2019年2月3日にTBSで放送された『S-1』で広島カープの鈴木誠也のバッティングを中心に新井貴浩が解説しています。途中で埼玉西武ライオンズの山川穂高のスイングについても言及しています。
この分析が始まる前にVTRで鈴木誠也と山川穂高を新井さんがインタビューしていました
アナ 鈴木誠也選手の更なる飛躍のポイントを挙げて頂きました。
新井 はい。『広角打法』です。
アナ 広角打法。これを身に付けること。
新井 そうですね。もともと誠也選手は引っ張る打球が多いタイプのバッターなんですけど、これがセンター、またはセンターから逆方向に長打やホームランが多く出るようですとまた更にスゴくなると思いますね。
アナ なるほど。話に挙がっていましたがミランダ選手から打ったライトへのホームラン。
新井 そうですね。これは僕もビックリしたんですけど、なかなかこのボール球をこの方向にホームランにするというのを見たことがなかったので。
アナ これはいい感覚と言いますか、何かのきっかけに?
新井 そうですね。本人に聞いたら本人も「初めての感覚でした」と言ってましたね。
アナ なるほど。そして対談でありました、鈴木誠也選手の大根切りのようなバットの軌道について改めてどういう意味があるんでしょうか?
新井 まず打ったら1塁側に走るということもあって左バッターと右バッターでちょっと違うんですけど、ちょっとそれは置いておいて。
アナ はい。
新井 誠也選手がやったバット軌道のイメージって言ってたんですね。山川選手にも聞いたんですけど、こう振るイメージだと。
構えて
ヘッド立てたまま前へ縦に振り出す
こういうイメージでフィニッシュ
アナ はい・・・。
新井 実は私も現役の時にバッターのヘッドがピッチャーの方に向いていたので、自分も山川選手と全く同じで、構えてそのまま縦振りのままでいく意識ですね。
アナ はい。
新井 まあ、これはあくまで感覚的な問題で意識レベルの話なので。
アナ なるほど。
新井 じゃあ、どうしてそういう風に意識するかってなった時に、それを意識しないと誰もがスイングするとバットのヘッドが下がって出てくるんですね。
アナ はい。
新井 そうなると右肩が下がってバットが出てくるので、150キロ以上の球だと前に飛びにくいんですよね。
アナ 捉えづらい。
新井 はい。右肩が下がっていくとそうなります。ですから、そうならない為にあくまでも山川選手のような縦振りの意識でバットを振っていくとちゃんと右肩が下がらずに体の近くを通ってレベルでスイングできる。
アナ なるほど。今、レベルでという言葉が出ましたけど、改めてルベルの意味を説明お願いします。
新井 レベルとは軸があって、それに対して水平に振るということなんですけど。
アナ はい。
新井 色々と考え方があるんですけど、最近はアッパーがいいだとか、昔はダウンだとか。そのアッパーとかダウンとかレベルではなしに、私の場合は打ちにいった時に体とバットが離れないように。
体の近くからスイングを始める
ずっと体の近くを通るように
新井 バットがずっと体の近くを通っていくようにスイングをする意識で、それで最後に手首を返して振っていくっていうのが重要だと思いますね。
アナ はい。
新井 やっぱりバットが体から離れるのが早いと力がボールに伝わりにくくなるので。
アナ はい。
新井 ですから、少々右肩が下がってもとにかく体の近くをバット通っていくという意識で振ってました。
アナ こうなるとバッティングの数字にも表れますか?
新井 そうですね。体の近くを常にずっと通ってくると、ポイントに幅が出るんですね。
アナ はい。
新井 ですから、差し込まれても、押し込んで打つことができるので、確実性も上がります。
アナ 瞬間的な対応もできるようになるような。
新井 できるようになりますね。最後までとにかく体の近くを通してなるべく最後まで離れないように最後に手首を返してフィニッシュをする。
アナ なるほど。さあ、この広角打法とレベルスイングが出来れば今シーズンの鈴木誠也選手はこれだけの新井さんは数字が残せると。こちらです。
打率.330 本塁打40 打点120
新井 はい。打点の場合は前の打者が関係してくれるんですけど、前の打者が出塁をたくさんしてくれれば彼なら120打点ぐらいは軽く出来ると思います。
アナ 軽くできますか。
新井 はい。
ちなみにこちらで西武の中村剛也と山川穂高の打撃の比較を中畑清がしています
以上です。
新井さんの打撃理論が垣間見えました。