2017年2月にBS1で放送された『球辞苑』で長年左キラーとして活躍している北海道日本ハムファイターズの宮西尚生が左殺しについて語っています。
―左キラーと言われることについて
宮西 そういうふうに言われるのは本当に自分としては一番嬉しい言葉ですね。やっぱり左利きって左打者を抑えることがスゴい武器になるんで。そういう意味では1年目から左だけには打たれないように心掛けてやってきたんで。
―左打者の攻略のテクニック
宮西 僕はサイドであろうが、スリークォーターであろうが、「ここじゃないと投げれない」という場所を作らない。横の角度をつけたい時は肘をおろしますし、力で押したい時は若干ひじを上にあげますし。なるべく相手バッターのタイミングをズラすようにやってますね。
―宮西の投球術とは
宮西 僕は別にコントロールがいいわけでもないし、そして球種が多いわけでもないで、本当に最後に「真っ直ぐで決めるのか、スライダーで決めるのか」だけ決めて逆算して投球してるつもりですね。真っ直ぐとスライダーしかないので、どちらかの球種を待つ確率を上げさせて逆の球を投げるというのが僕の生き方なんで。
―(2016年までの)9年間で会心の投球
宮西 9年間の今までの経験が全て生きた投球だったなと改めて思います。
―宮西が選んだウイニングショット
宮西 スライダーで決めたいなっていうのは最初から決めていたんですけど。
2球目 内寄りの高めストレートでストライク
3球目 低めにスライダーでボール
4球目 外角低めにスライダーで空振り
―5球目の選択
宮西 ただ、「このままスライダーで」となると丸もスゴくいいバッターなので、簡単には絶対に打ち取れないだろうなというのがスゴいあって、僕の中でスライダーをわざとボールからボールにしてフルカウントにしたんですよ。(※5球目にスライダー)
2球目 内寄りの高めストレートでストライク
3球目 低めにスライダーでボール
4球目 外角低めにスライダーで空振り
5球目 外角に外れるスライダーでボール
―この選択について
宮西 バッターの中で「スライダーがこれだけ外れてるんだったら、やっぱりスライダーはボールになるんやろうな」と。バッターはここで次は真っ直ぐを待つ確率って上げるじゃないですか。「次は真っ直ぐで来るだろう」とちょっとでも頭の中に入れてほしかったんですよね。
―最後にスライダーで抑えて
宮西 最後の決め球はストライクからボールになるように、自分の中で投げ切れたら必ず三振に取れると思っていたんですよ。それが出来たのはピッチャーとしてのスゴい成長というか、ここまで育ててくれたものが一気に出た試合でした。
―左キラーとしての危機感はある?
宮西 毎年怖いです。不安でしかないです。やっぱり左打者も軌道というのはスゴいイメージが湧いてると思うし、それ以上のものを何か自分の中で出さないと今年もやっていけないと思うんで。そこは去年以上のものを出していきたいと思います。(※これは2017年2月に放送されたもの)
以上です。