2021年3月14日にテレビ朝日で放送された『サンデーLIVE!!』でオリックスバッファローズの山本由伸の「アーム投げ」について古田敦也が朝日放送のヒロド歩美と東山紀之と共に分析しています。
古田 『アーム投げ』とはどういう投げ方かと言いますと、まずは正しい投げ方と言われるのはこの状態から。
古田 ここから肘を上げるんですね。
古田 そこから回転で投げる。
古田 これがいい投げ方と言われているんです。それを山本由伸投手はちょっと違う投げ方をしてるんですね。まずいい投げ方をしているピッチャーが前田健太投手です。よく見てくださいね。
古田 一度足を上げてから肘を下げていますよね。
古田 ここから肘を上げるんですよね。肘をグッと上げて腕を回旋して投げる。
古田 これが一般的にいい投げ方と言われますよね。そして千賀投手もそうですね。一回下にポンっと肘を下げてボールを下に置いて、肘を上げてる。
古田 こういう前田投手であったり、千賀投手のような投げ方がお手本とされる投げ方ですね。それで山本投手がちょっと違うんです。これが『アーム投げ』と言われているんですけど。
古田 彼はそれをわざとやっているんです。まずここまでは前田投手や千賀投手とほぼ一緒ですね。
古田 ここから肘を曲げずに伸ばしたまま。セカンドベースの方に腕を伸ばしたまま投げているんです。(※微妙に少し曲がってますが明らかに伸ばし気味で投げてます)
古田 前田投手と比較してみるとかなり違います。
古田 この時点でちょっと違います。
古田 そしてここでは全く違います。かなり伸びたままでかなり違いがありますよね。まるで陸上のやり投げのような投げ方ですね。ちょっとやり投げのように投げる。これを山本投手はやっているんです。
古田 スゴいなあと思ったんですけど、実は彼はトレーニングでやり投げの練習をしてるんです。
古田 これを2年ぐらい前(2019年)からやってるらしいんですけども、こんなピッチャーは今まで見たことない。わざと『アーム投げ』の練習をしてるんです。ただ、もともと山本投手は『アーム投げ』ではなかったんです。
ヒロド 何かピッチングマシーンのようですね。
古田 そうなんですよ。一般的には前田投手ように肘を曲げて投げた方がいいんですけど、山本投手はそれを頭から遠くところを通るようにこのまま投げるんです。
古田 いや、これはね、今まで「こんな投げ方してはいけない」とよく言われていたんですけどね。ちょっと変わってきましたよね。
ヒロド そこでやり投げ経験者がアーム投げでボールを投げるとどうなるのか。ハンマー投げの金メダリストの室伏広治さんは高校3年生の時に全国やり投げ2位でした。
ヒロド ただ、本格的な野球経験はありません。それで室伏広治さんの始球式をご覧ください。
古田 肘を曲げない。球速131キロでさすがは室伏広治!スゴいなあ。
ヒロド 東山さん、どうですか。
東山 これは人それぞれなんですか?『アーム投げ』というのは合う合わないがあるんですか?
古田 今まで『アーム投げ』というのは腕が伸びたまま投げるんで、どうしても肩に負担がかかるんですよね。
古田 どうしても肩を壊しやすいんです。
東山 うんうん。
古田 だから「肘を曲げて投げましょう」というのは常識だったんですよね。それが変わってきたのか。今は若い選手もちょっとやり出してるんですよね。佐々木朗希投手です。(※佐々木はこの投げ方で練習をしていたら首脳陣に反対されて元に戻しましたという報道がありました)
古田 彼もやり投げを取り入れてるんですよね。こんな練習を1月にやるなんて昔は誰一人いませんでしたよ(笑) 「やっちゃいけない」と言われていましたから。そして佐々木くんが3/12に実戦で投げた映像です。
古田 早くて分かりにくいですが、若干アーム投げを取り入れてるんですよね。1年前のルーキーイヤーと比べてみると。ここちょっと遠くなってますよね。これはやり投げを取り入れてるんですよねぇ。
古田 ジャイアンツの戸郷くんも腕を伸ばして投げていますからね。いやね、これちょっと常識の転換点を迎えているんじゃないかなと思いますね。
以上です。