のブレになってきますので、上投げのピッチャーですからより指先にボールが乗るようになってくるんですよね。
アナ 力の伝わり方が違いますね。
黒木 はい。それが2回のエスコバーに投げたときに感覚が掴めて3イニング目にはしっかりと腕が振れるようになりましたんで、この辺りの感覚をちゃんと掴めるようになれればダルビッシュ投手が完全復調するんじゃないかと思いますね。
アナ はい。そして今日は今シーズン最長の110球を投げて6回を投げ切りました。
黒木 はい。一番の収穫はそこだと思うんですよね。
アナ はい。
黒木 ホームランを打たれてフォアボールを出し、普通だったら代わるところをそこで監督が6回最後まで投げさせてくれましたんで、まず気持ちの面で良かったと思います。ただ、ダルビッシュ投手はまだまだこんなもんじゃないんです。
アナ そうですよね。
黒木 だから僕はまだ完全復調ではないと思います。ただ、感じを掴んだスプリットだと思うので次の登板を楽しみにしたいですよね。
アナ ダルビッシュ投手にとってもですし、チームにとっても収穫のある試合になりましたよね。
黒木 はい。6回を投げられたのは収穫だと思います。
アナ 次の登板も楽しみですね。
以上です。