2018年5月21日にBS1で放送された「ワールドスポーツMLB」で今季7試合目登板のアナハイムエンゼルスの投手・大谷翔平についてメジャーで活躍もした小宮山悟がフリーアナウンサーの平原沖恵と共に分析をしています。
【この日の大谷の投球内容】
7回2/3、110球、被安打6、奪三振9、与四死球1、失点2
4勝1敗 防御率3.35 デビュー7試合で52奪三振
【大谷の試合後のコメント】
大谷 連敗中に勝てて良かったなと思います。(3回表に)ホームランを打たれてベンチに帰った後も雰囲気は良かったですし、勝てるなと思って投げていました。調子は良くなかったですけど、その中で悪いなりにゲームを作っていけたのは良かったですし、結果的に8回(7回2/3)ぐらいまで投げられたのも良かったと思います。
アナ 大谷投手110球を投げる力投で4勝目。エンゼルスの連敗を5で止めましたね。小宮山さん!
小宮山 はい。本人が「悪いなりにゲームを」って言っていましたけど、全然悪いとは見えなかったので素晴らしいピッチングだったと思います。
アナ キャッチャーのマルドナード選手は「ホームランを打たれた後、フォーシームの球速も制球も良くなった」と話していました。実際に数字を見てみますと。
【フォーシームの球速】
ホームラン以前 153.5キロ
ホームラン後 156.7キロ
アナ 平均の球速が3キロ以上速くなっているんですよね。
小宮山 連敗中ということで先に点をやらないようにとマウンドに立ったと思うんですね。初回は本当に丁寧に投げていたんで球数を費やしましたけど、1回2回を抑えて3回に9番バッターなので多少簡単に初球入り過ぎたのかなという気がするんですよ。(※3回表の9番バッターにホームランを打たれて先制される)
アナ はい。
小宮山 それで1点失ったことによってこれ以上、点はやっちゃいけないんだと自分自身に言い聞かせて、そこからいい感じでピッチングが出来たと思うので。
アナ はい。フォーシームを生かす球種があったんですよね。
小宮山 はい。カーブなんですけど。
【2回表 打者ミラーに対する投球の映像を見ながら】
小宮山 2回のミラーに対してカーブがちょっと高めなんですね。
アナ はい。
小宮山 ちょっと危ないボールなんですけど、あのボールに飛び付いて打ってくれてファーストゴロでアウトを取れたんですけど、このボールが実は相手バッターからすると前回の登板でもけっこう投げている球種なんでレイズ打線も頭に入っていたはずなんです。
アナ はい。
小宮山 そういう球種のボールなんで、ついつい手が出てしまう。速いフォーシームじゃなくて抜いたカーブになると軌道が一度上に上がってから沈んでくるんで、ついつい目線が上に上がる。その事によって目線がブレることがあって、なかなか捉えにくいボールになった。そういうボールなので速いボールと対極にあるので、更に高低差も含めてかなり厄介なボールなんです。
アナ うんうん。
小宮山 カーブはそんなに投げていないんですけど、今日はコントロールが良くなかったので少なめにした。けれども、そのボールがある事によって真っ直ぐが生かせたということを考えると非常に良いボールになっていると思いますね。
アナ カーブによってフォーシームが生きたと。
以上です。
やはり、緩急を使うということでカーブが生きてくるんですね。フォーシームが155キロ前後を投げるので打者からするとフワっとくるカーブは相当邪魔でしょうね。投手・大谷を見るとやっぱり投手もいいなと思っちゃいますね。