2019年6月13日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のvs.フィラデルフィアフィリーズ戦で先発し7勝目をあげたメリル・ケリー。韓国からメジャーに復帰したこの投手の好投の要因について黒木知宏がフリーアナウンサーの山本萩子と共に解説しています。
ケリーの試合後のコメント
ケリー このところ非常にいい試合ができている。こういう試合が続くようにしっかり準備して、今後もチームに貢献していきたい。
黒木の解説
今季7勝6敗 防御率3.73(6/13の試合終了時点)
6月は3連勝!
アナ ダイヤモンドバックスは去年まで韓国でプレーしていたケリー投手が8回途中まで無失点と好投しましたね。
黒木 非常にバランスのいい投球をしましたね。エースのグレインキーに並んでの7勝ですからね。頼れる存在になったのかなという感じがしますね。
アナ このケリー投手、改めてどんな投手なんでしょうか?
黒木 特徴は2つあります。まず1つ目が投球フォーム。
アナ はい。
黒木 1塁側からの映像で見ると、背中の番号がずーっと見えたまま、見えたままでパッと消えますよね。この体が横に向いている時間がスゴく長いんですよね。つまり肩の開きが早くない。ずーっと左肩がバッターに向かっていて、パッと投げる。
アナ はい。
黒木 これが肩の開きが早いと、投げる手が見えてくるので打ちやすくなる。
アナ なるほど。
黒木 ですから、ケリー投手は横に向いている時間が長く、いいピッチャーだと言えますね。それによってストレートでバッターは差し込まれます。
アナ 確かに今日も差し込まれているシーンがありましたね。
黒木 はい。今日の球速は平均147.4キロとメジャー全体ではそれほど速くない部類に入ります。ただ、バッターからすると速く見えるんですよね。ケリー投手はずっと横を向いていて、なかなか手が見えてこないというピッチングフォームなので、バッターは「いつ来るのかな」と待ちますから余計に速く見えるんですよね。まず1つ目のポイントがこれですね。
アナ 投球フォームが特徴なんですね。そしてもう1つの特徴は何になるんでしょうか?
黒木 それは縦割れのカーブです。
アナ はい。
黒木 これも非常に素晴らしいんですよ。横を向いている時間がスゴく長いので、バッターからすると一瞬しか手が見えてこないんですね。
アナ はい。
黒木 それで大きく縦に割れるカーブですから、バッターからすると一度目線から消えると思うんですよね。横に曲がったり斜めに落ちるような変化ではなく、縦に落ちるわけですから、なかなか見極めも難しいでしょうね。
アナ なるほど。
黒木 そのカーブとフォーシーム、そしてフォームによって緩急をつけているので、今のようなピッチングができているのかなという感じがしますね。
アナ 非常に素晴らしいピッチングでしたね。去年のマイコラス投手のようにアメリカ以外の地で活躍してメジャーに戻って来るという選手も増えていますよね。
黒木 そうですね。ですから、アジア諸国の野球のレベルが上がったのかなと思いますね。それでちょっと情報があるんですけど、ケリー投手は韓国時代に上手くコミュニケーションが取れなかったと。
アナ はい。
黒木 それで何をするかというと、自分本人で考えるんだと言っているんですね。それで自分の中のピッチングフォームとか、技術を習得していったと。それでこのような素晴らしいピッチャーになったわけですから、やはり一人で考えることも大事なのかなと思いましたね。
アナ そういった経験も糧になるんですね。
黒木 そうですね。自分で得た物というのは忘れないので、それをメジャーの舞台で結果として出てますから、今後も楽しみにしたいと思いますね。
以上です。