201941日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』で先日、現役引退をしたイチローについて元ロッテの黒木知宏がフリーアナウンサーの山本萩子と共に語っています。

 

アナ 黒木さんはイチローさんと同い年ということで、改めてどんな存在なんでしょうか?

 

黒木 対戦しててスゴくワクワクしましたね。当然チームの勝利も考えないといけないんですけど、それも含めてそれ以上に個人的に戦ってて楽しかった選手ですね。

 

アナ 同い年ということで意識することも多かったですか?

 

黒木 彼は僕ら同級生の中ではスター選手をずっとやってきましたしね。

 

アナ はい。

 

黒木 それでちょうど僕がロッテに入団するときに既にイチロー選手は200本安打を打っていたのでその選手と対戦できるっていうのは楽しみにしていましたね。

 

アナ 数々の対戦をされてきたと思うんですが、三振に取った場面なんかは今でも記憶に残っているんですか?

 

黒木 たくさん対戦しました。打たれましたし、抑えることもできました。

 

アナ はい。

 

黒木 それでその時は鮮明に覚えていたんですけど、今はそれをすっかり忘れるぐらい。ただ、16連敗したときの試合で三振を取ってイチロー選手が睨み返してきたのは今でも覚えているんですね。当時は16連敗をしてワースト記録を更新するような苦しい中で先頭バッターのイチロー選手を三振に取ることができたのでイチロー選手にしてみたら、そういう状況になっても本気の勝負をするから三振したときには悔しいという思いをぶつけてきたあのときの表情だったと思いますね。

 

アナ そのときの表情を見て当時はどんな風に思いましたか?

 

黒木 気持ちをちゃんと受け止めてくれるなって思いました。僕はスゴく不器用だったんで僕の気持ちをぶつけるっていう。それをイチロー選手はちゃんと応えてくれる。絶対に手を抜かないのでそういうものを肌で感じることができましたよね。

 

 

アナ 先ほどその他はすっかり忘れたとおっしゃられてましたけど、それはどうしてなんですか?

 

黒木 もう無我夢中だったんですよね。世界一のバッターですから、どうやって抑えようかというのをとにかく考えながら投げるんですよね。

 

アナ はい。

 

黒木 ただ、それをやってもいい結果が出ないことが多かったので。抑えたときも何が良くて抑えたのか分からないぐらいスゴいバッターだったんですよね。本当に一つ一つの記憶を辿って行っても、忘れるぐらい無我夢中だったなという記憶ですね。

 

アナ そしてイチローさんがアメリカに行き、アメリカで活躍するイチローさんをどんな風にご覧になっていたんでしょうか?

 

黒木 誇りですよ。あの世界一のバッターと戦えたというのは財産でもありますし。また自分も抑えたというのもありますし。それでイチロー選手にいっぱい打たれたというのもありますので、一緒の舞台で戦えたというあの時期というのは僕の中での財産ですね。

 

アナ そしてイチローさんと再会したというお話もあったと聞いたんですが。

 

黒木 僕がリタイアをして、ずっとアメリカを回っていた時期があったんですよ。

 

アナ はい。

 

黒木 一番の目的はイチロー選手に会いたいという思いがあったんですけど、引退して7年ほど距離が空いてましたので。彼は世界一のバッターだと。

 

 

アナ はい。

 

黒木 それで僕は方やリタイアをしているという状況だったので会うときにスゴく距離があるのかなと思ったんですけど。

 

アナ うんうん。

 

黒木 いざピオリアのキャンプ地に行ったら僕を見て「ヘイ!ジョニー!」って言ってくれたんですね。

 

アナ へぇー。そうなんですか。

 

黒木 その対応があの時のイチロー選手と変わらないところに僕は感動しちゃって涙が出てきたんですよね。

 

アナ ちょっとグッとくるものがありますね。

 

黒木 はい。世界一のバッター、スーパースターになったとしても人に対する思いであったり、その気持ちを受け止めて返してくれるというのをしてくれたシーンだったし、そういう選手だったので、本当に人目を憚らず実は涙を流しました(苦笑)

 

アナ そうなんですねぇ。

 

黒木 はい。

 

アナ そしてイチローさんの引き際をどのように感じましたか?

 

黒木 やはり色んな去り方があると思うんですよね。本当に野球に向き合う愛された選手だと思いましたし、やっぱり日本人として日本の舞台で最後を締めくくることができたことは非常に喜ばしいことかなって。本当はもうちょっと見たいんですけどね。

 

アナ はい。

 

黒木 素晴らしい引き際だったと思います。

 

 

以上です。

強い思い入れが伝わってきました。
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