2018年3月にBS1で放送された「ワールドスポーツMLB」という番組でドジャースの前田健太と元ロッテの小宮山悟がシーズン開幕前の対談をしております。
小宮山 今シーズンはどうやらローテーションの3番手になるということなんですが。
前田 ただの順番なんで僕が3番目というわけではないと思いますけど、左ピッチャーがローテーションで4人(カーショー、ウッド、ヒル、リュヒョンジン)いるので右ピッチャーとしてしっかり投げないといけないなと思いますし、今年は1年間ローテーションを守れるようにしたいなと思います。
小宮山 それで言うと去年はリリーフでショートイニングを投げたのはプラスにはなっている?
前田 なっていますね。あれだけ集中して力を入れることはなかなか先発では出来ないので、どうしても6割7割、いっても8割ぐらいで留めてしまっていたのでもっともっと力を入れていこうかなと今シーズンは思っています。
【この番組ではマエケンのエクステンションという指標を分析して伝えていた】
エクステンションとはピッチャープレートからリリースポイントまでの距離で、その距離が長いほどリリースポイントがバッターに近くなり球持ちが良く打ちにくい。2017年に不調期のマエケンのエクステンションが短くなっていると伝えると、エクステンションを修正して、そこから成績も安定するようになった経緯があった。
前田 この番組は本当にありがたいですね。小宮山さんやこの番組にこのことを教えてもらった後はすごく意識をしました。この帽子のひさしに書いたんですよ。『リリースを前に』って。
小宮山 ハハハ そう(笑)
前田 忘れるから。僕は投げた後に帽子を必ず見るんで、そこでパっと見たときに思い出せるように。
小宮山 俺に言わせると、例えばデータを見てもらって、「こんな感じだからこうなんだ」っていうのを分かってすぐに出来るのが凄い。前で放すと打たれないというのはある程度は分かっているので完全に調子のバロメーターとして今シーズンはそこ(エクステンション)を突っつきますので。
前田 はい。是非、1試合ごとに連絡をくれれば(笑)
【ここから新球に挑戦しているという話】
小宮山 どうやら、チェンジアップをちょっと変えているらしいという・・・。それは正しい情報ですか?
前田 正しいです。はい(笑)
小宮山 その意図は?
前田 2017年は左バッターに対してチェンジアップがなかなか有効的に使えなかったので、ちょっと変えないといけないなというのが自分の中であって、今までは左バッターに入っていくボールが多かったので、内角のストレート・スライダー・カットボールがどうしても多くなってしまうので。
小宮山 イメージとしたら、けっこう抜けていく感じ?それともスーッといく感じ?
前田 いや、スプリットに近い感じをイメージしていて、このキャンプではチェンジアップを課題に取り組んでいて。
【ここで新しいチェンジアップの握り方が映される】
普通のチェンジアップの握りは鷲掴みに近いがマエケンの新しいチェンジアップはスプリット(フォーク)に近い2本指で挟むような握りでチェンジアップを投げている。
前田 スプリットには何回も挑戦したんですけど2本指で挟んで。でも、上手くいかなかった。でも、僕はチェンジアップをずっと投げていたので、こういう2本指で挟んでいる握り方でイメージ、投げ方はチェンジアップです。
小宮山 それでちょっと細工をしながら。
前田 はい。落ちてほしいなと。今のところ上手くいっています。
【今シーズンの目標について】
前田 えー・・・まあ、200イニングは1回諦めていいですか(笑)
小宮山 ハハハ(笑)
前田 ちょっとね、1回諦めます(笑)
小宮山 相当大変だっていうのは分かります。
前田 そこにちょっとこだわり過ぎていた部分があったので。
小宮山 あーなるほど。
前田 だから、早いイニングで降ろされるとストレスになっていたので、そこのストレスを1回忘れて(笑) やっぱり100球以内でしっかりと力を出し切って、とにかく抑えるということ、あとは先発として32試合以上投げたいと思いますし。防御率も3点台前半で出来れば2点台なら最高なので、そのへんを目標に投げていきたいと思います。
小宮山 今、もうカメラの前で映像として記録に残っちゃいましたから。
前田 はい。200イニングは言ってないですよ(笑)
小宮山 ハハハ(笑)
以上です。
今年のマエケンはどれぐらいやれるんでしょうかね。新しいチェンジアップがどれだけ有効なのか。あとはエクステンションについては注目ですね。