2019624日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のvs.ボルティモアオリオールズ戦で先発し4勝目をあげたシアトルマリナーズの菊池雄星のピッチングについて黒木知宏がフリーアナウンサーの山本萩子と共に語っています。

 

菊池の試合後のコメント

519日以来の4勝目

菊池 やっぱり1ヶ月しんどかったなと、それが一番ですね。立ち上がり苦しみましたけど、徐々に良くなると信じて投げていました。点差もあったのでチェンジアップを使ったり、大胆にストレートでいったり、そういうピッチングを後半できていたので、次に繋がるピッチングができたと思います。

 

 

黒木の解説

この日の菊池の投球内容
6回94球 被安打5 奪三振3 与四球5 失点3
今季4勝5敗 防御率5.11(6/24の試合終了時点)

 

アナ 黒木さん、菊池投手がおよそ1ヶ月ぶりの勝利を手にしました。

 

黒木 序盤は少しモタついた感じがありましたけど、3回以降は非常に強いストレートが戻ってきた感じがありましたよね。前回の登板と比べて非常に良かったと思います。

 

アナ 前回とは何が違ったんでしょうか?

 

黒木 前回は一生懸命投げてはいたと思うんですけど、なかなか下半身に力が伝わっていない感じなんですよね。踏み込んだ足がすぐに伸び上がって体重が受け止められていないんですよね。

 

アナ そして今日はどうだったんでしょうか?

 

黒木 今日は力感はなかったんですけど、バッターに向かって行く体重を右ひざが受け止めていたんですよね。ですからバッターに向かって行く感じが出ていましたよね。

 

アナ なるほど。

 

黒木 球速自体は前回と変わらなかったんですけど、向かって行く感じと、下半身を使ってしっかりと力を伝えられているのでボールが速く見えているはずなんですよね。

 

アナ 平均球速を比べて見ると前回とほとんど変わらないんですよね。

 

菊池雄星のフォーシーム
前回この日
平均球速146.6キロ146.8キロ
被打率.600.286

 

アナ 被打率はかなり改善していますよね。

 

黒木 ですよね。球速が変わらないのに被打率がこれだけ改善しているということは、当然バッターの予想を上回っているということなんですよね。

 

アナ 速く感じるということなんでしょうかね。

 

黒木 はい。力一杯ボールを投げる事だけじゃなくて、バランス良くボールに力を伝えるフォームになったということで、差し込むことができるようになったということでしょうね。

 

アナ 菊池投手は何故このように復活できたんでしょうか?

 

黒木 少し登板間隔が詰まった状態でずっと投げていたので疲労のリカバリーがなかなかできないまま投げていたんだと思いますね。

 

アナ なるほど。

 

黒木 それで今回に関しては少し練習を軽くして今日の登板に臨んだんですよね。実際に強い球を投げずに、体のバランスを整えて投球することによって試合でも通用するということを菊池投手も分かったと思うんですよね。

 

アナ はい。

 

黒木 ですから、これも一つやっていく中で材料として今後も残っていきますから、うまくいった中4日の調整だったんじゃないでしょうか。

 

アナ 菊池投手は中4日で投げ続けるのが初めてでかなり負担があると思うんですが、黒木さんは中4日での調整の経験はありますか?

 

黒木 現役の時はありました。なかなか調整が噛み合わないんです。年間通してやるとしたら疲労のリカバリーに特化してやらないといけないんですよね。でも練習しないというのは不安なんです。

 

アナ そうですよね。

 

黒木 でも練習をやり過ぎちゃうと今度は体に負担がくるので実際にマウンドに上がるときにいいパフォーマンスが出ないですから。今回の菊池投手は調整で軽めにやっていい登板ができた。次回の登板ではしっかり練習してやることもあるでしょうし、色んな材料を見つけることですよね。とにかく自分の体と対話して自分の状態を把握して毎日していくようにいけばいいと思いますね。

 

 

以上です。

やり過ぎないのも調整です。
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