2020年7月20日に関西テレビで放送された『報道ランナー』で開幕から不振の阪神タイガース近本光司について古田敦也が関テレアナウンサーの新実彰平と共に語っています。
アナ 復活が待たれる近本選手ですが、打率が1割台。盗塁7は立派なんですけど、ちょっとバッティングに苦しんでいます。古田さん、いわゆる2年目のジンクスというのがあるんですかね?
古田 うん。『2年目のジンクス』とプロではよく言われるんですけど、それは実際にありますね。
アナ ありますか。
古田 アマチュアから入ってきた選手にいきなり活躍されるとね、元々プロにいた選手たちはなんとかね・・・「この野郎」と思ってますからね(笑)
アナ あぁ。
古田 2年目になると一生懸命、相手の弱点を探りますからね。そしてバッターの方は1年目が上手くいったから2年目も上手くいくんじゃないかと思ってしまうんでね。だから近本選手は「上手くいかないなあ」と思ってますよ。
アナ そこで古田さんの場合はどうなのか。1年目からレギュラーでしたけど、2年目の方が成績良かったんですよね。
首位打者に輝く!
古田 僕は1年目はあんまり活躍できなかったんですよ。
アナ なるほど。
古田 1年目に活躍してなかったんで、みんな「こいつ大したことないな」とどんどんストライク投げてくれたんですよね。
アナ それで首位打者ですからねぇ・・・。
古田 うん。まあ、実力もあったのかな(笑)
アナ それ待ってました(笑) やっぱり2年目はマインドを変えたんですか?
古田 そうですね。ホームランバッターではないんで、長打はホームランバッターに任せて、僕は塁に出る事を考えて単打を狙って打ってた積み重ねが首位打者に繋がったのかなと思いますね。
アナ 徹底されたんですね。そして近本選手の復活のカギはこう見てます。(※モニターに映る)
アナ 『欲を捨てる』ことだと。これはどういう事でしょう?
古田 そうなんですよねぇ。近本選手って結構ホームラン打てるんですよ。
アナ うんうん。
古田 今年もヒットは少ないんですけど、ホームラン2本も打ってますからね。広い甲子園でもスタンドイン出来るパンチ力があるんですね。
アナ はい。
古田 パンチ力があると、どうしてもフルスイングしたくなるんですよ。そうすると低めの変化球に手を出したり、本当はファウルで粘りたいところをフルスイングによって空振りしたり。それを出来るだけなくしていって、逆にイチローみたいに何とか粘って粘って塁に出るんだと、もう一回思い出してね。彼は塁に出ると足がありますから。
アナ はい。
古田 敵にとってみれば塁に出られる事がイヤなんですね。相手からするとブンブン振り回してくれる事の方がありがたいんで、そういう意味ではホームランを打てるの分かるんですけど、今は調子も悪いし、何とかセンター返しを心掛けて1塁まで必死に走るという事をやっているとペースも上がってくるんじゃないかと思います。
アナ なるほど。打率も上がると心の余裕も出てきますよね。
古田 そうですね。1番バッターが1割台という数字でこんなに勝ってるのはスゴいですよ。彼が上がってくる事が阪神のノビシロです。
以上です。