2019年5月16日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のvs.サンディエゴパドレス戦に先発し、7回途中無失点の好投で見事な5勝目をあげたロサンゼルスドジャースの前田健太のピッチングについて黒木知宏がフリーアナウンサーの山本萩子と共に解説しています。
この日の前田の投球内容
6回2/3 85球 被安打3 奪三振12 与四球0 失点0
5勝2敗 防御率3.51(5/16の試合終了時点)
3打数2安打2打点
12奪三振+2打点(チーム全得点)はメジャー史上初
前田の試合後のコメント
前田 全てのボールで自信を持って投げることができたと思うし、どんどんストライクゾーンで勝負することができたので、球数も少なくイニングを投げられたので良かったと思う。もちろんしっかりイニングを投げ終えてマウンドを降りることが先発ピッチャーとして一番いいことだと思うので、こうやって試合に勝ったのでベストの選択だったと思います。
黒木の解説
アナ 前田投手、まさに二刀流の活躍でしたね。
黒木 投打に渡って素晴らしい活躍でしたね。でも、今日はピッチングですね。今シーズン最高のピッチングだったと思います。
アナ 今シーズン最高ということで、好投の要因は何だったんでしょうか?
黒木 ずばり抜群のコントロールです。右打者にスライダーはストライクゾーンの四隅。本当にアウトローに決めました。本当にここにしかないというところに投げ込んでいましたね。
アナ ここってところでした。
黒木 そして左打者にはチェンジアップ。これはストライクからボール。見え方としてはボールからボールかもしれませんけど、非常に厳しいところに投げ込んでいます。
アナ はい。
黒木 そしてフォーシームもストライクゾーンの角っこ。見ていて、キャッチャーの構えたところに全部吸い込まれていく。
アナ そうでしたねぇ。
黒木 本当に気持ちのいいピッチングでしたね。抜群でした。
アナ では今日のスライダー、チェンジアップ、フォーシームの全球をキャッチャー目線から投球の軌道が分かるゼウスというツールで見ていきましょう。
黒木 今日、特に際立っていたのがスライダーです。先ほども言いましたけど、本当に四隅に決まりまくっています。そしてチェンジアップもストライクゾーンからボールになっている。
アナ 本当にそうですね。
黒木 それだけキッチリと投げられたんですよ。そして何よりも両サイドに投げ分けられた。
アナ そして今日は前田投手の好投を表しているシーンがありました。5回表にフランス選手の打席の場面でした。
黒木 あまりにもコントロールが良すぎて、相手の監督が抗議に出るわけです。これを見て相手ベンチが「本当にストライクなのか?」と聞きに行くんです。
アナ はい。
黒木 そして実際に映像を見るとストライクなんですよね。これだけコントロールがいいと相手ベンチとのひと悶着があって、今日試合に出ていないパドレスのキンズラーが退場になりました。
アナ そんなことがあったんですね。
黒木 まあ今日は本当に両サイドに投げ分けていたんですけど、真ん中のラインがあるじゃないですか。
アナ はい。
黒木 今日投げた85球のうち、そこに8球しか投げてないんですよね。ということは、それだけ両サイドにキッチリと投げ分けていたかということですよね。
アナ 素晴らしいですよね。今日はストライク率という数字で見ても、85球中64球がストライクで実に75%です。
黒木 はい。85球のうちに8球しか真ん中の甘いラインに来ない。あとは全部外に行くわけですから、今日のピッチングが続けば勝ち続けられるというような内容でしたね。
アナ これほどの内容だっただけに7回途中での降板が残念ですね。
黒木 相手が左バッターで、回も重ねていたんで、ラストバッターかもしれないと考えながらラストバッターに向かって行ったと思います。最後のフォーシームも見逃し三振も凄い。渾身のボールでしたね。
アナ なるほど。これだけ良かったら次回登板も楽しみですよね。
黒木 はい。楽しみです。
以上です。