2019412日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でシアトルマリナーズ打線の好調の理由を小早川毅彦がフリーアナウンサーの山本荻子と共に解説しています。

 

アナ 好調マリナーズの秘密を小早川さんに分析して頂きます。

 

小早川 はい。マリナーズの強さの秘密を紐解くいくつかのデータを見つけてきました。

 

アナ それはどんなデータなんでしょう?

 

小早川 まず選球眼に関するデータです。アメリカンリーグで今一番フォアボールをマリナーズが一番選んでます。

 

フォアボールランキング(AL)
1位マリナーズ61
2位ヤンキース55
3位ツインズ50
15位ツインズ26

 

アナ ボールを見極められているということですね。

 

小早川 そうですね。あともう一つはボール球に手を出した割合です。これは低い数値がいいんですね。

 

ボールゾーンスイング率(%)
MLB平均26.9
スミス
サンタナ
ブルース
ハニガー21.9
エンカルナシオン
ボーゲルバック28.9
ベッカム
ナルバエス
ゴードン

(データスタジアム調べ)

 

アナ はい。

 

小早川 今日(4/12)9球粘ったハニガーなんかはメジャーの平均よりもかなり低くなっています。

 

アナ 確かに。

 

小早川 ボーゲルバックは新人なのでメジャー平均よりも上回ってますが、その他の選手を見てみましょう。

 

ボールゾーンスイング率(%)
MLB平均26.9
スミス20.0
サンタナ18.9
ブルース27.5
ハニガー21.9
エンカルナシオン22.0
ボーゲルバック28.9
ベッカム23.3
ナルバエス36.8
ゴードン15.5

(データスタジアム調べ)

 

 

アナ おぉ。スゴい。ほとんどがメジャー平均を下回っていますよね。

 

小早川 そうですね。本当にこれだけボール球に手を出さなければピッチャーというのは投げにくいんですよ。

 

アナ 選球眼ですよね。日本のプロ野球でいえば巨人の丸選手がズラっと並んでいる感じですよね。

 

小早川 そうなりますよね。丸選手がズラっと並んでる感じですよね。相手は本当に脅威に感じますし、どこからでも繋がるイヤな打線ですよね。

 

アナ そうですよねぇ。他にデータがあるということで。

 

小早川 はい。あとは打球角度に関するデータです。

 

マリナーズの平均打球角度(4/12時点)
2018年11.2度
2019年16.2度

(データスタジアム調べ)

 

小早川 去年よりも打球の角度が5度上がってるんですよね。

 

アナ はい。

 

小早川 この5度というのはメジャーの変化率では1位です。

 

アナ 伸び率ですね。

 

マリナーズ+5.0度
ロッキーズ+4.8度
パドレス+4.4度

(データスタジアム調べ)

 

 

小早川 はい。どんどんフライを打ち上げて長打を打つということですね。これが今のマリナーズですね。

 

アナ 打球角度が上がっているということはまさしくフライボール革命の賜物ですよね。

 

小早川 そうですね。本当にボール球に手を出さずに角度をつけて長打を打つ。やっぱりそれだけ脅威になりますね。

 

アナ 素晴らしいですよね。

 

小早川 そしてボールをよく引き付けていますので打球方向も逆方向のホームランが増えているんですね。 

 

ホームランの打球方向割合(%)
引っ張りセンター逆方向
201867.025.08.0
201967.617.614.7

 

アナ ちょっと思ったんですけど、今シーズンのマリナーズはイチロー選手が引退したりとかでチームの顔だった選手がリリースされたりでチーム自体は数年後を見据えた再建期に入っているイメージだったんですが。

 

OUT

イチロー(引退)、クルーズ、カノー

セグーラ、パクストン、ディアス

IN

エンカルナシオン、ブルース、スミス

ベッカム、サンタナ、菊池雄星

 

小早川 そうですね。チームの顔をリリースしたのは大したことがないように思えますよね。

 

アナ 新しく入った選手は知名度がなかったりとか、去年の成績はそこまでという。

 

新加入選手の2018年の成績
サンタナ打率.265 本塁打5
ベッカム打率.230 本塁打12
ブルース打率.223 本塁打9

 

小早川 はい。ベッカムは去年のホームランは12本ですし、サンタナは5本です。率もそれほど高くないですよね。

 

アナ はい。

 

小早川 でも、実は違っていたんです。実はサンタナはロイヤルズに所属して一昨年(2017)にはホームラン30本打つバッターだったんですね。

 

サンタナの2017年の成績
151試合 打率.278 本塁打30 打点85

 

 

小早川 メジャーを代表するバッターでした。

 

アナ そのサンタナ選手は去年あまり出番がなかったということですかね。

 

小早川 去年の成績がイマイチだったのは実はイエリッチ選手とか、ケイン選手にポジションを奪われて出場機会が減っていたんですね。

 

アナ そうなんですね。そしてこれが2019412日時点での成績です。

 

新加入選手の2019年の成績
サンタナ打率.349 本塁打4 打点19
ベッカム打率.347 本塁打4 打点11
ブルース打率.204 本塁打7 打点13

 

アナ この成績は素晴らしいですよね。

 

小早川 素晴らしいですね。やはり今のマリナーズは燻っている選手を見つけてきて上手く補強できてますよね。

 

アナ まさしく再建できているという状態ですよね。

 

小早川 はい。現在のサンタナは打点王ですし、ベッカムだって打率が3割を超えています。ブルースはリーグ2位のホームランを打ってます。

 

アナ このままいくとマリナーズの快進撃は続くんじゃないですか?

 

小早川 本当は続いてほしいんですけど、私はどうなのかなと思っています。実は今シーズンのマリナーズは開幕戦が日本で行って他のチームより1週間早く調整を早めました。

 

アナ そうですよね。

 

小早川 ですから他のチームよりも調整が早い分、選手が活躍できているということにも繋がっているように思いますが、でもしばらく出場機会がなかった選手が今は自信をつけてきてますので、これ以降にも期待したいところだと思います。

 

 

以上です。

打つけど守備と中継ぎがヤバいですよ。
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