2020229日にBS1で放送された『球辞苑』で金本知憲が選球眼をテーマに色々と語っています。

 

金本知憲の通算四球は1368個と1位の王貞治、2位の落合博満に次ぐ歴代3位。シーズン最多四球6回で選球眼にも優れた鉄人だった。(2019年時点のランキング)

 

―ボール見極めで重視していたこと

金本 最も重視していたのが低めの選球眼ですね。低めさえあんまり手を出さなければヒットを打てる確率は増えると思うんで。それで特に低めの変化球というのは打ちにいくまではストライクに見えるんです。それで最後の最後にボールになるのが低めの変化球なんでね。その低めのボールが見えるかどうかが選球眼だと思うんですよね。

 

―低めの見極めを特に意識したピッチャー

金本 1アウト満塁とかのケースで佐々木(主浩)さんが出てきて、真っ直ぐかフォークのピッチャーですよね。2ストライクまではストレートかフォークのどっちかにヤマを張って、2ストライクになったらいかにヒットを打つことよりもファウルで粘ること。もう追い込まれたらフォアボール狙いですから() そういう事は考えてましたね。

 

―コントロールのいい技巧派の対策

金本 例えば今のタイガースにいる西(勇輝)とか、川上憲伸、山本昌さんとか。インサイドとアウトサイドにボールを散らしてくるタイプは球種よりもコースに張ってましたね。

 

 

―技巧派で狙うコースとは

金本 漠然と真ん中のストレートに合わせているとコントロールのいいピッチャーがアウトコースに投げると絶対に空振りしちゃうんですよね。だから左ピッチャーが対角線に右打者側のベースの角に投げてくるようなイメージのストレートを待っていると、ちょうどその辺のスライダーとかもカーブでも合うんですよね。

 

―狙っているアウトコースに投げさせるためにはどうする?

金本 インサイドは攻めてくるんで、少々ボールでもファウルをバンっと強く打ちにいったら、やっぱり相手バッテリーも「待ってるのかな」というのを思わせないといけないんで。

 

―選球眼を生かすために最も重視していたこと

金本 キャッチャーの傾向をスゴく頭に入れてましたね。僕らが若い頃は古田(敦也)さん、中村武志村さん、谷繁(元信)、あとは巨人の村田(真一)さん。

 

―古田と谷繁の特徴

金本 古田さんはピンチになったらインサイドの真っ直ぐとフォークボールのどっちかですね。谷繁なんかは何年も何年もやってますからね。あいつは意地の悪い配球をしてましたからね。対谷繁の時は逆にピッチャーもキャッチャーもギャフンと言わせたかったというのが僕のなかにあるんですよ。キャッチャーが構えたコースにピッチャーがちゃんと投げ切って、それを打つ。ピッチャーのコントロールミスを打ってもキャッチャーはあまりショックじゃないんですよね。ピッチャーの責任というか、「お前がちゃんと投げないから打たれたんだぞ」ってなるじゃないですか。そういう意味でやっぱり一発で仕留めるのが理想でしたね。

 

 

以上です。

谷繁との攻防はかなり激しかったようです。
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