2019127日にBS1で放送された『球辞苑』でメジャーリーグにおけるベースコーチについてメジャーに詳し過ぎる男・AKI猪瀬が色々と語っています。

 

3塁ベースコーチ

メジャーリーグではそのポジションがある重要なポストになっている。

 

―メジャーにおける3塁ベースコーチ

猪瀬 3塁ベースコーチの方はその後ベンチコーチとか監督になるためのポストのような感じなので、球団の中で幹部候補生のような立ち位置だと思います。

 

3塁ベースコーチは将来の監督候補。それほどこのポジションには戦術的なノウハウが詰まっている。

 

3塁ベースコーチでの働きで能力を見られている

猪瀬 ここでこの監督はこういうサインを出すんだ」「これが勝つための戦術なんだ」「こういう時に回して点が入るんだ」っていうのを体験、体感できるからですね。

 

―将来的に期待されている3塁ベースコーチ

猪瀬 ヤンキースのフィル・ネビンなんかは非常に評価が高いベースコーチです。

 

―フィル・ネビンが評価が高い理由は?

猪瀬 やっぱり回す回さないの判断もそうですし、サインの伝達が思いのほか、日本と比べるとメジャーの3塁ベースコーチは少ないので、そういった意味で3塁ベース上での会話ですね。「ポジショニングを見ろよ」「油断するなよ」「このピッチャーは今日スライダーが曲がり過ぎてるからワイルドピッチを頭に入れとけよ」と。ゲームを決するかもしれないワンプレーに対してのコミュニケーション能力が非常に高いので、サインではなく指示と自分のイマジネーションで点を取るような3塁ベースコーチですね。

 

日本と比べてサインプレーが少ないメジャーリーグでは選手との高いコミュニケーション能力が求められるというのだ。それにも関わらず、選手とコミュニケーションを取れないような場所に堂々と仁王立ちする3塁ベースコーチもいた。

 

 

当時ホームランを量産していたマグワイアの殺人的な打球を避けるためにこのようにしていた。審判からも文句を言われたりもしていたという笑い話もある。

 

 

1塁ベースコーチ

1塁ベースコーチの役割は?

猪瀬 1塁ベースコーチというのは相手ピッチャーのクセを盗んだり、盗塁の成功率を高めてあげるのがメインテーマになってくるので。現役時代にやはり盗塁ができた選手、俗にいうスピードスターと言われている選手たちが1塁ベースコーチにいちばんマッチします。

 

そんなメジャーの1塁ベースコーチが必需品として持っている物がある。それはストップウォッチだ。ほぼ全球団の1塁ベースコーチが携帯している(日本ではベースコーチの所持は禁止)。これはランナーが出たときにピッチャーのクセを見極めるためだという。

 

―ストップウォッチでやっていること

猪瀬 例えば6秒球持ちがあったら絶対に牽制が来る。5秒持ってたらホームに投げるというのを全球ストップウォッチを持ってベースコーチが計っています。耳元に寄って選手に声をかけてるのは「いいか、こいつはこういうモーションをするときにはこういう事が起こるぞ」っていう確認事項をしたり。まあクセとかを情報として蓄積していくというのが1塁ベースコーチの役割ですね。

 

1塁ベースコーチの日米の違い

猪瀬 日米のコーチで一番違うのは、今の選手たちはガードをたくさん付けてます。こういう物を大体1塁ベースコーチが回収します。日本のようにいちいちバットボーイが出ていってそれを持ち帰るというのはほとんどしないので。たまに両腕に選手たちのガードを付けまくってるベースコーチもいたので。

 

―試合以外の仕事

猪瀬 例えばバッティング練習では、僕の感覚で取材で見ていると、大体バッティングピッチャーの1番手は1塁ベースコーチです。ボールをどんどん投げていって、それが終わったら相手ピッチャーのクセばかりを鋭い目で見ていて。仕事は3塁ベースコーチよりも1塁ベースコーチの方が多岐に渡っていると思います。1塁ベースコーチが特殊職のような何でも屋。

 

 

以上です。

AKI猪瀬は詳し過ぎる。
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