2018年6月20日BS1で放送された「ワールドスポーツMLB」でこの日のシカゴカブス戦で前夜の悪天候によりスライド登板となったロサンゼルスドジャースの前田健太の苦しいピッチングをメジャーで活躍した小宮山悟がフリーアナウンサーの平原沖恵と共に分析しています。
【この日の前田の投球内容】
3回2/3、74球、被安打5、奪三振2、与四死球5、失点3
今季4勝4敗 防御率3.84 (6/20の試合終了時点)
【前田の試合後のコメント】
前田 酷かったですね。今日はどうしようもない感じですかね。まあ、修正点は自分の中で見つかっているんですけど、それがなかなかうまくいかなかった。(故障明けから)帰ってきて2登板は僕の中でまだしっくりきていないので早めにフォームの修正をしたいと思いますね。
アナ ドジャースの前田投手、今日は悔しい結果となりました。小宮山さん。
小宮山 好調カブス打線なのでかなり気を使っていたと思うんですけど、苦しいマウンドでしたね。いつもの前田じゃなかった。
ここで視聴者からマエケンについて質問が読み上げられる
『前田投手の制球が見れた要因は怪我とスライド登板、どちらの影響が大きいですか?』
小宮山 これはもうスライド登板です!
アナ スライド登板ですか。
小宮山 間違いないです。昨日(悪天候で流れた6/19)のナイトゲームに2日も3日も掛けて調整してきていますよね。それが3時間待たされた挙句、翌日デーゲームでの登板をしろと。もうナイトゲームの体になっているのに、いきなり次の日のしかも12時開始のゲームですから。
アナ はい。
小宮山 もうそんなの無理です。
アナ その影響が見られたシーンはありましたか。
小宮山 このVTRを見てもらえれば分かるんですけども。
【2回裏1アウト2-3塁の場面を見ながら】
小宮山 本来、コントロールが良いとされるピッチャーがここまでボールが思うようにならないというのはなかなか無いと思うんですよ。それは昨日のナイトゲームで3時間待たされて、挙句、昼間のゲームに備える時間もなくバタバタしながらの登板ですので体が重たいんですよ。
アナ はい。
小宮山 睡眠不足とかもあるでしょうし。本来のスライダーが抜ける事が多すぎたので、自分の中でも何とかしたいと思っているはずですよ。でも、思うようにコントロール出来なくて痛打を浴びるという事を考えると、これは無理です。
アナ 無理ですか。
小宮山 僕もこういう経験が何度もありますけど、スライド登板でデーゲームで急に投げろと言われても、体がそんなに簡単に元に戻らない。
アナ 一番良く体動く調整というのが難しくなりますよね。
小宮山 はい。
アナ 今日の前田投手のエクステンションのデータです。
エクステンション
今シーズン平均 | 6/20の平均 | |
フォーシーム | 182.8cm | 179.6cm |
スライダー | 173.7cm | 168.7cm |
※エクステンションとはピッチャープレートからリリースポイントまでの距離で、その距離が長いほどリリースポイントがバッターに近くなり球持ちが良く打ちにくい
この番組では前田のエクステンションのデータが頻繁に使われている
アナ バッター寄りでボールを放すと良いとされているんですけど、今日の前田投手はフォーシームは3㎝、スライダーは5㎝、いつもより自分寄りに放していると。
小宮山 はい。本人の中ではいつもと同じ感覚で投げているんですよ。ただ、これがナイトゲームからデーゲームに急に変わった事によって思うようにならなかったというところで同じつもりで投げているんだけども、数字がこれだけ違うというところで本人も何とかしたかったんでしょうけど、もう何度も言います。無理です。
アナ どうにもならなかったというコメントもありましたしね。あまり気にせずに切り替えていくしかないですね。
小宮山 もう次は大丈夫だと思います。
以上です。
やっぱりナイトゲームからデーゲームになると調整もおかしくなりそうですね。体の準備も心の準備も無茶苦茶になりそうです。