2018年12月にフジテレビONEで放送された『プロ野球ここだけの話』で岡田彰布が監督人生で会心の采配、忘れられない試合についてフリーアナウンサーの梅田淳と共に語っています。
岡田が挙げたのは2005年9月7日の中日戦の試合
2位の中日と2ゲーム差で迎えた天王山。阪神は3対1の2点リードで迎えた9回裏ノーアウト2-3塁の場面で起こったホームクロスプレーがセーフとなる微妙な判定に岡田が激怒。この日2度目の微妙な判定に守っている選手を引き揚げさせて猛抗議。試合は18分中断する事態になる。試合再開後、9回裏3-3となり1アウト満塁の大ピンチに陥る。そこで岡田は自らマウンドに行き選手たちに言葉を掛ける。その直後に投げている久保田が奮闘しピンチを切り抜けると最後は11回表に中村豊の決勝ホームランで延長戦を制し優勝を決定付ける。
アナ これは強烈に印象に残る試合ですね。
岡田 そうですね。この試合は審判の判定でアウトセーフで微妙なのが3回か4回ぐらいあったんですよね。
アナ はい。
岡田 2ゲーム差での試合だったんで、これ負けたら1ゲーム差になって、2連戦だったんですけどね。なんか微妙な判定の試合の時に限って阪神OBの試合ばっかりなんですよ。
アナ そうなんですか(笑)
岡田 阪神OBの審判が4人ぐらいおるんですよね。なんかそういうのが多いんですよ(笑)
アナ でも選手を引き揚げさせるのも勇気がいりますよね。
岡田 もうこれは流れですよね。でも、こういうことがあったんで、引き揚げさせたら退場になるルールが新しく作られたんですよね。
アナ そうですね。それであの後にマウンドに行きました。
岡田 はい。
アナ あの時は何と声を掛けたんですか?
岡田 「もう負けていい」と。
アナ はい。
岡田 「その代わり全部インコース真っ直ぐに行け」と。あの時にキャッチャーの矢野がちょっと笑ったんですよね。キャッチャーって大事な場面でインコース真っ直ぐっていけないでしょ。矢野もいきたいけどいけなくてベンチをよく見るとか。あの時に「打たれて負けてもいい」と言ったんでね。その代わりインコース真っ直ぐでいけと。
アナ それで気が楽になった部分もあったんでしょうかね。
岡田 まあそうでしょうね。
アナ それまではマウンドに行ったことがなかったんですよね。
岡田 そうですね。これが初めてでしたね。
以上です。
やはりこの試合が岡田にとっては最高の試合でしょうね。