2019年1月にフジテレビONEで放送された『プロ野球 ここだけの話』でヤクルトで活躍した古田敦也がレギュラーキャッチャーになるまでの道のりをフジテレビアナウンサーや谷繁元信、大矢明彦と共に語っています。

 

レギュラーのチャンス

アナ 古田さんは1年目から106試合に出場されていたと。

 

古田 そうですね。

 

アナ 周りからも古田さんへの期待が大きかったんですね。

 

古田 いやいや、僕の1年目と野村監督が就任された年がたまたま同じだったんですよ。

 

アナ はい。

 

古田 それでそれまでレギュラーだった秦(真司)さんという方がいらっしゃって、試合に出ていたんですけど、なんか巨人戦でずっと連敗してたんですよ。とにかく負けて負けて弱いチームだったんで。そのううち監督が途中でブチキレて「ダメだ!代われ!古田!」って言われて(苦笑)

 

アナ あっ、そうなんですか。

 

古田 それで慌てて試合に出て、次の巨人戦で「いけ!」って言われた時にたまたま勝ったんですよ。

 

アナ はい。

 

古田 そこからレギュラーを掴んじゃったみたいな感じですね。だから変な話なんですけど、人のミスで・・・。まあプロってそうなんですよ(笑)

 

アナ うーん。

 

谷繁 そうですね。

 

古田 レギュラーの人がミスをして、その代わりに出た人がパパっとチャンスを掴んじゃうとそこから定着しちゃうという感じですね。

 

アナ キャッチャーというポジションは一人だけですもんね。

 

古田 そうですね。なのでチャンスが回って来ないでプロを終える方もいますしね。そういう意味では少ないチャンスをものに出来たかなと思っていますね。

 

 

レギュラーになってした苦労

アナ その中で1年目に苦労したことで覚えていることはありますか?

 

古田 やっぱり若いキャッチャーが試合に出るとベテランのピッチャーとかは嫌がるんですよ。

 

アナ あっ、そうなんですか。

 

古田 僕も・・・ある先輩に(笑)

 

一同 (笑)

 

アナ その方のことは言えないですよね。

 

ここである先輩の映像が流れる

 

 

古田 この人です。尾花高夫さんです(笑)

 

アナ 尾花さんに言われたんですね(笑)

 

古田 当時は尾花さんがエースだったんですけど「お前みたいな若いキャッチャーにリードなんかさせない!」って言って、インサイドかアウトサイドのサインだけを出して。そしたら「俺がそこに何かの球を投げるから、お前は必死で捕れ」って。

 

アナ えぇぇ。

 

古田 だから、サインを指先の1本2本3本とかで出すんですけど、例えば3つ出すうちの奇数がインサイドで偶数がアウトサイドみたいな。それだけなんです。

 

アナ ほぉ。

 

古田 サインはいっぱい出しますけど。「じゃあ、こっちですか?はい。こっちに構えておきます」みたいな。

 

アナ へぇ。

 

古田 そこに色んな球種で落ちたり、曲がったり、真っ直ぐきたり。「俺がそこに投げるから捕れ」と。

 

アナ いや、それは難しくないですか?

 

古田 まあ、そんなにスゴい球でもなかったんで。

 

アナ えっ?(笑)  それは言っても大丈夫ですか?(笑)

 

古田 大丈夫ですね。実際に捕ってましたから(笑)

 

アナ そうなんですね。

 

 

古田と大矢のエピソード

アナ 大矢さんは改めてデビュー当時の古田さんの活躍をどうご覧になったましたか?

 

大矢 古田くんが出始めの頃って僕もフジテレビの解説をやっていて。

 

アナ はい。

 

大矢 古田くんが入団した年にユマのキャンプでインタビューみたいなのをして、今年はどれくらい出るだろうとかを話して。

 

古田 はい。

 

大矢 その当時は眼鏡をかけてるキャッチャーというのはある程度ハンデがあったんでね。だから、どれぐらい出るのかなと思って、そんな話をしたんだけど、1年目にけっこう試合に出ちゃってね。スゴい恥ずかしい思いをしたんですよ(笑)

 

アナ へぇー。

 

古田 ありましたね。思い出しました。

 

アナ 思い出されましたか。

 

古田 大矢さんにインタビューされて「僕も1年目に何試合か出たんだけど、君もそこまでは無理だと思うけど頑張って」みたいな。

 

大矢 そうそう(笑)

 

アナ へぇ!

 

古田 それでシーズンが終わった時に僕はちょっと大矢さんの新人の時の試合数を超えたんですよ。

 

大矢 そう(笑)

 

古田 シーズン終わって番組に出た時に「大矢さん超えました」って言っちゃったんです(笑)

 

アナ あぁ(笑)

 

古田 当時は生意気なことを言ってすいません(笑)

 

大矢 とんでもない。俺が91試合で、100試合超えてたんだよな。

 

古田 そうです。106試合。

 

アナ へぇー。

 

古田 それを大矢さんに言いまして。

 

谷繁 俺の方がスゴいぞと思ってたんですか?(笑)

 

古田 いや、その当時は尖ってたんですよ(笑)

 

谷繁 ハハハ(笑)

 

古田 そういうのを超えてやるぞと思って力にしてた時期でしたね。失礼しました。

 

 

古田の活躍を見た谷繁は

アナ 谷繁さんは当時の古田さんをどう見ていたんですか?

 

谷繁 古田さんは立命館大学からトヨタ自動車に行かれて。僕は高校で立命館大学のセレクションに一回行ってるんですよ。

 

古田 そうなの?今初めて聞いた。

 

谷繁 その時にもしかしたら古田さんがいたかもしれないんですけど。

 

古田 そうか。でも、入れ替わってるかもしれないなぁ。

 

谷繁 僕の高校の時の監督は立命館大学出身だったんですよ。それで古田さんのことは聞いてたんですよ。だから、スゴいキャッチャーだなという風には見てましたね。

 

アナ へぇー。そしてプロになって古田さんが1年目から活躍されてっていうのも同じリーグでご覧になってたんですよね。

 

谷繁 でも正直悔しかったですよ。僕はまだ全然レギュラーも獲れてませんでしたし、まだまだ怒られてばっかりの日々が続いてたところで、プロに入ってきてすぐに出られてある程度の結果を残されたというのは本当に悔しかったですよ。負けたくないなと思いました。

 

アナ 反骨心で。

 

古田 まあ、どう見ても谷繁は見た目が反骨心の塊でしょ。

 

一同 ハハハ(笑)

 

 

眼鏡のキャッチャー

アナ そして古田さんと言えば、当時は眼鏡の捕手は大成しないと言われていた中で見事に覆されたということなんですよね。

 

古田 はい。

 

谷繁 コンタクトしようとは思わなかったんですか?

 

古田 目が悪い人なら分かると思うんですけど、僕は乱視がスゴく強いんで、昔は乱視用のコンタクトってなかったんですよ。

 

谷繁 なるほど。

 

古田 眼鏡じゃないと矯正できないんで。だから、それでやるしかなかったですね。

 

アナ 頭から飛び込んでギリギリのフライを捕ったりもされてましたけど、恐怖みたいなのはなかったんですか?

 

古田 まあ怖い怖いと言ってたら何も出来ないんでね。だから、実はそれについてはあんまりなくて、命までは取られへんやろと思いながらやってましたね。

 

 

以上です。

色々とエピソードが豊富です。

おすすめの記事