2019年5月1日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のvs.アリゾナダイヤモンドバックス戦に先発し、通算3000奪三振を達成したニューヨークヤンキースのCC.サバシアについて黒木知宏がフリーアナウンサーの山本萩子と共に語っています。
アナ 負け投手にはなりましたが、ヤンキースのサバシア投手、見事な通算3000奪三振を達成しました。この記録を達成したのは13年前(2006年)のスモルツ投手以来の17人目ということで貴重な記録ですよね。
黒木 本当にスゴい数字ですよね。三振を取るために必要なことは絶対的な決め球がないと取れないんですよね。
アナ 難しいということですね。
黒木 はい。
アナ サバシア投手、もともとはパワーピッチャーだったんですよね。
黒木 はい。見てもらいましょう。
2008年(27歳) | 2019年(38歳) |
フォーシーム 41.9% | カットボール 46.7% |
スライダー 22.4% | フォーシーム 2.2% |
チェンジアップ 22.0% | スライダー 33.6% |
シンカー 13.4% | チェンジアップ 9.3% |
カーブ 0.3% | シンカー 8.1% |
(出典:Baseball Savant)
黒木 2008年の27歳当時との比較を見てもらうとフォーシームが変わってきてますよね。
アナ そうですね。
黒木 当然、若いときはフォーシームが速いので、フォーシーム中心のピッチングになると思うのですが、2019年に至るまでに色んなことがありますよね。モデルチェンジをすると思うんですけど、今はフォーシームからカットボール中心になったんですよね。それによってコントロール、そしてストライクゾーンの幅を広く使ったピッチングになりましまたよね。
アナ 今日もそのピッチングが表れていたんですよね。
黒木 はい。
アナ 2回裏の3000奪三振目のシーンです。
黒木 はい。右バッターに対してカットボールをしっかりとインサイドに投げていくんですよね。バッターはそこに厳しめに入ってくるボールなので、そこを意識するのでどうしてもサード側に引っ張ってしまう。そこでチェンジアップをベース板に落としていって三振を取っていくと。
アナ なるほど。続いて3回裏のシーンです。
黒木 ここでも右バッターに対してインサイドの厳しめのコースにカットボールを投げて意識させておいてシンカーでタイミングを外して打ち取っていくと。
アナ なるほど。
黒木 こういう円熟のピッチングになっていってますよね。
アナ では球種別で見ていきましょう。
黒木 はい。カットボールは左バッターに対しても右バッターに対してもストレートの軌道から右打者側に食い込んでいくというボールなんで、バッターからするとベース板の上でなかなか見極めづらいボールになってます。このカットボールの精度が高い。そして左のインサイド、右バッターのアウトコースへチェンジアップやシンカーの精度の高さ。ここなんですよね。
アナ コーナーにしっかりと投げていると。
黒木 はい。間違いはほとんどないんですよね。ですから、球速が落ちたとしてもコントロール、そして必殺のボールをしっかりと投げられる精度の高さがあることによって、奪三振の記録を積み上げていってますね。
アナ なるほど。そしてサバシア投手は250勝まであと3勝としています。こちらも期待ですね。
黒木 間違いなくできると思います。怪我とかなければですね。ですから、間もなく達成されると思うので楽しみにしたいなと思いますね。
以上です。