2018年7月29日にBS1で放送された「ワールドスポーツMLB」でこの日のシアトルマリナーズ戦で16打席ぶりのヒットを打ったアナハイムエンゼルス大谷翔平の不調の原因をメジャーで活躍した小宮山悟が細かく分析しています。フリーアナウンサーの上田まりえと共に語っています。
【この日の大谷の打撃内容】
1打席目 セカンドゴロ
2打席目 センターフライ
3打席目 セカンドゴロ
4打席目 レフトフライ
5打席目 ライト2塁打
打率.262 (7/29の試合終了時点)
【大谷の試合後のコメント】
大谷 (16打席ぶりのヒットについて)たまたま甘くきたので、いいところに飛んでくれたのかなと思います。フェンスを越えると思ったんですけど、ちょっとドライブ気味にいったので入らなかったのかなと思います。もちろんヒットが出ないより最後に1本出たほうが明日に繋がると思います。
アナ 16打席ぶりに素晴らしい打球を放った大谷選手ですが、ちょっと首をかしげていました。小宮山さん、久々のヒットが出ましたが。
小宮山 まあ、苦しんでいたとは思うんですけど、そこまで酷い打席が続いていたわけではないんですね。なかにはいい当たりもあったので、たまたまアウトになったということなんでしょうけども、今日は苦しみながらもヒットが出たので褒めてあげたいですね。
アナ では、今日の大谷選手のバッティングを振り返っていきます。
【大谷の打席を見ながら解説】
小宮山 今日、5打席あった中で6回裏と8回裏の打席を見てもらいたいんですけど、6回の打席(結果はレフトフライ)はインサイドにくる球の内側を叩こうと思って、引き付けて強い打球を打とうとして、ちょっと下から打っているように見えますけども、そこまで酷い感じではないんですよ。
アナ はい。
小宮山 それで、8回の2ベースヒットはもうちょっとボールの下を数ミリ叩けば、多分フェンスを越えていたと思うので苦手の対左ピッチャーとはいえ、ある程度オーソドックスな投球をしてくるピッチャーなので、体が開きもせずに強い打球が打てたのかなと思います。
アナ はい。
小宮山 最近、下からアッパー気味に振っているように見えている要因としては、実際に色々と試しながら今はやっていると思うんです。どうするのがいいのかみたいなのを。
アナ はい。
小宮山 上手くボールを掴まえきれない中で、今の下から打っているような形がいいのか悪いのかで言うと、参考にしている選手がいると思うので。
アナ 誰でしょう。
小宮山 エンゼルスのチームメイトのトラウト。
アナ ほー。
小宮山 トラウトの打撃フォームって、かなり下からカチ上げてるいる感じなんですよ。
アナ はい。
小宮山 トラウトの打ち方は、軸がブレずにトップの位置からボールを叩くところまで打ち下ろしながら、最後のフォローを上に上げるようなフォーム。
アナ はい。
小宮山 なので、横からの映像を見ると、下からすくい上げているように見えますけど、実際にコンパクトに強く打つために叩いている感じなんですよ。
アナ はい。
小宮山 大谷の場合は、前に移動しながらボールを拾うみたいな形になっているんだけど、トラウトみたいに引き付けといて、これ以上は引き付けられません、というところまで待っといて、思い切り打ちに行くと、どうしても前の肩が上がるような形になりがちだと思うので。
アナ はい。
小宮山 目の前にいいお手本がいるので、ああいう打ち方をしたいと思うのは当然なんだろうなと思います。恐らく、30球団の中でトラウトのバッティングは最強だと思うんです。なので、大谷からすれば、身近なところにお手本があるので、試しているんだと思います。トラウトと大谷の打撃フォームの比較画像を見ると左右対称に見えなくもないですし。
アナ そうですね。
小宮山 まあ、いいお手本なので真似をしているということなんだと思います。
アナ デメリットになることはないんですか?
小宮山 基本的にメジャー最強であるトラウトの打ち方を左で真似できれば、これ以上のことはないと思うんですよ。なので、外野の頭を越す打球がもっともっと増えてもおかしくないですし。
アナ はい。
小宮山 要は思うような結果が出なかった時に、打率が下がってくると、外野がヤイヤイ不調のことを言うと思うんですよ。
アナ はい。
小宮山 そうなった時にシフトを敷いてくれるとレフトサイドがガラ空きなので、そっち側に上手く打つようにできますから、それによってヒットを量産して通常の数値まで引き上げれば、またトラウトのような打ち方を試行錯誤する余裕もできるだろうし、本当に数年後のことを考えたときに今の形をもっと進化させるというのをトライしているんだろうと思います。
アナ 更に進化していきそうですね。
小宮山 恐ろしいバッターなので(笑)
以上です。
トラウトをお手本にしているとしたら、凄い試みだと思います。