2018年10月6日にフジテレビONEで放送された「プロ野球ニュース」で中日ドラゴンズの荒木雅博の引退会見の様子が流されていました。
―引退会見の心境は?
荒木 やっとスッキリできるなという感じですね。
―引退を決めて今の思いは?
荒木 これはもう本当にやり切った感じで、やり切り過ぎて涙も出ないですね。
―『まだやれる』と周りからの声があるが
荒木 あのですね、よく周りの方から「お前、まだ動けるな」ってよく言われるんですけど、それというのは40歳を過ぎた割には動けるという意味で僕は捉えていました。プロ野球選手として動けるんじゃないかという風には僕は捉えられなかったので。周りの方にそうやって、「まだできるんじゃないか」って言って頂けるのは本当にありがたい、そんな中で引退できるのは本当にありがたいことだと思います。
―では、改めて悔いはないか?
荒木 ありまへん。(記者から笑いが漏れる)
―23年間のプロ生活を支えてきたものは
荒木 とにかく自分の力がプロ野球選手として通用するとは思わなかった。その気持ちですね。『まだ自分は下手なんだ、下手なんだ』と常に思い続けて、実際に今でもまだ自分の力を信じることが出来ずに最後まできました。そこが多分ここまでやってこれた一つの要因だと思います。
―荒木雅博の誇りは何か
荒木 盗塁ですね。もうとにかくこの世界で通用するのはまず足だけだと思ってやってきましたので、そこは本当にいい数字を残させてもらって、本当に嬉しいですね。
―心に残っている走塁については
荒木 一番心に残っているのは、2011年のヤクルトと優勝争いをしている時の、2アウトから僕が2塁打を打って、井端さんがセンター前に抜けるヒットを打ったときにホームに生還するときのあの走塁はナンバーワンだと思っています。そこだけは自信を持って言えます。(※2011年9月23日ナゴヤドームでの試合でホームにヘッドスライディングをしてタッチをギリギリかわしてセーフ)
【その試合の荒木と井端のヒーローインタビュー】
井端 打ったのは嬉しいんですけど、荒木の走塁に尽きると思います。
荒木 まあ、ああいうところで必ず井端さんが必ずやってくれるというのはもう1番2番を組んだときから、そういう気持ちでセカンドベースにいますから、もう何とか還りたかったので良かったです。
―荒木雅博にとって井端弘和とは
荒木 井端さんはどういうふうに感じてらっしゃるかは分からないですけど、とにかく僕はライバル視していましたので、とにかく切磋琢磨という言葉が一番当てはまるのかなと思います。この人が練習やっているんだったら、僕はまだやろうという気持ちでやっていましたから、いいライバルであり、いいチームメイト。試合中にはアドバイスをして頂きましたし、やっぱり横に井端さんがいたということは僕の成長には欠かせなかったんじゃないかなと思います。
―10月13日のラストゲームについて
荒木 今から調整しますので、とにかく最後まで野球選手として全うしたいというのが僕の気持ちですから、もう一度調整し直して、もう1回だけ走りたいので、盗塁をしたいので、何とかそれが実現できるように、しっかりと準備をしたいと思います。
荒木雅博 41歳
1995年ドラフト1位で中日に入団
2004~2009年までゴールデングラブ賞
通算378盗塁(球団記録) 2043安打(史上43位)
以上です。