2018年4月15日にNHKで放送された「サンデースポーツ2020」でエンゼルスの大谷翔平の打撃について元広島ヤクルトの小早川毅彦がNHKアナウンサーの大越健介と同じくNHKアナウンサーの副島萌生(以下アナ)と共に分析しております。

 

大越 大谷選手なんですけど、なぜ打てるんだろうかということに迫っていきたいと思うんですが。まずそのいいフォームの映像を見たいと思います。

 

【大谷の打撃フォームの映像が流れる】

大越 小早川さん、この映像を見て何を感じられますか?

 

小早川 良い打ち方だなあと思います。それで変わったところがあるんですね。

 

大越 はい。

 

小早川 私は打つポイントが今の良い打ち方で前になったと思います。

 

大越 ポイントが前になった。

 

小早川 ボールを捉える位置が前になった。

 

大越 それは技術的にどういうことか教えて頂きましょうか。

 

小早川 はい。大谷はですね、日本にいる時は非常にポイントを深く、これは恐らく日本の投手のコントロールのいい変化球に対してかなりマークをしていた。ボール球、釣り球に手を出さないようにポイントを深くしていたと思います。

 

大越 なるほど。

 

小早川 その打ち方をメジャーでも最初はずっとやっていたんですね。そうするとメジャーの投手はスピードがありますし、それと手元で鋭く変化もしまし、尚且つ球威も重いんです。以前まではここ(ヘソぐらいの位置)だったのが今は前に(だいたい20センチぐらい前)なっていますね。

 

大越 ポイントを前にするっていうのは理屈は分かるんですが、それは簡単にできるものですか?

 

小早川 まずステップを変えましたよね。ノーステップに変えるのと、あとバットの出し方を肩口からより鋭角に前に出しました。

 

大越 ちょっと待ってください。まずステップを大きく足を上げていた(一本足)のをノーステップにして、あとは上半身が。

 

小早川 上半身のバットの出し方が鋭角に自分のポイントの前に出せるようになりました。ポイントが近い場合、今まではポイントが近いですから、その分スペースがないですよね、トップからポイントまでの距離が。それでバットを早く倒してしまって本当に窮屈そうに打っていました。

 

大越 はい。

 

 

小早川 これだと打球は上がりませんし、打たされる感じですからゴロになる。それで尚且つ自分とは意識と反対の逆方向に打ってしまっている。

 

大越 ということは、今の大谷選手は右方向に引っ張れるようなっているんですね。

 

小早川 そうなんです。引っ張る気持ちが出てきている。

 

大越 それはデータに出てきているんですよね。

 

アナ そうなんですよ。実際に右方向に引っ張る打球が増えたんですよね。

 

【モニターに打球方向の数が映される】

レフト方向4本、センター方向7本、ライト方向12本

 

 

アナ それが増えたことで相手チームがそれに対応して大谷シフトというのを敷いてきちゃったんですよ。

 

【大谷シフトの映像が流れる】

アナ 金曜日(4/12)の試合1-2塁間を3人で守るという極端な守備になっているんですよね。更に翌日(4/13)の試合でも第1打席で同じシフトを敷いてきているんです。

 

大越 大谷用のシフトを敷くということ自体がすでに・・・

 

小早川 もうメジャーで強打者の証として認められたと。シフトを見てもそうですね。

 

大越 翔タイムとかじゃなくて、相手はもう実力者だともう認めている。

 

小早川 もう認めたという守備隊形ですね。

 

大越 まあ、データも発達していますからね。大谷選手は向こうの陣形に惑わされる必要は?

 

小早川 もう本来の自分の打撃をどんどん大谷はしていくでしょうね。その結果、打球も逆方向にも出てきますし。

 

大越 なるほど。

 

 

以上です。

これまでの打撃解説はノーステップのことばかりでしたが小早川はちょっと付け加えてポイントを前にということも指摘しました。小早川は他の解説者とは違うぞ、というところを見せてくれました。

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