2021年11月7日にフジテレビで放送された『S-PARK』で北海道日本ハムファイターズの監督に就任した新庄剛志と藤川球児が対談しています。

 

阪神時代の話から

この対談は監督就任会見の直後に収録されたものです。ちなみに新庄と藤川は1999年2000年の2年間、阪神で共にプレーしている。

 

新庄 球児との思い出はね、球児が阪神に入ってきたとき、ヒョロヒョロでさ。

 

藤川 (頷きながら笑顔)

 

新庄 でもね、やっぱり練習を一番してた。

 

藤川 抜かなかったですね。

 

新庄 本当にこの子は球界のエースになると俺は思ってた。横浜スタジアムでバンバン打たれた時に俺はセンターで守ってたんだけど。

 

藤川 そうです、そうです。

 

新庄 これから活躍してくれるんだろうなというのは物凄く思ってた。球児の顔を見たときに「こいつやりよるな」って。なんか九州男児っぽいね。えっ、球児が現役を辞めた原因は何なの?

 

藤川 僕は無観客もありましたけど、やっぱり気持ちが上がらなくなったというか。

 

新庄 そうかぁ!

 

藤川 いや、僕の話になってる!(笑)

 

新庄 大事なことよ。俺も勉強したいし。

 

 

監督就任のストーリー

新庄 (藤川は)タイガースを出て、カブスに行って、怪我をして、また独立リーグに行って。

 

藤川は2015年に独立リーグでプレーし、2016年に阪神復帰

 

新庄 俺ね、(2020年オフに)トライアウトを受けたじゃん。

 

藤川 はい。

 

新庄 それは球児のあの姿勢がちょっと頭にあった。独立リーグに行ってから、プロ野球界に復帰も面白いなと思ったんだけど、やっぱり精神的にも体力的にも移動はちょっと無理って思ったから。

 

藤川 はい。

 

新庄 それでプロ野球一本でと。でもあのストーリーの中には、この監督就任でトライアウトに挑戦したのをまたこっちに持っていきたいっていう考えもありつつで。1年間過ごしてきて10月12日に球団から呼ばれて「お願いします」と言われて。俺のやってきたことは間違いじゃなかったって思った。

 

 

原点は阪神時代

藤川 阪神の厳しさ。最初に打ちのめされて。

 

新庄 そうかそうか。

 

藤川 だから新庄さんがその時に27か28で、2年一緒にやってアメリカに行かれたんですけど、会見を聞いてて、新庄さんが「夢は大きく根本は太く」と言われたんですよ。

 

新庄 そうだね。

 

藤川 それは僕らが育った土壌と同じな気がしたんですよ。そんなに甘くないよって。

 

新庄 うんうん。「時代が」「時代が」って言うやんか。

 

藤川 言いますね。

 

新庄 俺たちの時代は、まあ厳しいというか、自分で這い上がれって時代じゃん。今はコーチが指導してもYouTubeとかあるから、そっちの方をメインで考え出してんだけど、どう思う?ガンガン言っていいと思わない?

 

藤川 その部分が新庄さんが阪神におられた時って、タイガースは(環境的に)手を一切抜けないじゃないですか。

 

新庄 抜けない。

 

藤川 今の選手は順番でチャンスが回ってくると思ってるんですよ。

 

新庄 そうそう!

 

藤川 年齢とかドラフトとか。

 

新庄 うんうん。

 

 

藤川 たたき上げないと強い者は生まれない。僕たちは高卒から入団したじゃないですか。

 

新庄 そうだね。

 

藤川 たくさんの人たちの声を聞くと、勝負師たるや何年も先を見据えている場合じゃない。

 

新庄 そこなのよ。球児で言うと「この1球で・・・」というのがあるけど、本当に抑えたいっていう選手は少ないし。

 

藤川 はい。

 

新庄 27個のアウトを全部俺が取るんだっていう選手がいないのよ。外野とか見てても「あっ、ファウル飛んだ・・・」って感じで、これでいいプレー出来ますかっていう話なんだよ。

 

藤川 今回の監督就任の話があった時と、僕が18歳で新庄さんに会った時と同じような感じなんですよ。

 

新庄 それは嬉しいね。

 

藤川 という事は、いつでもフレッシュなんですよ。

 

新庄 うんうん。

 

藤川 それでいつでも青春なんですよ。

 

新庄 はい。

 

藤川 それを見てると、今選手たちに求めようとしてる「今がスタート 全員関係ないぞ」って言ったのは、僕もアメリカに行って色んなものを見てきて、やっぱり大変なんですよ。

 

新庄 そうだね。

 

藤川 今日の監督就任会見を見た時に、やっぱり変わってない、ずっとチャレンジしてる。そりゃ監督に選ばれるわって思った。

 

新庄 ちょっと待って。球児も変わらんやろ?

 

藤川 変わらないです。

 

新庄 変わらない奴がやっぱりいいのよ。

 

 

監督として

藤川 会見でビッグボスが掲げられた「スタンドを満員する」という言葉。僕は必ず満員になると思うんです。

 

新庄 うんうん。俺のポイントは捕れるか捕れないかの打球をグワーっと腕を伸ばしても捕れなかった。

 

藤川 はい。

 

新庄 その捕れるか捕れないかの差ってどこにあると思う?

 

藤川 アドレナリンとか・・・?

 

新庄 それはファンの応援なのよ。

 

藤川 あぁ。

 

新庄 甲子園だとよく分かると思うけど、あのウワー!っていう声援が捕れるか捕れないかのボールを捕らせてくれる。これが無観客なら捕れないのよ。何故かと言うとスタートが遅れるから。ピッチャーも同じ事だと思う。

 

藤川 集中力。

 

新庄 集中力。それでマウンドに行くまでのグッと気持ちが入るか入らないかはやっぱりファンなのよ。

 

藤川 それを日本ハムで。

 

新庄 作りたいね。そういう風にできる選手はけっこういる。

 

藤川 僕もいると思います。

 

新庄 そうだね。球児も日本ハムを解説しながら俺に教えてよ。

 

藤川 (無言で頷く)

 

新庄 本当に。こういうのがプロ野球を盛り上げるひとつのポイントになると思うのよ。だから球児待ってるよ、ピッチングコーチで。

 

藤川 ハハハ(爆笑)

 

新庄 約束してくれないかな。臨時コーチで。

 

藤川 あぁ、それはもうぜひ。

 

新庄 球児のピッチングフォームを教えてくれとかじゃないの。もうメンタル。

 

藤川 はい。

 

 

指導法

藤川 今年1年、初めて解説したんですけど、できる日本ハムの選手はいるんですよ。

 

新庄 います。

 

藤川 それを今日の会見の「スタートは一緒だぞ」という言葉で、僕は差が出ると思うんですよ。根性ある奴が出てくると思うんですよ。

 

新庄 良かった。

 

藤川 目ぼしいのは自分自身で見つけるおつもりですか?

 

新庄 もちろん。

 

藤川 アドバイスをGMに聞いたりとかじゃなくて自分の目でいきたい?

 

新庄 まずはその子の性格。

 

藤川 そうですね。

 

新庄 性格を見極めるのが大事で。やっぱり話さないと分からないでしょ。あとは目の角度。下を向いてるとか、返事の仕方とか。

 

藤川 はい。

 

新庄 こいつの指導はこう、怒っていい、自由にさせるとか。そういうのを野村さんから習ったし。

 

 

野村監督について

藤川 18歳の時の僕から見る新庄さんは野村さんに怒られてるという、メディアを通してそう見られてたじゃないですか。

 

新庄 うんうん。

 

藤川 でも、いつも新庄さんの近くで野村監督がいて、メディアがいない所で2人でバットを持たずに普通に話している。

 

新庄 (野村監督が)そういう選手、そういう根性のある。

 

藤川 見抜いたという事ですよね。

 

新庄 うん、そうやねぇ。

 

藤川 日本ハムにそういう肝の据わった選手がいるといいですね。または発掘するのか。

 

新庄 あんまりいなくない?俺みたいな選手って。

 

藤川 いないですね。

 

新庄 いないよね。じゃあ、いないと思ってる。

 

藤川 そうですか。

 

新庄 いなと思っていくね。

 

藤川 うんうん。 新庄さんの場合は目や空気や言葉でそれを人が受け取ることが出来る。これは天性なんですよね。磨かれてきたものなのか、環境的なものなのか。

 

新庄 うん。磨いてきた方が大きいかな。それ何でかと言うか、俺は自分のことより人が何を考えているかを探る方が好きなの。

 

藤川 そうでしょうねぇ。

 

新庄 大好きなのよ。

 

 

最後のまとめ

藤川 最後になるんですけど、最後というか最初の1日なので、恐らく日本では新庄ビッグボスが来シーズンに日本のメディアでは一番注目されるであろうと言われてます。なので、この番組では全力で追い掛けますので。

 

新庄 球児だったら色んな勉強にもなるし。その代わりに教えてよ、ちゃんと。情報を分けてくれないとダメだよ。

 

藤川 阪神球団の編成とお繋ぎさせていただきます。

 

新庄 ハハハ(爆笑)

 

藤川 それでよろしいでしょうか(笑)

 

新庄 球児もあんまり球団の方向性とかあんま考え過ぎちゃダメだよ。球児の生き方でどんどん言ってくれる球児の方が俺は好きだね。

 

藤川 汗出ます(笑) あの時の18歳のクソガキが認めてもらえると思わずに。

 

新庄 球児、目指せよ!監督を。

 

 

以上です。

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