2019年3月31日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のvs.アリゾナダイヤモンドバックス戦で今季初登板となったロサンゼルスドジャースの前田健太のピッチングを元ロッテの黒木知宏がフリーアナウンサーの上田まりえと共に解説しています。
この日の前田の投球内容
6回2/3 被安打5 奪三振6 与四球2 失点3
防御率4.05(3月31日の試合終了時点)
前田の試合後のコメント
―初登板・初勝利について
前田 初登板で勝てたことは自分自身スゴく大きいですし、いい初登板になったと思います。昨日(3/30)は延長戦でたくさんリリーフを使っていたのでしっかりと長いイニング、7回途中まで投げられたということはいい登板だったんじゃないかなと思います。
―7回途中降板について
前田 あのイニングはやっぱり投げ切りたかったです。2アウトからフォアボールという形で降板になってしまったので、スゴく悔しい思いの方が残りましたし。ただファンの人からたくさん拍手をもらってマウンドを降りられたってことはスゴく幸せなことだと思いますし、あの瞬間っていうのはスゴく嬉しかったですね。
黒木の解説
アナ 前田投手、今季初登板でスゴくテンポのいいピッチングでしたね。
黒木 本当にナイスピッチングですね。更にレベルが上がった感じがしましたね。まあ初登板では自身最長イニングということでしたけど、本当は7イニング目をしっかり抑えてマウンドを降りたかったと思うんですけど。
アナ 悔しいという言葉も出てましたけどね。
黒木 ファンの皆さんのスタンディングオベーションは本当に気持ち良かったと思いますね。
アナ はい。その好投を詳しく見ていきましょう。
黒木 まず今日良かったのは何といってもチェンジアップですね。これが非常に良かったです。
アナ どういうチェンジアップだったんでしょう?
黒木 以前投げていたチェンジアップはサークルチェンジの握りで『オーケーボール』って言うんですけど。それでボールを抜くために少し手首の角度を変えたりするので非常にコントロールするのに難しいチェンジアップなんですよね。
アナ うんうん。
黒木 それが2017年からスプリットと呼ばれるフォークボールのような握りで、真っ直ぐのような投げ方をして指先にかけながら右バッター方向に流れていくようなチェンジアップなんですね。これは非常に真っ直ぐに近い投げ方なんでスゴくコントロールがいいんですよね。これが左バッターのアウトコースに投げ込めていて有効的なボールになってましたね。
アナ 自信を持って投げているのが伝わってくるボールでしたね。
黒木 はい。とにかく左バッターに対して外。インサイドに投げないんじゃないかなっていうぐらい外に投げてましたよね。そのチェンジアップもそうなんですけど真っ直ぐとツーシームとチェンジアップを左バッターに徹底して投げますので、バッターからすると真っ直ぐかチェンジアップか分からないような状況がありましたんで。とにかく左バッターは対応するのが難しい状況になってましたね。それで6回の打者エスコバーに対してキャッチャーのサインに首を振って真っ直ぐじゃなくてチェンジアップを投げたんですよね。
アナ うんうん。
黒木 それだけ今日の前田投手はチェンジアップの精度の高さであったりに自信が見えたシーンでしたね。
黒木 見てください。ほぼ全部アウトコースに投げられている。
アナ そうですねぇ。
黒木 今日は106球のうちチェンジアップが39球なんですね。もう徹底的にチェンジアップで勝負している。
アナ チェンジアップがこれだけ多いのは珍しいですよね?
黒木 はい。前田投手には必殺のスライダーがありますからね。それだけチェンジアップに自信があった。本来ではあればもう少しチェンジアップの割合が少ないのかなと思うんですけど、これだけチェンジアップを投げたということは最大の武器になるのかなと。
アナ 本当に左バッターからしたら打ちづらいですよね。
黒木 先ほど言いましたように真っ直ぐの腕の振りのままでボールが左バッターのアウトコースに流れていきますから、バッターからすと腕の振りが全く同じで球速が変わってきている。尚且つアウトコースにボールが流れていきますから、本当に対応しづらいんですよね。そういうボールを今日は見せてくれました。
アナ 素晴らしいですね。
以上です。
絶好調。チェンジアップが効きまくりです。