2018年2月に放送された『猛虎キャンプリポート』で元阪神の掛布雅之が速球の打ち方について朝日放送の中邨アナと元阪神でスカイAディレクターの福家雅明と共に語っております。

 

視聴者からのメールで「阪神の速球打率.240程度で12球団中で11位、145キロ以上だと.210程度しか打てなくなり12球団最下位の数値になっています。どうすれば速球を打てるのでしょうか?」と掛布宛てに質問が届きました。(※これは2017年のデータだと思われます)

 

掛布 まあ、鋭いところを見ていますね(笑) おっしゃる通りだと思います。

 

アナ はい。

 

掛布 だから、糸原だとか大山あたりが速球に対してどう対応していくかですよね。そのあたりがポイントになっていくと思います。若い選手ですよね。中谷然り。福留、鳥谷、糸井は速いボールや遅いボールをトータルで数字を残すタイプですよね。だから、ベテランの3人は速球を打てないということを心配することはないと思います。

 

アナ そこはね。

 

掛布 若い選手たちがどう対応していくかが問題だと思います。

 

アナ なるほどね。単にマシンの設定速度を速くしてという。

 

掛布 そういう問題ではないです。

 

アナ そうではないと。

 

掛布 僕が現役時代に考えていたのは、仮に150キロのストレートが来ても150キロで打とうと思って打とうとしませんから。少しでも遅く見ようと努力するわけですので。ボールを止めたいわけですから。

 

アナ はい。

 

掛布 そういう目の使い方、体の使い方を覚えるためには速いボールを対応するためには緩いボールを打った方がいい。

 

アナ なんか話が高度過ぎて・・・速いボールを打つためには緩いボール。

 

掛布 緩いボールを自分のタイミングで打つという。

 

アナ 落合博満さんもそれをやっていましたね。

 

掛布 ですから、バッターの感覚ではあの緩いボールのような感覚で打ちたいわけですよ。僕は150キロのボールをホームランしているとは思っていないですから。

 

 

アナ 江川さんのボールも打っていましたが。

 

掛布 バッティングピッチャーが投げる感覚で捉えたいわけですよ。

 

アナ はぁ~。

 

掛布 そういう見る目の使い方とか体の使い方とか下半身の使い方、色んな部分をですね。

 

福家 掛布さんの現役時代にお話を伺ったのは、「ボールのどこを捉えるか」とか・・・。

 

掛布 内側を見るとか。

 

福家 それはあるんですか?

 

掛布 そういう見方もありますし。だから、ピッチャーがテイクバックを取ってトップがあるじゃないですか。

 

アナ はい。

 

掛布 それがバッターにとって1番遠い所ですよね。

 

福家 そうですよね。

 

掛布 そうでしょ。その時に僕もテイクバックのトップを作る。

 

福家 あーそれを合わせるんですか。

 

掛布 そうするとボールを見る時間が1番長くなるでしょ。それでタイミングを合わせるとか。色んなことをバッティング練習の中で考えてボールを長く見るそういう努力というか・・・努力というのはおかしいですけどやっていましたね。それを努力というのは変ですけど。そういうことを考えながらやっていましたね。だから、家に帰ってスポンジのボールを投げてもらって。

 

アナ はい。

 

掛布 それもゆっくり見えますからね。そういう感覚でどうやって速いボールを見たらいいんだろうと。ボールを長く見るためにはどうしたらいいんだろうと。それじゃあ、ピッチャーのトップと僕のトップを合わせてみたらどうだろうと。

 

アナ 工夫のポイントが。なるほどぉ。

 

掛布 それは自分で研究していかないといけない。これは中々、監督やコーチが言っても出来るもんじゃないと思いますよ。

 

アナ むしろ、発想の転換というか考え方改革も必要になりますよね。

 

 

掛布 じゃあ、ピッチャーというのは反対に足を上げて前の足が付くか付かないかの5センチぐらいのところで間のあるピッチャーがいるんです。

 

アナ はい。

 

掛布 付きそうで付かないピッチャーがいるんですよ。今度、僕が前に出されてしまうんですよ。

 

アナ はいはいはい。

 

掛布 だから、この5センチの勝負も凄く難しいところがあるんですよ。一気にバーン!と投げて来るピッチャーは合わせやすいんですよ。

 

福家 そうですね。

 

掛布 足を上げて付くか付かないかっていう。130キロぐらいでも凄く速く感じるピッチャーもいますし。そのあたりもピッチャーによって変わるので、そういうトップとトップを合わせるのって凄く難しいんですよ。

 

アナ はー。

 

掛布 合った時っていうのは凄く長くボールが見えるんで。ピッチャーもそれを綱引きしているわけですから。

 

アナ 本番で自分がどうありたいかをイメージしてそれをしっかりイメージ付けるための練習。

 

掛布 そうです。ファームでもよくそういうことを言っても、中々それをやるための自分の中での工夫というのを。やっぱり意識ですよね。

 

アナ 普通の人は速いボールを打とうと思ったら、より速い球をと考えがちですが。

 

掛布 そうすると体を振ってしまいますから。

 

福家 僕はホームランバッターの理論はよく分からないですけど王さんとか落合さんとか掛布さんとか強振したように見えないんですよね。それはフォロースルーが大きいから。

 

アナ ヘッドスピードを計測すると物凄く速いんですよね。

 

掛布 そうなんですよね。

 

アナ 門田博光さんもそうでしたね。スイングが大きいんで全体の流れで。

 

 

以上です。

トップクラスのバッターは考えて工夫して色々やっています。

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