2018年8月24日にBS1で放送された「ワールドスポーツMLB」でこの日のクリーブランドインディアンス戦で先発し8回無失点の好投を見せたボストンレッドソックスのデビッド・プライスのピッチングについて元ロッテの黒木知宏がフリーアナウンサーの平原沖恵と共に解説しています。
【この日のプライスの投球内容】
8回101球、被安打3、奪三振7、与四死球1、失点0
今季14勝6敗 防御率3.50 (8/24の試合終了時点)
【プライスの試合後のコメント】
プライス 今日のようなピッチングができて、やっとレッドソックスに相応しいピッチャーに戻れたよ。
アナ ポストシーズンの前哨戦と言われたこのカード。レッドソックスが勝利し2勝2敗のタイとしました。黒木さん。
黒木 やっぱり、レッドソックスは強い勝ち方をしましたよね。これがポストシーズンだったら、このままいってしまいそうな強い勝ち方ですね。
アナ そうですね。
黒木 今日はその中で一番はプライスの好投かな。特に右バッターへのアウトコースの出し入れが本当に良かったですね。
アナ では、2回のガイアー選手の対決で見ていきましょう。
【その場面の映像を見ながら話します】
黒木 初球にチェンジアップをアウトコースのストライクかボールかギリギリの所に投げ込んで空振り。
アナ はい。
黒木 2球目は同じコースにフォーシームを投げて見逃しのストライク。そして、3球目はアウトコースの高めにボールになるフォーシームを投げて、4球目はアウトコース低めにチェンジアップで打ち取ることができたんですよね。
アナ うーん。
黒木 もうバッターにとって厳しいコースを出し入れすることによって、バッターに打たれるようなボールを投げなかった。これが今日のいいピッチングの要因でしたね。
アナ では、更に詳しく投球解析ツールのゼウスで見ていきましょう。(※ゼウスとはバッター目線からボールの軌道が分かるツール)
黒木 1球目と4球目のチェンジアップが一つのポイントとなるんですけど、これボール球なんですけど、振ってしまうんですよね。
アナ どうして振ってしまうんですか?
黒木 ガイアーの前のバッターのカブレーラに対して、実は伏線があったんですね。
アナ はい。
黒木 これなんですけど、アウトコースのカットボールです。まあ、アウトコースに外れているボールなんですけど、これを審判がストライクと判定したんですね。
アナ はい。
黒木 それによって、バッター陣がアウトコースのボール球でも対応しなきゃいけなくなったんです。
アナ はい。
黒木 それで投げる方のプライスからすると、アウトコースのボール球をストライクに取ってくれるのであれば、アウトコースに集めて配球をしていけば当然抑えられるということになりますので。
アナ ストライクゾーンが広がるんですね。
黒木 はい。そして、厳しいボールを打ちにいってヒットにはならないですね。これがプライス好投の要因になりましたよね。
アナ そのプライス投手は今日の勝利で14勝目をあげましたが、後半戦は6試合を投げて4勝0敗、防御率は1.09と調子を上げてきていますよね。
黒木 もう完璧ですよね。もし、今日のプライスをどうやって攻略するかと考えるのであれば。
アナ どうするんですか?
黒木 もうお手上げです。
アナ フフ(笑) 諦める(笑)
黒木 もうそれぐらいのピッチングをしたわけですよ。ですから、後半戦負けなしという成績も頷けるような状態ですので、このピッチングをずっと続けていけば、レッドソックスは強いままいくのかなという感じがしますよね。
アナ それぐらい今日は完璧だったんですね。
黒木 完璧でした。
以上です。
1球のストライク判定で試合の流れが決まったようです。