2018年7月16日にBS1で放送された「ワールドスポーツMLB」でこの日のクリーブランドインディアンス戦で登板し勝ち負けは付かなかったものの7回途中2失点の好投を見せたニューヨークヤンキースの田中将大のピッチングを元ロッテの黒木知宏がフリーアナウンサーの平原沖恵と共に分析しています。

 

【この日の田中の投球内容】

6回1/3、77球、被安打6、奪三振5、与四死球1、失点2

 

【田中の試合後のコメント】

田中 投球は全体的には良かったと思います。(エンカルナシオンに打たれたHRは)ミスするにしても、ああいうミスの仕方ではなくてボールになれば良かったと思うし、ミスをする部分はしょうがないと思うので、あとはミスの仕方ですよね。

 

 

アナ 田中将大投手、前半戦最後の登板で勝ちは付きませんでしたが、いい投球でしたね。

 

黒木 そうですね。本人も言っていましたけど、非常に内容のある投球をしたのかなと思いますね。

 

アナ うーん。

 

黒木 まあ、下半身の不具合から起きた復帰2試合目の登板なんですけど、しっかりとした下半身のフォームができていましたし、低めにコントロールできていたので、田中投手らしいピッチングかと思いますね。

 

アナ では、ピッチングを振り返ります。

 

【投球の映像を見ながら解説】

黒木 しっかりと重心を低くしてコントロールができているので、本当に低めの変化球だったりストレートだったりが効果的なんですよね。バッターが打ち損じてゴロアウトが多かったという。

 

アナ はい。

 

黒木 やはり、下半身の不具合が起きたので上手く下半身が機能するか心配するじゃないですか。前回の登板でもそうでしたけど、今日も全く心配ないかなと思いました。

 

アナ はい。

 

黒木 今日の投球は全体的に低めに投げていて、真ん中付近でもベルトよりも下なんですね。ツーシームもしっかりと右バッターの膝元付近に投げられていたので田中投手本来のピッチングが出来ていたと思います。

 

アナ しっかりと出来ていたんですね。

 

黒木 はい。

 

アナ ただ、前の試合に続いてホームランに泣きました。

 

 

黒木 まあ、失投ですね。ただ、誰しも失投があるんですよ。田中投手はスゴく精度の高いピッチャーなので、なかなか失投がないんですけど、勝ちたい気持ちが出たり、いいバッターが出てくると何とかしたいという思いで、ちょっと前のめりになったりする時があるんですね。

 

アナ はい。

 

黒木 そうなってくるとミスが起きやすくなるというのが、今日はちょっと出たかなと思いますね。

 

アナ はい。4番のエンカルナシオン選手に対してですね。

 

黒木 エンカルナシオンを抑えた打席だと体に近い所、頭に近い所でポールを離しているんですけど、打たれた打席では抑えた打席と同じ球種なんです。

 

アナ はい。

 

黒木 ただ、先ほど言ったように少し力みが出た分だけリリースの位置が僅かに体から遠くなります。(※比較画像では確かに打たれた時はリリースが抑えた打席よりも遠い位置になっています)

 

アナ 確かにそうですね。

 

黒木 これがたまたま出てしまって、それを仕留められたというだけなんですよね。

 

アナ うーん。これは黒木さん、どういうことなんでしょうか?

 

黒木 抑えたいシチュエーションになりますと、どうしても気持ちが早るので、どうしても体が突っ込みがちになるんです。

 

アナ はい。

 

黒木 良い時は体に近い所でリリースできるんですけど、気持ちが早ってしまうとバランスを崩して体が開いたりしてリリースがちょっと体から離れますよね。

 

アナ はい。

 

黒木 そうすると、体から遠い分、コントロールがしづらくなるんですね。そうすると、ミスが起きやすくなりますので、田中投手はたまたまその1球がエンカルナシオンの打席で出てしまって、そこを仕留められたというだけですから。

 

アナ うん。

 

 

黒木 それ以外に関してはしっかりと投球できましたんで、問題はないかなと思いますね。

 

アナ 本当に僅かな違いが失投に繋がってしまうんですねぇ。

 

黒木 そうですね。

 

アナ その田中投手ですが、前半戦を終えて7勝2敗で防御率4.54という成績でした。前半戦を振り返っています。

 

【田中の前半戦を振り返るコメント】

田中 満足いくパフォーマンスは出せていませんし、そこは戦い続けなければ乗り越えられないと思っているので、自分自身の課題とも向き合い続けながら、必ず乗り越えて、またいい投球を繰り返しできるように後半戦をやっていきたいと思います。

 

 

アナ 黒木さんは田中選手の前半戦をどう見ていましたか?

 

黒木 ちょっと怪我があって戦線離脱しましたけど、成績自体はしっかりやってのけたかなと思っています。

 

アナ 後半戦への期待はどうでしょうか?

 

黒木 もう何より怪我をしないことですね。先発ピッチャーとして、やらないといけないことは1年間ローテーションを守ることなんです。

 

アナ うん。

 

黒木 田中投手は1年間守ることができなかった悔しさがちょっとあると思うんですよね。

 

アナ はい。

 

黒木 ただ、状態が戻ってきましたので、後半戦に向けて体のケアをしっかりして、ローテーションを守っていけば、15勝以上ということになり、ヤンキースの地区優勝ということになりますので、怪我には気を付けてやってほしいと思います。

 

 

以上です。

いい投球だったと思います。前半戦は勝ちがやたら付いていますけど内容は悪かったように思います。

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